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【静嘉堂文庫美術館】画鬼河鍋暁斎X鬼才松浦武四郎

うららかな春が過ぎ、新緑薫る5月となりました。
雨も多くなって来ますが晴れた日は1年で一番爽やかな季節かもしれません。
いつも美術館と散歩はセットで楽しむ長月ですこんにちは。
今回行った企画展は

画才河鍋暁斎X鬼才松浦武四郎

ドドン!チラシ

ひと目で屈強な字面が見て取れる

主役二人のサックリ説明
河鍋暁斎
絵師。曲者。風刺画による投獄経験有り。ユニークなセンスとピカイチの画力。自らを画鬼と名乗る。
松浦武四郎
存じ上げませぬ。収集家、探検家、浮世絵師etcと、何足ものワラジを履くマルチな方との事。
河鍋暁斎と松浦武四郎
ともだち

役に立たないペディア

中央に配置された見馴れぬ涅槃図の両側に、攻撃性のある赤色と力強いフォントで今回の主役2名の名前がこちらを睨みつけている。
新緑薫るさわやかな季節とは無縁そうな雰囲気を暗示している。
この日も午後から清々しい五月晴れでした。
丸の内中通りは通りもテラス席もたくさんの人でまさに行楽日和。
そんな気持ち良さを通り抜け
長月は今から反骨精神溢れる画鬼の業を観に行く
少し似つかない気がする。が、この涅槃図もピクニックの図だと思えばこの天気にも相応しいのでそうすることにする。

さあ今回伺いましたのは静嘉堂文庫美術館さん(愛称 静嘉堂@丸の内)
ヨーロッパのデザインを大いに取り入れた歴史ある明治生命館の一階、2022年に世田谷の本館から展示会のみ、移転したこちらで開催されるようになりました。
長月お馴染みの丸の内にも関わらずまたしても初訪問でした。(ニワカ!)
事前にウェブ予約も出来ますが、当日チケットもあるようです。
この日はゴールデンウィーク真っ只中。こんな混雑しそうな日に美術館に行くなんて(しかも東京の中心地)初めてだったかもしれませんが当日券で入れ、混雑はほぼ感じないくらいでした。これは良かった。

こんな感じ
ちなみに14時くらい

↑撮影可なエリアがありましたのでもちろんシャッターをきる。行かれた際は撮影可能エリアを確認して撮影を。

←順路

これらがコレクター松浦武四郎氏のお気に入りのコレクション。
そして

この涅槃図に集約される訳です。
まさか今回のメインであるこの画が撮影できるなんて。中心の仏陀ではないこの人物は他でもない松浦武四郎。この画の正体は仏陀を松浦武四郎に置き換えた涅槃図のパロディと言える作品でした。

武四郎氏の穏やかな喜びが伝わって来ます。

↑涅槃図に対する武四郎氏の言葉。普通の感想なのになんだか良い。一節ずつ四幅に分けて展示のひとつにした事にセンスを感じます。

「かわいがった犬や猫」の他、周りを固めるのは上の画像のお気に入りコレクションたち。
こんなふうに最期を自分の愛しいものたちに囲まれている絵を親しい友人から贈られたら感動間違いなしですね。もう居ない命や目に見えない信仰対象に囲んでもらえるのはどんな可能性も飛び越えられる絵画という手法ならではでないでしょうか。改めて絵画って良いなあと思いました。
作品数は多くはありませんでしたが暁斎と聞けば放っておくわけにはいかない長月。今回も観に来て良かったです。

撮影不可でしたが最後の展示室には国宝界で噂のアイドル曜変天目タソが 笑
噂に違わぬ美しさでした。
宇宙の様な神秘性に吸い込まれそう。小さな器の向こうにまだ見ぬ次元が存在していそうで少しの畏怖さえ抱きます。

そんな神秘の塊を気軽にお手元へ
爆売れしたというぬいぐるみさんはSNSへの投稿OKという理解あるご対応。

アイデアの勝利のお手本
落としても割れないフカフカ仕様

カジュアルさを見せない静嘉堂文庫美術館さん
の突然のハジケっぷりにまたしても畏怖の念をかんじてしまう。
昔友人のバイト先の地味で控えめな店長がある日突然リーゼントにしてきたけど従業員全員困惑し理由を聞けなかったっていう話を思い出しました。
こんなに素敵な美術館でこんな下らないエピソードを思い出すなんて。なんて未熟者なのでしょう。。。

今回の感想としましては、先述の通り作品数は多くはありませんでしたが、今回のメインのひとつである【地獄極楽めぐり図】は絶対に見る価値ありです。過去に別の企画展で観たことがあったのですがちょっとだけ忘れてました(ほんと未熟者)
画面のなかのたくさんのキャラクターはみんな個性的で細かく描かれていて、ひとりひとりが何をしているのか、どんな状況なのか、色濃い要素が楽しめます。
地獄と極楽
対極的な単語が仲良く並ぶ違和感のあるタイトルですが、内容は極楽の模様。長月が暁斎を好きな理由は高い画力とコミカルな作風にあります。
そしてこの作品でもその2つが観られます。
この作品はとても長く、全部で40図にもなり、会期中場面を替えながら展示されるそう。全部見たい方はミュージアムショップに40図全てを収めた複製本が販売されていましたよ。

さて、美術館を出るとまだ15時過ぎ。皇居周辺を散歩しようかと思いましたが、外国人観光客がものすごい。ぱっと見で7割強くらいは外国人でした。皆さん写真撮りながら「ビューレフォ〜」とか「アメイジィン!」とかきこえてくるのが少し微笑ましい。皇居の美しさ素晴らしさを世界に発信して下さいな。
すぐ近くに幕末の画鬼のインパクト大の絵が観られる美術館があるから、是非観に行ってくれたら良いな。そっちもビューレフォーでアメイジィンですよ。

読んでいただきありがとうございました!長月

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