見出し画像

まさかの変貌!

不安をよそに次の日Y子は来た。

そして来る日も来る日も特訓した。

やがて

らしゃせ↓  
らっしゃーせ→
いらっしゃーせぇ
いらっしゃいませー
いらっしゃいませ!
いらっしゃいませ♪

「いらっしゃいませ🎶」

い、言えた🥹✨


1週間くらい特訓したと思う。でもY子は決してくじけなかった。元々天然キャラ要素もあって打たれ強かったのか一生懸命ついてきてくれた。

Y子は 都会よりも人の少ない県の出身で、ここへくる前は少しの間カラオケ店でアルバイトをしていたが、意識して挨拶するなんてことはやってこなかったし、ましてや自分がどんな表情で話しているか考えたこともなかったとの事。

Y子: カラオケ店であの挨拶をしていたのかと思うと恥ずかしいです💦 ハハハ

私:  笑。でも見違えるように変わったし笑顔も声のトーンもすごく良くなった!頑張りましたね。

Y子: 根気よく教えてくださりありがとうございます!接客もたくさんできるようになりたいです!!

そう言って今度は接客に力を入れてどんどんお客様と話すようになった。

Y子は少し天然でほんわかしているが、とにかく素直で頑張り屋さんだった。頑張って積極的にお客様に話しかけて試着へと繋げるのが得意になった。

が、しかし。試着から出たお客様に「ちょっと考えます」と言われて帰られてしまうケースがほとんどだった。

Y子:  チーフゥ、私はどうして帰られてしまうんでしょうか??

私: 今度「考えます」って言われたら「どのあたりが気になりましたか?」って優しいトーンで聞いてみようか。買ってもらいたいからではなく、お客様の悩みに寄り添う気持ちで。

と、アドバイスして、また何度も特訓をした。「考えます」と言われてからのシュチュエーションにスポットして互いにお客様役をやったり、〇〇が気になりますと言われたらこの商品を提案してみよう!とか、一生懸命になりすぎると真顔や早口になりがちなので、怖くなってしまわないよう気をつけてお客様との距離感を保ったり…。などなど、ロールプレイングで細かなニュアンスをしっかり伝え、実践形式での特訓を繰り返した。

するとY子はみるみるうちに売れるようになった。
アプローチでは持ち前の天然なキャラで楽しく盛り上がり、クロージングではお客様へ親身になるというギャップも身につけて、お客様はY子の虜になった。

やがてファンも増えY子はお店にとって欠かせない存在となった。そんなある日私は上司に呼ばれた。


Y子さんを〇〇店の責任者候補として異動をお願いしたい。と...。

いらっしゃいませが言えなかったY子をここまで育ててよその店舗に取られるのは嫌だった。売上のこともあるが、手塩にかけた子をひょいとさらわれてしまうのが悲しかった。

でもY子にとっては昇格のチャンスでもある。
Y子の意思を聞くと、この店を離れることはショックだが昇格には興味があると。つらかったけど私は笑顔で送り出した。

そうして昇格式を迎え、Y子はチーフになった!

この時は泣けた。
本当に本当にY子は良く頑張ったと思う。


この後もY子は色んな経験をして店長、そしてマネージャーにまで昇格した。(この色んな経験談はまたいつか書くつもり☺︎)


いや〜それにしてもあのY子がここまで変貌を遂げて成長するなんて!!🪄

どのポイントで開花するかは人によって違うと思うけど、その子に合った教え方ってすごく重要なんだと思う。スタッフ教育って難しいなーと思っている時にY子と出会って、私はY子と向き合う事でそれをすごく実感させてもらえ、共に私も責任者として大きく成長した経験だった。


Y子さん以外にも印象に残っている数々のスタッフとそのエピーソードを今後も綴っていきますので、もし興味があればフォローお願いします🤝✨


次回は「バイバイ👋と言って帰る子」を予定しています☺︎🔜

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?