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育休を取得したパパ社員インタビュー

こんにちは。セプテーニグループnote編集部の宮崎です。グループのD&I推進を担当しています。

育児・介護休業法の改正が2022年4月より順次施行されています。今回の改正は、出産・育児による従業員の離職を防ぎ、希望に応じて男女とも仕事と育児を両立できることを目的としているとのこと。

セプテーニグループには、この法改正以前から、それぞれのスタイルで育休を取得する男性社員がいます。今回のstorie(s)では、過去に育休を取得した社員2名に、育休を取得したきっかけや、取得前にどんな思いを抱えていたのか、また取得したメリットなどをお伺いしています。ぜひご覧ください!

余川さん 
Septeni Japan株式会社 アドマネジメント本部メディア戦略推進部 シニアチーフディレクター
2006年セプテーニに新卒入社。営業、サイト制作・運用、広告運用、タグマネジメント、データフィード管理を経験し、アドテクノロジー関連のサポート部門を開設。現在はそれらの経験を活かして、メディア向き合いに従事。2016年10月から約半年育休を取得。

白石さん
Septeni Japan株式会社 アドマネジメント本部パートナー戦略推進部 課長
2013年セプテーニに新卒入社。営業、運用型広告のコンサルタントを経験し、2019年にマネージャーに昇進。2021年からパートナー戦略推進部を立ち上げ、これまでの経験を元に運用型広告のコンサルティング業務の標準化と実行部隊の組成、マネジメントに従事。2019年9月から約4ヶ月育休を取得。

─ 最初に、お二人が育休を取得したきっかけ、理由を教えてください。

白石さん)
パートナーから「育休をとってほしい」と言われたことがきっかけです。正直なところ、最初の頃は「そうだね、考えておくね」なんて流していたんですけど(笑)

妊娠の経過とともに、どんどん具体的な話になって。制度について調べたりしていくうちに、取ってみようかなと考えるようになって、上司やパートナーとも相談し、4ヶ月取得しました。

─ ありがとうございます。余川さんはいかがですか?

余川さん)
特にこれといった理由ってないんですよね。逆に取らない人ってなんで取らないんだろうなって思ったりもします。子どもが産まれたら親が育てる。それって特別なことではないように思うんです。

─ なるほど。余川さんが育休を取られた頃は、今ほどセプテーニグループの男性社員が育休を取得する雰囲気はなかったと思います。いつ頃から育休について検討し始めたんでしょう?また検討のきっかけががあれば教えてください。

余川さん)
考え始めたのは妊娠初期の頃です。当時、イクメン・イクボスという言葉が出始めた頃で、そういった記事を読んで男性も育休を取れると知ったのがきっかけかもしれません。

▲厚労省主催のイクボスアワードの初代グランプリはセプテーニの社員が受賞しています。

─ なるほど!社内ではいつ頃、誰に相談しました?

余川さん)
出産予定日の半年くらい前だったと思います。引き継ぎなどもあるので早めに相談しましたね。社内のルールなどもよくわからなかったので、まずはhug-kumi委員会(※)の副委員長に話しました。

すごく親身に話を聞いてもらえてほっとしました。正直相談する前は、なんて言われるかな・・と不安もあったんです。上司から反対されたとか、「ありえない」「戻ってこなくていい」と言われる会社も世間にはあると聞いていたので。セプテーニに限ってそんなことはないだろうなという安心感はありましたけど。

※hug-kumi委員会は、女性の働き方や全社員のワークライフバランス向上を目指して組成されたSepteni Japanの有志横断委員会です。

─ 育休の取得について周囲の反応はいかがでしたか?

余川さん)
当時は男性も育休を取れることを知らない人たちが多かったんです。産休と育休がごっちゃになっている人もけっこういました。「産まないのに取れるの?」なんて聞かれたりして。

あと社内の方からは「業務やキャリアに支障はないの?心配じゃないの?」と聞かれることもありました。

─ 最近は若い世代を中心に、育休を取りたいという男性も増えていますが、当時はまだ知らない人も多かったかもしれませんね。それから実際問題、業務やキャリアについての不安はどうでしたか?

※将来子どもができた場合に育休を取得したいかの質問に、「取得したい」と回答したZ世代男性(20歳~24歳)は84.6%。
(パーソルキャリア株式会社「男性育休に関する意識調査」より)

余川さん)
なかったわけではありません。休んでいる間、周囲の人はキャリアを積み上げていて、その分がブランクになってしまうので。でもそれがすごく大きな影響があるかと言うとそうではないなと思ったんです。

子どもが小さい頃の時間は巻き戻せない。将来挽回できないんです。でもキャリアはあとから挽回できる。二つを天秤にかけたときに、このタイミングで優先すべきなのは将来挽回できないほう、子どもとの時間なんじゃないかなと思って。仮にキャリアに影響があったとしても、それはそれで仕方ないと腹をくくりました。

─ 余川さんは、たくさんの経験のタグを持ってますよね。新人の頃からクライアントのオフィスに常駐した経験があったり、アドテクノロジー業務の高いスキルがあったり。そういった経験からくる高い自己効力感があったからこそ腹をくくれた、というのもあるのでしょうか。

余川さん)
不安を軽減する要素にはなったかもしれません。仮に育休を取得している半年間で業界や自分の担当分野の状況が大きく変わって、それまでのノウハウが活かせなくても、またゼロから勉強すればいいやと。これまでもいろんな変化にそうやって対応してきたし、なんとかなるだろうと。

でもどうだろう、仮にそういう経験がなかったとしても、巻き戻せない子どもとの時間と将来挽回可能な仕事を天秤にかけたら、僕は育休を選択するんじゃないかなと思いますけどね。

─ なるほど。実際に育休を取得された後はいかがでしたか? 

余川さん)
半年間で本当にいろいろ変わっていて。それなりに大変でしたけど(笑)、まあなんとかなってます。

─ 私も育休を2回取得していますが、業界も会社も変化のスピードが早いので、復帰時に変化の大きさにびっくりしました。育休から復帰した女性たちからは、周囲の成長に気持ちが焦るという話もよく聞くので、そんな時には、そう思うのはあなただけではないですよ、まずは自分のペースを作っていこう、とお話しするようにしています。

それからたくさんの経験によって「なんとかなる」と思えるようになる、その結果、長期のお休みから復帰する際の不安軽減につながるとも思いますので、引き続き「なるべく早くたくさんの打席に立とう」そして「たくさんのタグをかけあわせられるようにしよう」というのは男女関係なく啓発していきたいですね。

ダイバーシティ月間の前身イベント「D&Iワークショップ2020」にて、岡島悦子さんから「タグを複数持ち、時代に応じて変化させていく」ことの重要性をお話しいただきました。

では続いて白石さんにもお話を伺いたいと思います。育休について周囲の反応、当時不安に思っていたことがあれば教えてください。

白石さん)
僕の上長は二人ともお子さんがいる方だったこともあって、とても快く送り出してもらえました。

不安だったのはキャリアとお金の部分ですね。金銭面は、調べていくうちに大丈夫そうだと思えたんですよ。育児休業給付金が貰えたり、社会保険料が免除されたりということがわかったので。

キャリアについては上司に相談しました。育休期間は4ヶ月と決めていたので、4ヶ月後の組織や業務の構想をすり合わせさせてもらって、復帰したらこういう感じなんだろうなというイメージを持った上で育休に入ることができました。もちろん構想なので変わる可能性がある前提ですが、不安の軽減にはつながったと思います。

─ なるほど。制度について調べること、不安に思うことがあれば周囲に相談すること。このあたりは大事そうですね。では次の質問です。育休を取得して変わったこと、得られたことってありますか?

白石さん)
育休取得前後って子どもがいる世界といなかった世界なので、世界が別物に変わった感じはあります(笑)

仕事への向き合い方としては、時間の使い方が変わりましたね。子どもとの時間をちゃんと確保したいので、仕事の時間を区切るようにしています。以前は成果のために時間で解決するスタイルだったんですが、効率についてとても考えるようになりました。もちろん完全にできているというわけではありませんが、考え方はかなり変わりましたね。

それから育休を取って得られたのは育児のスキルです。正直な話、以前の僕は「男性が働き女性が育児をする」という固定観念を持っていたんです。育休を取得したことでそれが大きく変わりました。どちらが、ではなく、二人の親がそれぞれ当たり前にやる、というスタンスになれたのは、これから家庭生活を送る上で大切かなと思います。

─ パートナーが同じスタンスで育児に向き合ってくれるのは本当に心強いです!先日1ヶ月育休を取得されたSepteni Japanの本部長の方も、育児の大変さを知れたこと、育児スキルを習得できたことが大きな収穫だとお話しされていました。

白石さん)
本当にそうですね。それから僕としては育休中にパートナーとライフプランについてゆっくり話したり考えたりする時間を持てたことも良かったですね。今後の子どもとの向き合い方や将来設計について、保険や老後資金についても相談しました。

─ なるほど、それはいいですね!では最後に、育休の取得について悩んでいる男性や、パートナーに育休を取得してほしいと思っている方に向けて、メッセージやアドバイスがあればお願いします。

余川さん)
子どもとの時間、子育ての期間って後から絶対に取り戻せないじゃないですか。もし育休を取りたいけど仕事の面で不安があって取得を躊躇している、ということなら、ぜひ一度優先順位を整理してもらえると良いと思います。仕事をしている間に子どもはどんどん大きくなる。物理的に取り戻せないものはどちらなのかというのはぜひ考えてほしいポイントですね。仕事は後からでも挽回するチャンスはあると思います。

むしろ長期でキャリアのことを考えると、メリットも大きいと思うんですよね。育休を取得したほうがマネジメントする上での経験・視点が増やせるんじゃないかなと。管理職になったり、プロジェクトマネジメントをする立場になったときにメンバーに育児中の社員がいたら、大変さや状況を理解しやすいと思うんです。

なのでパートナーに育休を取ってほしいと思うけど相手がちょっと前向きじゃない、という方がいたら、キャリアにプラスになるよ、マネジメントに活かせるよ、みたいなアプローチもありかもしれません。

─ 実際、ご自身がマネジメントする上で育休を取得したことがプラスになった感覚ってありますか?

余川さん)
子どものいるメンバーからいろんな相談をもらうようになりましたね。相談内容はさまざまで、仕事と育児の両立についてとか。僕の管轄のチームじゃない方から相談をもらったこともあります。

─ たしかに育休を経験されているほうが相談しやすい内容もたくさんありますよね。ありがとうございます。白石さんいかがでしょう。

白石さん)
男性が育休を取得するにあたっては、不安もあると思うんです。でも最初から選択肢をなくしてしまうのではなく、まずは向き合ってみるのが大事なんじゃないかと思います。

制度のこともそうですし、女性が産後どういう体調になるのか、育児がどんなタイムスケジュールで進むのかなど向き合って初めて見えてくることもあるので、自分ごととして調べてみると良いと思います。

パートナーが前向きじゃないという女性の方も、諦めずに伝え続けてみてほしいです。以前の僕のように、男性は育休取るものじゃないでしょ、と固定観念で思っている人もまだまだいると思うんですよ。

─ 白石さんは、育休から復帰された後に、社内に「育休でわかった7つのこと」を共有してくれていましたよね。反響はいかがでしたか?

白石さん)
たくさんの方から反応をいただきました。この投稿をきっかけに個別で相談を受けたこともありますし、実際に育休取得を決めた男性社員もいましたね。

─ そうだったんですね。最近はセプテーニグループ内でも育休を取る男性がとても増えています。お二人のような先人がいることによる安心感もあっての増加なのかもしれませんね。本日はありがとうございました!

* 編集後記 *

「キャリアは将来取り戻せても、子育ての期間を取り戻すことはできない」という発言が特に印象に残った今回のインタビュー。

日本における男性の育休取得率は12.7%(厚生労働省2020年度雇用均等基本調査)と、まだ当たり前という状況ではありません。「最初から選択肢をなくすのではなく、いちど向き合う」ことが、5年後、10年後の男性の育休取得率の向上、そしてジェンダーギャップの改善につながる第一歩なのではないかと思います。

これからもセプテーニグループでは、社員ひとりひとりが自分らしいスタイルで育児と仕事を両立できるよう、取り組みを進めていきます。

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