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リーダーシップとパフォーマンス・マネジメント:Week3 異文化間リーダーシップ

<まとめ>

・文化には違いがあり、文化が違うと求められるリーダーシップも異なる。
・グローバルリーダーに必要な要素としては、「曖昧さへの忍耐」と「文化的許容力」がある。
・リーダーシップ研究は欧米を中心に行われてきたが、それ以外の地域の研究も融合されるべき。

<授業での学び>

【文化】

・国の文化の次元:言語、時間の指向、空間の使い方、宗教
・ホフステッドによる文化の次元
 ー権力格差
 ー個人主義/集団主義
 ー男性性/女性性
 ー不確実性の回避
 ー短期指向/長期指向
 ※批判が多い
・Project Globe
 ー文化がどのように社会、組織、リーダーの効果性に関係しているか、を研究
 ー170カ国、17,300人のミドルマネジャー、951の組織を対象に調査
 ー9の次元、112の特徴、21のものさし、6のスタイルを発見
・Project Globeの9つの次元
 ー権力格差
 ー集団主義(組織)
 ー集団主義(グループ)
 ー不確実性の回避
 ー自信に満ちた態度
 ー人道的指向
 ー性的平等主義
 ー未来志向
 ーパフォーマンス指向
・Project Globeの6つのスタイル
 ーカリスマ
 ーチーム指向
 ー自己保護
 ー参加的
 ー人道指向
 ー主体性
・Project Globeにおける発見
 ー過去の経験や文化、しつけに基づいた、暗黙的なリーダーのイメージを人は持っている
 ーリーダーシップのいくつかの側面は文化に依存する
 ーカリスマとチーム指向は普遍的なリーダーシップスタイル

【リーダーシップの理解】

・リーダーシップ研究には課題は多い。
 ー存在論的課題と認識論的課題
 ー理論的に捉えにくい
 ー見方によって見えるものが変わる
・リーダーシップ研究における批判
 ーリーダーシップは作られた概念であり、文脈に依存し、文化に付随する
 ーリーダーシップについて知っていることは、文脈的枠組みにはめられている
 ー西洋的視野に支配されており、西洋的理論がメインストリームとして特権付けられ、非西洋的なものはその他と位置づけられる
・異文化間リーダーシップはなぜ必要か?
 ー経済のグローバル化
 ー"中心"からでは理解できない
 ーグローバルリーダーシップの必要性

【グローバルリーダーシップ】

・グローバルリーダーシップとは何か?
 ーFortune500の会社の85%がグローバルリーダーシップ能力が足りないと言っている
 ー特質か?スキルか?行動か?
 ーJavidanによると、「曖昧さへの忍耐」と「文化的許容力」
・アフリカのリーダーシップ:Ubuntu哲学(アフリカの哲学)の価値観
 ー人は他社を通じて人である
 ー左手が右手を洗い、その逆もまた然り
 ー一方で、アフリカの文化は単一ではなく、国によって異る

<課題論文1>

授業でも出てきたGlobe Projectについての論文。参考になりそうなのはこの辺。日本はConfucian Asiaに属するので例えばAnglo文化圏の人と働く場合には、PartipativeとSelf-Protectiveに注意し、より参加型で、自己保身に走らないリーダーシップを目指すべき、ということがわかる。しかしその文化圏の人がどの程度平均値付近に分布しているかは気になる。個人的な仮説としては、個人の分散が大く、文化の違いより個人の違いに着目した方が良い気がしている。

画像1

Javidan, M. et al (2006). In the Eye of the Beholder: Cross Cultural Lessons in Leadership from Project GLOBE. Academy of Management Perspectives, 20 (1), pp67-90.

<課題論文2>

アフリカのリーダーシップに関する概念的論文。リーダーシップ研究は、欧米がメインストリームとされ、アフリカにも持ち込まれているが、アフリカ土着の知識も融合すべき、という話。問題意識はわかるが、非常に当たり前のことを言っているように聞こえる。この手の論文がそれまでなかったり、メインストリームの研究者には新しい視点を与えたりした、のが価値なのだろうか。

Iwowo, V. (2015). Leadership in Africa: rethinking development. Personnel Review, 44(3), 408-429.

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