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うつ病完治への道(7)〜泥沼化(ハウツー本(2))〜


笑え、前向きでいろ。

うつ病で笑えない時は、どうすれば良いのか、どこにも書かれていません。

ちなみに当時、記憶に残るところで少なくとも一年間クスりとも笑うことが無かった時期がありました。「俺、いつ笑ったんだろう?」って記憶が無いんですね。大変ツラい時期でした。


親や親しい人が亡くなった時、深い悲しみに打ちひしがれるている状況で、どうやって笑い、前向きな気持ちになれば良いのか、どこにも書かれていません。

親が亡くなった時など、本に書いている通りに頑張って笑ったとして、それが果たして人間の行為であるのかが甚だ疑問ですが、そういった知りたい情報に限ってどこにも書かれていない。

100歩譲って、「親が亡くなった時に限り悲しんでも良い」と条件を付けるとして、プログラム言語のように頭の中で条件を分岐させて、この時は笑う、この場合は泣いても良いと感情を制御するのだろうか。そんなことが果たして出来るのか。著者はそうしているのか、その記述も見当たりません。

そして僕の症状を泥沼化させた極めつけは、「精神安定剤は甘えであり、飲むをやめなさい」という言葉でした。

「精神安定剤を飲むのがいけない」

この言葉がうつ病と向精神薬で鈍った頭に「強迫観念」として刃物と化して襲いかかり、「この薬がいけないんだ」と、何度も減薬を試みるも失敗と症状悪化を繰り返すことになっていきます。

神経内科の先生は、僕が聞いて欲しい悩みや葛藤などには全く興味も無く、どうでも良くて、会話から症状に関する情報だけを拾い、調子が悪いのであれば、単に薬の分量を増やすだけでした。

「精神安定剤がいけない」

そんな気持ちに反比例するよう薬は増加の一途を辿り、緑色だったデパスが見たこともない赤い色へと変わり、頑張れば頑張るほど、絶望の淵へと追い詰められていくことになったのです。

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