見出し画像

こういうディレクションを受けました。

こんにちは。作曲家&鍵盤奏者の望月ヒカリです。今回は、前回の記事の続き、というか「ディレクション」に特化した内容にします。

前回の記事はこちら。

ディレクション、とは日本語に訳すと「方向」という意味だそうです。
(知らなかった(´⊙ω⊙`) )
然るべき方向に、導く、ということでしょうか。

ふと、「人生で初めて、作曲家から受けたディレクションってなんだろうな?」と考えていたのですが、おそらく、高校2年の時(かな?多分)、吹奏楽部時代に受けたA.リードのクリニックでのそれ、が初だと思います。

ブラバン出身者には有名であろう、アルフレッド・リードです。これまた定番の、「アルメニアン・ダンス Part 1」を演奏して、指導を受けました。

佐渡さん×シエナの演奏、カッコイイ!!

で、うちの部活の顧問の先生は何人かいたんですが、その中の一人が英語の先生だったということもあって、通訳はその先生がやってくれました(通称、村っち)。リードさんは、すごく気さくで穏やかな人だった印象があります。当時、部活では、顧問以外にも外部の先生をよんでレッスンを受けていたりしたこともあって、それぞれバラエティに富んだ指導だなと思っていたんですが(特にうちの代は学生指揮者のキャラも濃かったww)、リードさんは、もう佇まいからして「ザ・温和」って感じでした。異国の高校生相手だからかもしれませんが、オーラひとつ取っても違うなと。何十年も前のことなのに、今も鮮明に覚えているっていうのもすごいことだな。

そうそう、my first ディレクションは、この曲の2:19あたりの箇所、グロッケンがメロディーを取って、場面が変わるところでの一言でした。ひとしきり全部演奏して、そのあとはセクションごとだったり、パートごとに細かくレッスンをしていったんですが、作曲者ご本人による、このグロッケンのフレーズについての注文は、こんな言葉でディレクションをされました。

今から君が、このグロッケンのフレーズで、みんなをお花畑に連れて行くんだ。そういう気持ちでやってごらん。

す・て・き!!(←この書き方だとものすごく昭和を感じるww)まぁ訳しているのが、村っちだから、実際のところ、この言葉自体は村っちが言っていたんだけど。そう思ったら急にエモみが引いて来たな←

いやでも、このワードは結構衝撃でしたね。でも個人的には、めっちゃわかりやすかったし、どう演奏したらいいのかが的確にわかりました。こういう色彩感や雰囲気にすればいいのね、って頭の中にはすぐに風景が広がっていたし。これまでの映像から、こういう感じに移って行くのかと思ったら、納得、ってすごくスッキリしたのを覚えています。実際に、そのディレクションを受けて演奏をしたら、すぐに指揮をしているリードさんが優しく微笑んでくれて、goodって言ってくれたのも覚えています。

ただ、これが私にはものすごくわかりやすかったんだけど、それは私が右脳派全開だからなんだろうなと思うんです。リードさんはそこまで気がついていて、言葉をかけてくれたんだろうか?むむむ。それこそ、左脳派の人にはなんて伝えればいいんだろう?みなさんなら、どう言われれば、演奏がしやすいですか?


っていうのを、前回の記事を書いていて思いました。簡単に言っちゃえば、「こういう音にしたい」っていうゴールは決まっていたとしても、そこに行き着くまでのプロセスが違う、っていうだけの話なのかもしれないけれど、それでも、かける言葉によって生み出される音楽は違ってくると思っちゃうんですよね。


今は時代的にもメールでディレクション、っていうのも多いと思いますが、まぁ双方が気持ちよくやりとりができれば、win-winですね!そして、いつも相手へのリスペクトは忘れずにしたいものです。


というわけで、今回はここまでです!最後まで読んでくださり、ありがとうございました!

望月ヒカリ

ここから先は

0字
単体で月2本以上ご購入予定の場合、定期購読を申し込みいただく方がお得になります!このマガジンでしかお話できないことも書いていきますのでよろしくお願いいたします!

作曲家・鍵盤奏者の望月ヒカリによる定期購読マガジン。月額300円で得られる「人生にきっと役立つこと」が綴られています。内容は口外厳禁でお願…

この記事が参加している募集

サポートして頂きありがとうございます!より充実した活動を送れるよう、頑張ります!!