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アート思考を用いた新規事業アイディア創造ワークショップ イベントレポート  ~セプテーニグループ新規事業プランコンテスト「gen-ten 2021」に向けて~

こんにちは。セプテーニグループnote編集部です。

セプテーニグループでは、毎年社内新規事業プランコンテスト「gen-ten」を開催しています。

▼「gen-ten」についてはこちらの記事をご覧ください。

今年も「gen-ten」の開催が決定し、それに向けて、新規事業に興味・関心のある有志メンバーが集まるオンラインのクローズドコミュニティ「gen-ten オンラインサロン」も組成されました。
オンラインサロンでは、セプテーニグループの経営陣も交えながら、メンバー同士で新規事業に役立つアイディアのシェアや具体的なプランについての意見交換、また外部講師を招いての勉強会やワークショップが開催されます。

先日、その一環で、株式会社キタイエ 代表の喜多さんをはじめとする外部講師をお招きし、社内向けの新規事業アイディア創造ワークショップをオンラインで実施しました。

今回のnoteでは、その内容をイベントレポートとしてお届けいたします。
みなさんも一緒にワークショップに参加してみてください!

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ファシリテーター:

喜多さん

喜多恒介さん(以下「喜多さん」)

株式会社キタイエ 代表取締役社長
個人・法人・学校向けの短期集中型課題解決プログラムおよびエグゼクティブ・コーチングを提供。具体的には「マネージャー研修」「チームビルディング」「組織体質改善」「経営方針の転換支援」「長期ビジョンの策定支援」「プライベート課題の解決によるパフォーマンス向上」「社員のエンゲージメント強化と退職促進」など。

いさまさん

伊佐間 梨華さん(以下「伊佐間さん」)

University of Queensland大学卒/コミュニティマネージャー/ライフコーチング
19歳で単身でオーストラリアに渡り、現地州立大学に直接入学。難民支援学生団体でリーダーとして、国連機関/(株)ファーストリテーリング/東京都などと啓発イベントを実施。
卒業後、(株)レアジョブにて学習カウンセラーとして、2500人の目標実現のサポ―トをする傍ら、個人事業主として独立。英語コーチング事業づくり、スタートアップ立ち上げ業務/人材育成を経験。現在は、Narrative Career School(NCS)のコミュニティマネージャーとして全体運営を実施。

鎌田さん

鎌田 勇利さん(以下「鎌田さん」)

慶應義塾大学卒 ベンチャービルダー・起業家支援
「ありのままの個性・想いを輝かし、個が軸に社会が輝く循環を作り出す」をミッションとし、0⇒1の起業支援を実施中。
学生時代を計11年海外で過ごし、帰国後慶應義塾大学へ入学。
新卒で3年半総合商社で勤務後、20年12月にREAPRA Venturesへ転職。
副業でコーチング、NCSの企画運営・ファシリテーターも実施中。

ワークショップ開始

喜多さん)
それではみなさん、改めて本日のワークショップを通じて持って帰りたいものは何か、考えてみてください。

本日のワークショップの流れは、このように進めていきたいと思います。

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また、今日の場のルールです。

まず、ワクワクした気持ちを生むためにも、「青春」や「ロマン」を大切にして下さい。できるできないは関係ありません。
そして話し合いの場では、立場や肩書は考えず、忖度なしでいきましょう。
また、感覚や感情を大切にしましょう。

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01 自分の価値観に出会う

伊佐間さん)
このワークでは、以下のプロセスを通じ、自分が持っている「価値観」や「人生を通してやりたいこと」「創り上げたい世界観」を言語化し、明らかにしていきます。

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それではまず、キャリアガーデンというサイトを開き、その職業一覧から、直感的に気になる職業を20個~50個ほどピックアップしてみましょう。ここでポイントなのは、全ての職業に目を通したうえで、今持っている知識やスキル等に関わらず、自分の好きに忠実に直感で選ぶ、ということです。

あまり興味がある職業を上げられない時は、もう一回改めて一覧を見直してみると、意外に気になる職業を見つけることができたりします。それではやってみましょう。

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伊佐間さん)
今のステップでは、雑多なものから気になるものをピックアップしてみる、ということをやりました。

次の15分間では、ピックアップした職業を見て、そこから考えられる軸・共通項を、重複ありで最低8つ以上見つけて番号を振っていきましょう。

※軸・共通項を見つける時のポイント※
・選んだ職業を見て、どんなところに惹かれたか、どんな要素があるか、ということを言語化する。
・見つけた軸が、他の職業にも入っているか考える。
・ひとつの職業に対し、必ずひとつ以上の軸をあげる。
・一度適当にたくさん書き出して、後で精査するとやりやすい。
・ひとつの職業に複数の軸がでてきてもOK。
例)職業が「小学校の先生」の場合:「人に何かを教えること」「子供たちの可能性を見出すこと」・・・など。
※注意点※
・共通項は必ず「〇〇する」・「〇〇すること」といった動詞もしくは動名詞のかたちにする。(否定形や受動態にしない)
例)
NG:「海外関連」 → OK:「海外に行く」
NG:「教育関係」 → OK:「誰かに何かを教えること」

伊佐間さん)
あげる軸・共通項はざっくりで大丈夫です。この後、自分が人生を通じてやっていきたいことをブラッシュアップしていくフェーズがあるので、その材料だと思って書き出してみてくださいね。

もしやってみて時間に余裕がありそうだったら、ぜひ軸・共通項に5W1Hを付け加えて具体化してみてくださいね。
例えば「助ける」という言葉だったら、どんな人をどのように助けるのか、というかたちです。

それではみなさん、それぞれ考えてみましょう。

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伊佐間さん)
今は、先ほど選んだ雑多なものから共通項を出し抽象化していく、ということをやりました。

次のプロセスに行きたいと思います。
今度は、「ソウルセンテンス」を作っていきます。
ソウルセンテンスとは何かというと、「人生をかけてやりたいこと」です。

※ソウルセンテンスの作り方※
・抜き出した軸を全て使って、並び変えたりしながら、一つの文章にする。
例)
軸・共通項が「現場を回ること」「アイディアを考えること」「戦略を考えること」「人に伝えること」等の場合・・・
「現場を回りながらアイディアや戦略を考え、それを人に伝える」
・作った文に言葉を追加したり、プラッシュアップして、よりしっくりくる文章を作る。
※ポイント※
・動名詞やセンテンスは一言一句同じで無くてもOK(近しい表現をまとめたり、変えたり、要素を追加してもいい)
・最終的な文章(動詞)の着地点は何かを決め、それに対して他の動詞がどのように関わってくるか考えて文章を構成していく。
・一旦現実性や実現性は考えず、何も制約がない状態を妄想して考えてみる。
例)「いくらでもお金が使えるとしたら?」「魔法が使えるとしたら?」
・5W1Hの情報を追加するように意識する。

伊佐間さん)
ソウルセンテンスをつくるときは、何の制約も考えず、妄想しながら自由な発想で作ってみてください。

それでは10分間、考えていきましょう。

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伊佐間さん)
次のステップです。
ソウルセンテンスに、ターゲットと世界観をトッピングして、イメージを膨らませていきましょう。

1,ターゲットトッピング
ソウルセンテンスをすることで、〇〇な人や〇〇な人に、〇〇や〇〇になってほしい

2,世界観トッピング
それが世界中に広がることで〇〇や〇〇な世界や社会になってほしい

※例※
ソウルセンテンス:
古今東西あらゆる世界をみて、それらに通じる法則を考え、未来のあるべき姿を見つけ、
その実現戦略を考え、多くの人にわかりやすく伝え、巻き込んでいくことで、

ターゲットトッピング:
やりたいことが見つからない人や、一歩踏み出せない人に、
自分のやりたいことやありたい姿がクリアになり、仲間とともに一歩踏み出し自分の環境を変えていけるようになってほしい。

世界観トッピング:
それが世界中に広がり、本当にやりたいことができるようになり、みんな毎日がワクワクできる世界・社会になってほしい

伊佐間さん)
今すでに自分がやりたいことをやれている人も、実際に書き出してみると、改めてこういう要素を大事にしていたな、とか、ここが譲れないポイントだな、ということが、センテンスの中に入ってきたりするので、そういった視点でも見てみると面白いと思います。

それではみなさん20分間、始めていきましょう。

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伊佐間さん)

みなさんできたでしょうか。

これまで、ソウルセンテンス、ターゲット、世界観を考えてもらいましたが、そもそもそれらは自分自身のどのような過去の経験から生み出されていると思いますか?
次のステップでは、それらが生み出されるきっかけになったと思う過去の経験を1~4個ほどだして、ストーリーを描いてみましょう。

どうしてこれをやりたいと思うようになったのか、どうしてこういった人たちの役に立ちたいとか助けてあげたいと思うようになったのか。その背景を振り返って考えてみてください。

※思い出しづらい人はこのようなところを意識して思い出してみましょう※

1,両親、兄弟、祖父母関係のネガティブ、ポジティブだったこと 
2,学校、友人関係のネガティブ、ポジティブだったこと 
3,幼少期、小学校、中高の時期に印象的だったこと 
4,自分が幼少期、小学校の頃に楽しく遊んでいたこと、ずっとしていたこと 
5,中高時代の成功体験 
6,父親、母親、祖父母の教育方針(推奨されていたこと、とがめられていたこと)

伊佐間さん)
10分ほど各自で考えたあと、3~4人のチームになって、出てきたそれぞれのストーリーをシェアしていきます。

喜多さん)
このストーリーと自分のやりたいことを繋げる手段をナラティブアプローチと言います。
語る中で、頭の中が整理されたり、新しい事実が見つかったりするかもしれません。

02 世界観を表現する / 03 プロジェクト化する

伊佐間さん)
いかがだったでしょうか。

ここまでは、新規事業の種の部分や、自分の価値観、理想の世界観をつくって準備してきました。
次は、これを新規事業アイディアとしてかたちにしていきます。

鎌田さん)
ここからは、これまで考えたソウルセンテンスをもとに、「自分が心からワクワクする新規事業のつくり方を体感する」ことを行うワークをしていきたいと思います。
ここで大事なのは、「妄想」と「対話」です。
自分の中で描いた世界観をじっくりと妄想し、それをもとに人に語っていくという、自分自身とも相手とも対話するということをやっていきます。

それでは目をつぶってください。
そして、自分のソウルセンテンスを思い返しながら頭の中でじっくりと以下の内容を想像してみましょう。

 ・誰と、どんな場所で、どんなことをやっていますか?(=自分)
 ・それによって、誰が、どう喜んでくれていますか?(=相手)
 ・そのときの、自分の感情や気持ちは?(=自分)
 ・そのときの、相手の感情や気持ちは?(=相手)

鎌田さん)
自分の中で妄想するというのが、少し難しいと感じた人もいたかもしれません。このステップを踏まえて、だからこそ自分自身がこれをやっていきたいんだというところを、この後一緒にブラッシュアップしていきたいと思います。

それでは次はプロジェクト化していきます。今まで描き出してきたソウルセンテンスを踏まえて、どんなことをやっていけると自分としてワクワクするのかを考えます。以下の具体的な質問を通して書き出していきましょう。

これらの質問に回答するにあたっては、先ほどやったように、目を閉じて自分の中で「妄想」して、そこからでてきたものを「語るように」書き出すということを意識してみてください。

自分の中で完璧は求めすぎず、いったんざっくりとでいいので箇条書きで書いていくかたちで大丈夫です。
それでは始めましょう。

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04 共創する

鎌田さん)
ここから最後のステップに入っていきたいと思います。

これまで書き出してきた内容をグループに分かれて一人ひとり発表していただきます。
そしてその発表に対し、他の人からアドバイスや感想、フィードバックをもらって、ブラッシュアップしていきたいと思います。

発表にあたっては、これまで書き上げてきた内容を以下のフォーマットでまとめて、他の人に共有しましょう。

※発表時のフォーマット※

1,自分のソウルセンテンスとターゲットと世界観
2,そう思うようになった理由(ストーリー)
3,実現するためにやってみたいプロジェクト
4,欲しいフィードバック(褒めて!教えて!等)

鎌田さん)
ここからグループでシェアとフィードバックをしていただきますが、とても重要なポイントがあります。
それは、原稿を読まないで、想いを語る、ということです。
自分の中に溢れる想いをシェアするということを意識して発表してみてください。
聞き手の方も、この想いに応えるようなフィードバックを返してあげてくださいね。

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喜多さん)
はい、いかがでしたでしょうか。これで本日のワークショップは終わりです。
今日の時間で考え出したものを、ぜひgen-tenに向けて詰めていただければと思います。
また、gen-tenに限らず、それぞれ考えていただいたみなさんのその想いはいつか叶うと信じていますし、色んなタイミングでさらにブラッシュアップしていただけるといいのかなと思います。

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今回のワークショップに参加したメンバーからは、

今自分の働く環境が少し変わり、最近挫折のような体験をして、自分の方向性や自信を失っていた部分があったのですが、今日のワークをやってみて、改めて、自分がやりたい方向性にちゃんと向かっていけているし、今自分のやっていることの延長線上にやりたいことがあるということに気が付くことができて、とてもいい機会でした。
gen-tenにでるために、もともと考えていた事業があったんですが、本当にそれをやりたいのかと聞かれたら、答えに詰まってしまう自分がいました。でも今回のワークで、自分の本当の声を聞くということを体験し、後付けではあるかもしれませんが、その事業は、自分のやりたい想いからきているものだという説明ができるようになりました。参加してよかったです。
私は前回のgen-tenに参加し、その時も、自分のやりたいことに忠実に事業アイディアを考えていたんですが、その作成した資料を2か月後に見たときに、「私本当にこれやるかな?」って思ってしまったんです。やっぱり自分がやりたいことを見つけるのはすごく難しいんだなと感じていました。でも今回のワークショップに参加したことで、改めて自分のやりたいことを見つめ直せたので良かったです。あとは、自分の熱を信じて突き進んでみようかなと思いました。

といった感想があげられ、とても実になる時間になったようでした。

ファシリテーターのみなさん、ありがとうございました!

**編集後記**

新規事業の創出というと、とても大がかりなお話に聞こえるので、ワークショップ体験前は、正直私には難しいだろうなと思っていました。
しかし、実際に参加してみると、お題に応じて自分を振り返ったり、さまざまな考えを巡らせたりする中で、最終的にはアイディアの種となる、自分のソウルセンテンスや価値観、世界観を創り上げることができました。

gen-ten出場予定メンバーは、予選・本選への意欲が増したようでした。

みなさんも、ワークを通じて自分のやりたいことを見つけられましたか?

今後も、今回のようなセプテーニグループで実施している新規事業創出への取り組みをご紹介していきたいと思います!
お読みいただきありがとうございました。

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