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《セプテーニグループ創業30周年企画》 創業者七村さんに聞いてみた!  ~セプテーニグループメンバーから募った質問にざっくばらんに答えていただきました~

こんにちは。セプテーニグループnote編集部です。

セプテーニグループは今期で30周年となります。

今回は30周年企画として、創業者の七村さんに、セプテーニグループメンバーから募った質問に答えていただきました!

「この時代ではどんな人が活躍する?」「大切にしている考え方や哲学は?」など、様々な質問に答えていただいています。
ぜひご覧ください!

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ーセプテーニグループ創業30周年ということで、社員の皆さんから七村さんに聞きたい事を募集しました。今回はその中から様々な質問に答えていただくという企画です。
よろしくお願いします。

それでは一つ目の質問です。

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僕は、優秀かどうか人という軸では見ていなくて、今まで出会って一緒にやってきたパートナーみんなが優秀だと思っている。
みんなが集まって協力してくれるから、自分も成長できる、と。

ー以前、「自分の部下は自分より優秀だと思え」ということもおっしゃっていましたね。

そうだね。
社長の器って会社の器以上にならないと思っているんだよね。だから、自分が全部やる、と言っているうちはずっと大きくならない。
逆に言うと社長が優秀な人たちに期待し、成長してもらって、社長も器が大きくなっていくと、会社が大きくなっていく。
会社は舞台、経営者は監督、演出家。社員は役者。上場して株主は観客。
監督が成長し、役者が育つと舞台はどんどん良くなっていく。すると観客から評価され、素晴らしい舞台になっていく。

そういう意味では、会社を大きくするためには、社長が優秀過ぎてもだめで、自分より優秀だと思える人をまわりに置けるようにすることが重要かなと思います。

僕も、自分より優秀な人たちが働きたいと思ってもらえる会社にしたいと思ってこれまでやってきました。

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ー続いての質問です。

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数十年前は、ハードワークが自分を成長させるというのがその時代の価値観だったので、「自己主張ができる人、長時間労働に耐えられる人」が活躍する傾向があった。

しかし今は時代が変わり、「活躍できる人」の特長として3つあると思っています。

1つ目は「克己心のある人」。
自分を超えることができる力・やり抜く力を持っている人ということ。

2つ目は「変化できる力をもっている人」。
昔はいかに長時間労働やハードワークができるかという時代だったけど、今の時代は、いかに生産性を上げていけるかなどにフォーカスしてるよね。
そういった時代の変化とともに、自分が変わっていけるかが大事だと思う。

3つ目は、「運を味方にできる人」。
「幸運の女神には、前髪しかない。」ということわざがあるように「チャンスは前髪でつかめ」と言われています。

それはつまり「今がチャンス」と思ったときに捕まえなかったら、後からでは髪がなくてつかめないということです。

みんなに運は必ずあるんだけど、それに気付けるかどうか、あるいは踏み出せるかどうかで差が出てくると思う。

なので、今の世の中で活躍できる人は、やり抜く力を持っていて、変化できる力を持っていて、そういう運・チャンスが来たときにつかめる人。

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ー七村さん自身が、人生において運やチャンスをつかんだと思ったのはどのような時だったのでしょうか。

僕はその時々で運をつかんできたりラッキーだったと思うよ。

例えば、父親を早くに亡くして貧乏だったから、大学に行きたくてもお金がなくてどうしようかと思ってた。まあアルバイトすれば何とかなるんじゃないかと思っていたんだけれど、国立大学ではそういう環境の生徒に対し授業料が免除という制度があってたので、お金がない中でも大学へ行くことができた。
貧乏だったけど、これもラッキーと言えばラッキー。

また、リクルートに入社したのもラッキーだったかもしれない。
当時、リクルートがアルバイトとして学生を集めてその中から優秀な人を採用するというのをやっていたんだけど、僕にとってはめちゃくちゃ割の良いバイトだったから、これは良いなと思って参加していた。
そうして成績をあげていったら、リクルートに入社することが決まって。
入ってみたら、リクルートの中で学べることがたくさんあってとても成長できた。

そして1990年に仲間7人でリクルートから独立してこの会社を立ち上げ、皆に協力してもらって上場を経験して。

わりと好きに生きてきたけど、その都度チャンスは捉えてこれたし、その時々で助けてくれる人がいたことが大きかったかな。

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ー「ビジネスマンにとって普遍的で不可欠なスタンス」についてはいかがですか?

普遍的スタンス、つまり生き方なんだけど、上場する前くらいからだったかな、「王道で生きようよ」と思うようになった。

つまりそれはものごとについて損得で意志決定するのではなく、信頼できるかどうかで判断するということ。これはだまされたり失敗した経験があるから言ってるんだけどね。

「こっちと付き合ったら儲かるな、ちょっと胡散臭そうだけど」って選ぶと、長期的には必ずマイナスな結果になる。

「儲からないけどこいつは信頼はできるんだよな、まあでも騙されてもいいからやるか」っていう人のほうが長い目で見ると良い付き合いができる。

人との関係は目先の損得ではなく、信頼をベースに付き合ったほうがいい。
つまり要領より王道のほうがいい、というのが普遍的スタンス。これは絶対大事にしてるね。

ーグループスタンスに通じるものがありますね。

次の質問です。

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これは10年ごとに変えてきたね。

20代は、「自分の人生の主人公は自分」。
ある得度されたお坊さんがおっしゃっていることでもあるんだけど、「自分の人生って自己責任だよ、だからうまくいくのもいかないのも自己責任だと思って振り返ろう」という事を大切にしていた。

30代になったら、稲盛和夫さんの本に書いてある人生の成功方程式「人生・仕事の結果=考え方×熱意×能力」を大事にしていたね。

40代では「Good to Great」。ええより、すごいになろうよ、と。
この言葉はセプテーニグループのビジョン「強く偉大な企業」として掲げられているね。

50代は上場して少し経った頃だったけど、僕は社長業は50歳までと決めていたから、次の50代何をするかと考えたときに、幸せにする対象範囲を拡げていこう、と思った。

会社を経営するにあたり、最初は自分が幸せになりたいという思いでやっていたけれど、徐々に社員に幸せになってもらいたいという思いになり、そして社員の家族や取引先、株主を幸せにしたい、と考えるようになった。

そして60代の今は、「自利・利他」。つまり利己から利他的な考え方に変わろうと。

さっきの成功方程式でいうと、能力をあげる、情熱を持つ、ということは頑張ればできるけど、考え方の部分でいうと、人ってやっぱり欲があるじゃない。自分のために稼ぎたいとか、良い生活をしたいとか。

若い時はそういう自分に対する欲求で良いと思うんだけど、ただ年をとってからそのままであってはいけない。自分のためというところからスタートしていいけど、最終的には人のためという領域に到達しなきゃいけないと思ってる。

だから60歳くらいから、大学の奨学金制度を作ったり、海外の小学校に寄付したりといったことを始めるようになったかな。

ーどういうタイミングで利己から利他に考え方をシフトするのがいいのでしょうか。

考え方的にいうと、「足るを知る」ことかな。
資産やお金なんてほしいと思えばキリが無いんだよ。
でもこれで十分生きていける、足りていると思えるかどうかだね。

ただ、若い人に言いたいのは、お金や資産は持っていたほうがいい。
なぜなら、嫉妬しなくなるから。
嫉妬しないってどういうことかというと、自分を人と比べないということ。

人は他人と比べるから不幸になる、と思ってる。

だからお金や資産は持つことは大事だけど、ある程度したら、足るを知る。
自分はここまであったらなんとかなるな、ってところまでいったら、もうそれでええやんと。

そう思ったら、周囲の人や社会が助けてくれたおかげで今の自分があるんだって思えるよね。そうすると素直に人の成功を喜べたり、感謝することが増える。その結果不幸と感じることがなくなる気がする。

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ー人間だれしも他人と比べて自分の幸せを測ってしまうことがあると思うのですが、足るを知ることができれば、それが自分の軸で幸せかどうかが測れるようになるということですね。

では次の質問です。

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これは、さっきも言った「自分の人生の主人公は自分」

自分の人生を、生まれた家庭や環境のせいにしない。
僕たちは生まれる日を選ぶことはできない。でも死ぬことは選べる。
と思ったら、じゃあ生きることも選べるし、チャンスはある。
過去は変えられないし、否定してもしょうがないので、だったら自分のこれからを変えていくという生き方のほうが、少なくともハッピーになれる可能性は高いと思う。

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3つあって、会社の経営のスタンスとリンクするんだけど、1つ目は「これから」を大事にすること。

2つ目は、「変化していけること」。これは昔からの理念・生き方として持っているね。

3つ目は、へこたれないこと。逆境に強くとかやり抜くとかあきらめないとか。しつこいことだね。

最初想定していたようにならないことが多いけど、やり続ける中でなにか別のピボットできるようなことを見つけたりすることがいっぱいある。

やり抜くって最初に決めたことをやり抜くってことでも無くて、決めたことをやり続けていくうちに成功のチャンスがあっちこっちに見えてくる。でもそれはそこまでやったからわかること。
やり抜く力を持てば逆境に強くなる。

あと、逆にしつこくやり続けると、もうだめだということも自信を持って言える。これだけやってだめだったらあかんわ、と。

そうして次に進む意思決定がしやすくなる。
中途半端だと後ろ髪が引かれる気がするけど、やり抜いたと思えれば、次に進むことに自分が納得できる。

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ーなるほどです!

次の質問はこちらです。

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「セプテーニグループの魅力は “人” です。」ということはいろいろな場面で言っていますが、これをもう少し細かく定義化すると、優秀な仲間がいてそれによって自分が成長させられる環境。これがセプテーニグループの魅力だと思っていて、そういった環境にいると、自分の市場価値も上げられるよね!

人ってダメな所にいるとダメになるんだよ、でも良いところにいると良くなる。
僕は、人間は必ず二面性があると考えている。例えばSかMか。相手との関係性の中でポジショニングする。
中国の荀子は極端に性悪を前提にした統治をやれと言っているけれど、僕は人間は性善の要素と性悪の要素両方持っていて、性善な人々がいる環境にいれば性善に行おうとするし、性悪な人々がいる環境にいれば、自分も性悪でないと生き残れないのだと思う。だから、どの仲間に属するかはとても大事。
そういう意味で、優秀な仲間がいて、その中で自分も成長できるセプテーニグループの環境が魅力なんだろうなと思います。

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ー確かにセプテーニグループには年次関係なく尊敬できる人が多く、いろいろな考え方や行動力に感化されて、自分も成長できていると感じることが多々あります。そうした環境で仕事ができることの有難みをお話を聞いて改めて感じました。

続いての質問です。

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これは簡単!ビジョンで「強く偉大な会社」と言っているのだから、言うだけじゃなくて、これを株主からも、社員からも社会からも評価されるようになること。

どうやったらいいかはわからへん。それは今の経営陣にやってもらって、それで「良い会社だね、すごいねー!」と言われると良いなって思う。
僕は会社の品位を落とさないようにだけ心がけます(笑)。

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ー(一同笑)

次です。

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さっき「60代は利己から利他的な考え方に変わる。」という話をしたけれど、
「利他的に」というのを具体的な行動でいうと「社会貢献」。
どんな形でできるかはわからないけど、それはいろいろ考えている。

今考えているうちの1つは財団を作りたいと思っている。これで教育とかアスリートとかを支援するとか・・・カテゴリは定めていないけど、そういう財団を作れないかなと思っている。
最近D.LEAGUE(※)で、当社のプロダンスチームのSEPTENI RAPTURESがすごく頑張っているけれど、そういうのも「強く偉大な会社」の1つの要素であると思うんだよね。

※2021年1月に開幕した日本発のダンスのプロリーグ

そういうのが別の分野でもできるといいなと思って、財団を作って支援するっていうのも1つの手だなと思ってトライしてる。制度面でいろいろと自由でない部分があったりするので、アレンジできる方法がないかなと模索している最中です。

ー財団設立のアイディアは、「60代は利他的に」と決めたときに考えられてたんですか。

いや全然(笑)。

僕の性格上、言ったらやんなきゃと思ってるので、やるためにはどう自分を変えていくかとか、足りない部分どうカバーしていくのかってことを考えるようになる。
そうやって意識をフォーカスさせていくと、実現するために行動から意識から全部変わっていくんだと思う。そうしていると、意外と情報から協力者からお金からいろんなものが集まってきて、「できるやん」ってなったりする。

だから最初ちょっと背伸びして言っちゃって、でも言っちゃったから、何もやらなかったらかっこ悪いなと思うので、できるできないの前にまずやろう。やるんだったらどうやろう、と考えるって感じかな。

そう考えると、僕の良いところは、わりと頑なで有言実行なとこだね(笑)。
言ってできないのはいい。言ってやらないのはダメ。
考えてみれば、学生の時なんてみんな「いずれ俺は独立して会社つくる!」とか言っていたけど、5~6人仲間いて実際に会社作ったのは僕だけだもんね!頑なに思う愚直さは良いかもしれないね。

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ー個人理念で掲げられた「やり抜く」の精神が表れていますね。

 最後の質問です。

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これは簡単。
よく言われていることですが、ゴルフ上達のコツは「運道回(ウンドウカイ)」。
「運」は運があること。「道」は道具。「回」は回数。
良い道具を買って回数いけばだいたい上手くなる。そこに運があればぐっとスコアが上がる。

ー道具もやはり関係あるのですね。

100切るまでは道具は関係ないね!100切るまではゴルフじゃないからね(笑)
これは、安定して80台を出すことを目標としている人に向けたアドバイスだから。

100を切れるかどうかで、ゴルフがわかるかわからないかの差がある。
100を切ると急激に理解力が上がり、道具も攻め方もスイング理論もいろんなものにフォーカスしていくので上手くなる。そうなってくると「運道回」が重要になってくる。

ただ、「運道回」をするためには、時間とお金がかかる。だから「運道回」は表向きだけど、時間とお金を作る能力がベースに必要になってくるんだよね。
あと僕の経験から言うと、経済的、時間的、健康的に加えて一番大事なのは「家族の理解」これがないと無理。僕はそこが恵まれてたなと思う。

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ーおおお、ゴルフの奥深さがよくわかりました。

 みなさんからの質問は以上です。
 七村さん、ありがとうございました!


**編集後記**

30年にわたりセプテーニグループの成長を支え続けてくださっている七村さん。

この企画を通じて改めて、七村さんのこれまでの仕事に対する考え方や、人生観、大切にしていることから趣味のゴルフの話まで様々お伺いすることができました。

「克己心を持ち、変化に対応し、運を味方にすること」、「やり抜くこと」など、活躍するうえで大事な要素を教えていただき、私もこういった姿勢を大切にしながら、セプテーニグループとともに今後も成長していきたいと思いました。

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