Wi-Fiはエコである

　入浴中というのは実に色々なものが降りてくる。
　
　今まで悩んでいたことは何だったのかと思えるほどの画期的な発想が降ってくることがある。
　かと思えば、実にしょうもない駄洒落が降りてきて頭の中をぐるぐるとリピート再生することもある。
　「ワイファイハエコデアル」。実におもしろい。いやまったく。じつにおもしろい。悲しくなるほどに。
　
　せめて、こじつけであろうと本当にWi-Fiがエコになりえるのなら、この場で屁理屈をこねくり回して、どやっ！とか言ってみせられるのであるが、僕の知りうるWi-Fiはエコとは関わりが無いのである。

　入浴中、特に湯船に浸かっている間は一日の中で最大級にリラックスしているわけで、常時トップギアな僕の心も唯一ニュートラルに入っている時間である。ニュートラルすぎて脳の無意識領域が活発になる。そうなると夢の中とほぼ同じ状態なのである。

　ここで僕の名誉のためにことわっておくが、僕はいつもWi-Fiがエコである夢を見ているわけではない。極めて夢のある夢を見ている、とうそぶいたところで、そもそも夢のある夢とかよくわからないことになってしまって誠に残念である。

　僕に何かが降りてくるのはトイレに座っている時ではなく、ぬるま湯に浸かっている時である。そんなお話。