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【第二部】企業の持続的成長とDEI〜エクイティとなめらかな未来

こんにちは。
セプテーニグループnote編集部の田中です。

セプテーニグループでは、サステナビリティ活動の重点テーマのひとつに「ダイバーシティ&インクルージョン(D&I)」を掲げ、さまざまな取り組みを行っています。

2023年5月に、その取り組みの一環で「企業の持続的成長とDEI〜エクイティとなめらかな未来」ウェビナーを開催。電通グループCHROの谷本 美穂さんによる講演と、当社代表佐藤との対談を実施しました。

▲前編はこちら

今回は、第二部の谷本さんと当社代表 佐藤による対談のレポートをお届けします。
ぜひご覧ください!

人の心を動かすリーダーとして

佐藤さん:
後半は僕やグループのみなさんからの質問に答えていただきます。
まず始めに僕からの質問です。
人の心を動かすのはリーダーとして一番重要な役割だと思いますが、谷本さんが人の心を動かすリーダーであるために、一番心がけていることは何ですか?

谷本さん:
人の話を聞くことですね。そして自分の考えを持つことです。
対話は本当に大事にしたいと思っています。
ふと気が付くと一部の人たちばかりと会議をしている自分がいるわけですよ。これはいけないなと。
現場の社員のみなさんが考えていること、その手触り感がないと自分の仕事はできないと思っています。
そのため、カジュアルラウンドテーブルという形で意見交換をすることを始めました。
私にとってモチベーションにつながっていますし、方向性を定めていくときに自分の頭だけで考えず、みんなと対話することはすごく大事なことだと思っています。

ただ一方で、みんなの意見を聞いてその通りにしてあげるということではなくて、自分はどうしたいかという考えを持つことも大事なんですよね。だからぜひ自分の思い、思想を持っていてほしいと思います。

DEIと事業成長の繋ぎ目

佐藤さん:
ありがとうございます。僕からの二つ目の質問です。
現場で事業に関わっているメンバーは事業の成長にフルコミットしていて、事業の成長、お客様の成功、プロダクトの成長に対して一生懸命だと思うんです。それとDEIが直結する実感を持てている人は問題ないと思うんですが、一方で直結しきれてない人が、自分ごととしてDEIをハラオチさせていくのはかなり大変な変化の壁があると思うんですよね。

セプテーニグループもこうしてDEIの啓発セッションをしているということは、努力して変わっていかなければいけないということだと思います。学んだり、気づいたり、変化したりしていく。そうした中で事業の成長とDEI、この繋ぎ目をより良くしていく、繋ぎ目を増やしていくためにこうしていくといいよというご経験やお考えがあればぜひ伺いたいです。

谷本さん:
多様な意見や視点を、自分が本当に受け入れられているかどうかということだと思います。
チーム作りって、自分と似たような人たちを集めがちになっちゃうんですよ。その方が楽だから。でも世の中いろんな変化がある中、明らかに今は専門性の時代です。150の専門性を自分で身に付けるなんてできない。自分ができることはせいぜい1から2ぐらい。なのでいろんな専門性を持った人たちを集めて、その人たちの強みを生かしてチーム作りをするのがこれからの時代の勝ち方なんじゃないかなと思うんです。だから自分が知らないことを知っている人がチームに加わることをウェルカムだと思ってほしい。それが多様性を受け入れていくことの一歩なんじゃないかなと思います。

例えば、私はピープルアナリティクスは他の人に頼んで、自分の知らないことを教えてもらいます。そしてピープルアナリティクスの専門家は人事畑の人じゃなくてもいい、知らない人の方がいいんじゃないかという発想を持ってやってみる。そうすると新しいことがより成果に繋がっていく。そんな発想で事業と繋がっていけばいいんじゃないかなと思いますね。

佐藤さん:
アドバイスありがとうございます。DEIについて現場でどう実践するのかというところにたくさん悩みや壁があると思いますので、谷本さんのお話、視聴者にすごく刺さったのではと思います。

チームづくりも大事な仕事

佐藤さん:
続いて、みなさんからいただいた質問を見ていきましょう。
「管理職でアフター5のイベントに参加できない層です。飲み会の場で様々な情報交換がされたり関係性構築がされていると感じますが、参加しない自分が業務時間内にそういった取り組みをしたいと声をあげることに抵抗があります。どのように働きかけていくのが良いでしょうか。」とのことです。
いかがでしょうか?

谷本さん:
管理職でアフター5に参加できないと。うん、大丈夫です。私もそうです。
関係性の構築は今日をきっかけに業務時間にやりましょう。対話をしている時間は仕事をサボっているわけではないです。どんなチームでも成果を上げていくためにはチームづくりが大切なので、そこに時間をかけることは仕事をしているということです。
1時間とか1時間半ぐらい実施することで変わるから、ぜひ今日を機会に業務時間にやっていきましょう。

佐藤さん:
そうですよね。
当社はこの3年でリモートワークが定着し、いまはハイブリッドな働き方が中心となっています。以前は通勤などのロスタイムがありましたが、リモートワークではそういう時間はなくなりました。
でも8時間、完全に集中してノンストップで働くことなんて、自分自身の経験も含めてないと思います。本当に成果につながる仕事の時間は、業務時間の中でも限られている。実際は、直接的には仕事につながらないインプットや息抜き、人とのお喋りなどをしてるわけですよね。だから今のチームを良くするため、相手を知るための時間を捻出することって問題なくできるんだろうなと思います。

谷本さん:
最近はリモートワークが中心だと思いますが、チームで定期的に顔を合わせることがあると、生産性につながっていくんじゃないかなと。
大事なのは会社に来て横に並び、ポチポチと仕事をするのではなくて、一緒にいるときにどのように時間を使うかだと思います。
雑談をしたり、一緒にコーヒーを飲んだり、そういったことで関係性を構築していくと良いと思います。

パッションに人は付いていく

佐藤さん:
会場で参加しているメンバーからも質問を受けていきたいと思います。

質問者1:
リーダーシップとは周りにポジティブな影響を与えることというお話が、とても勉強になりました。ポジティブな影響を与えることはリーダーだけではなく、若手でも出来ることだと思います。若手から組織へポジティブな影響を与えるには、どのようなことをすれば良いでしょうか?

谷本さん:
いろいろあると思います。リーダーシップというのは自分が周りに対して与えるポジティブな影響だから、大きなプロジェクトをしたり、誰も達成できないような新しいビジネスモデルを考えました、とかじゃなくていいんですよ。
チームが前進するために、自分が勇気を出して発言をして、風向きが変わったとか。自分が一歩踏み出すということだと思うんですね。だからどのレベルの人でもできること。全員がそれをやったら良い会社になっていくと思いません?すごい力になっていくと思いません?

あと、会社のためではなくて自分のためです。自分に自信を持てるようにしていくんですよ。自信が出てくるとより大きな成果につながっていくので、リーダーシップという概念は本当に大事にしてほしいと思います。
みなさんこれから成長されて、いつかチームを引っ張っていくようなリーダーになっていってほしいと思います。そのときに自分で自分をリードできない人は人をリードできないんですね。だからまず自分の考えを持つ。そして自分から勇気を出して行動してみる。これをとにかく重ねていく。そうすると、自分の思想が出来上がってくる。それに人が付いてくるんですね。人が付いていきたいと思うのはみなさんの賢さじゃなくて、パッションなんです。なのでぜひこのようなことを意識してみることをおすすめします。

弱みを受け入れる

質問者2:
強みも弱みも認めていく大切さについてお話しいただきました。仕事をしていると、上司や周りの同僚から評価される場面もあり、そのときに自分の弱みや周りの人の弱みをどのように受け入れて認めていくと良いでしょうか?

谷本さん:
誰でも苦手なことはあると思います。あと、自分では気づいていない改善点もあると思います。ぜひフィードバックを自分から求め、それを受け入れる文化をつくっていくと良いと思います。
けれども、やっぱり誰でも人からフィードバックをもらうのは怖いと思います。私だって嫌です。だけどフィードバックというのはあなたの人格を否定するものではないです。あくまで行動についてのフィードバックです。行動だったら変えられますよね。多くの場合、自分では意図してないので、早く教えてもらった方が自分でも改善できます。
なので、フィードバック文化をつくることと、そのフィードバックを受け入れるスキルを磨いていくことが良いと思います。

佐藤さん:
弱みをさらけ出すことは大変なんですけど、自分の経験上、それが出来るようになってからの方が仕事の成果が出るようになったと思います。

綺麗な戦略と分解された数値があればチームは動くのかというと、そうではない。この人と一緒に仕事をしたいという人間味に人は惹かれます。
もちろん強みを磨くことも大事だと思うんですけど、この人ちょっとチャーミングなところがあるなとか、普段と違うこういう一面もあるんだなというところに相手は魅力を感じると思います。
一方で、弱みを出す側は怖いんですよね。どうしても怖いんですけど、リーダーシップやチームの成果を考えると弱みを受け入れることは、結果的に仕事の成果につながっていくと思います。

DEIでなめらかな未来をつくる

佐藤さん:
谷本さん、最後に一言お願いします。

谷本さん:
今日は本当にありがとうございました。
みなさんにとって何かひとつでもヒントになることがあると良いなと思います。
みなさんの会社は本当に勢いのある会社で、人の知恵、アイディアをもって成長していく会社だと思うので、まさに多様性を活かせる大きなチャンスがあると思います。電通グループの中からDEIのロールモデルができたらいいなと思います。今日はありがとうございました。

佐藤さん:
ビジネスを世の中に役立つものに進化させようと思うと、自然と組織は多様になっていくと感じています。もっと新しい方法にチャレンジしよう、お客様にもっと新しいアイディアで貢献していこうと進歩や進化を目指すと、自然といろいろなジョブやポストが会社の中に生まれる。そうすると手を挙げる機会が増えていくし、今までにない働き方の人が活躍する場所にもなる。
DEIが正しいからそれを実践しよう、教科書的に正しいことをしていこうというのではなく、健全に社会にフィットするように、またより良い変化を起こせるように事業を伸ばそうという素直な情熱や、もっとおもしろい会社にしていこうという前向きさが、結果的にDEIとつながってくる。
今日の谷本さんのご講演、またQ&Aのセッションを通じて改めてそう実感しました。
本当に多くの気づきをいただきました。ありがとうございました。

*編集後記*

企業の持続的成長に必要不可欠なDEI。
自分ゴト化が難しいテーマでありながらも、「リーダーシップ」「心理的安全性」をキーワードに大変分かりやすくお話しいただきました。

イベント後の参加者アンケートでは、谷本さんの力強いお言葉や、私たちと同じ目線で考え、語りかけてくださるお人柄にとても魅力を感じたという声が多数寄せられました。
谷本さんの熱い「パッション」に多くの参加者の心が動いたと思います。
谷本さんから感じた「パッション」を胸に、
これからもセプテーニグループの社員ひとりひとりがアントレプレナーシップを発揮できる職場づくりを目指し、DEI/D&Iを推進してまいります。

#セプテーニグループ #ダイバーシティ#ダイバーシティアンドインクルージョン#イベントレポート