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価値観の差異〜花束みたいな恋をした〜

あらすじ
大学生の絹(有村架純)と麦(菅田将暉)はある日京王線の終電を逃し、
居酒屋で始発まで時間を潰していた。たわいもない会話からさまざまなカルチャーの好みが一緒で楽しいという思いが募った。そこから二人は付き合い、就職活動がうまくいかない絹と好きなことをしていきたいという麦は互いに好きなことをしながらフリーターとして同棲を始めた。好きなことをし、好きな人と生活する生活はとても幸せに満ちていたが、現実は甘くないもので互いの親に現実を突きつけられ麦は一生懸命に就職活動しサラリーマンに。絹は成り行きで受付に就いた。
一生懸命職に就いた麦と、成り行きで職に就いた絹では仕事に対するモチベーションが異なり、自分が踏み込んだ現実を見ている麦と現状を保っている絹の間にフラストレーションが溜まってきていた。出会った頃と環境が変わり、次第に気持ちも離れていった二人は二人にとって最善の選択をとった。
誰もが通る、子供から大人になる際に味わう好きだけどもどかしい思いを表した映画。


私もそうだった。

大学4年生の頃、ベンチャー企業インターン先の上司と付き合っていた。
ちょっとしたきっかけで仲良くなり、遊びに行くようになり、楽しいことを一緒にするのが楽しくて、幸せでたまらなかった。

でも私がインターン先ではなく、大企業に就職してから変わった。
環境が変わった私と、環境が変わらない彼。
麦くんみたいに新しい価値観について「仕方がないんだ」の押し売りはしていないが、新しい環境が楽しいと思っていた私に彼はどこか遠くに感じてしまったのだろう。

絹と麦は互いのスタートが同じだったから、折り合いをつけるタイミングも同じだったが、世の中スタートが異なる事が多い。
だからどちらかの「一方的」という言葉がよく使われてしまうのだと思う。

価値観は環境によって変わって当たり前だ。

それも最初「合う」と思った人ほどこそ微量の差異がとても大きく感じてしまう。その際を、新しい価値観としていいなと思えるか思えないかが人間関係を大きく左右するのではないかと思う。

麦と絹は大学生で出会い、社会に出てどんどん新しい世界に、価値観に出会うときだ。価値観の差異は仕方がない。

その価値観をどう受け止めるか、それを見つけることが人生大切なのだと思う。

好きなシーン
・花の名前をあえて教えない絹ちゃん
・ベランダで麦くんが抱きしめるのではなく、絹ちゃんが腰に手を回すところ

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