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採用における評価と選定:Week1 文脈上の選定と評価(イントロ)

人と組織、人と仕事が合ってるかどうかは究極的にはやってみないとわからないので、採用の方法論をつきつめても限界があると思ってはいる。とは言え重要ではあるので、良い方法論があるなら知りたい。

<授業での学び>

【アプローチ】
・(ピープル)マネジメントのアプローチの体系は以下の通り。
 ーメインストリームアプローチ
  ・機能的アプローチ
  ・管理者的アプローチ
 ー批判的アプローチ
・ピープルマネジメントと雇用関係への機能的アプローチ
 ー従業員は、組織の目標を追求する反応的な存在と捉えられる
 ー組織の目標は明確に定義され問題がないとされる
 ー組織は秩序立ち共通認識のある単一という前提に立つ
・ピープルマネジメントと雇用関係への管理者的アプローチ
 ーマネージャーには特権があるとみなされる
 ーマネージャーは目標達成のために、科学的管理的技術を使う権利を持つという前提に立つ
・ピープルマネジメントと雇用関係への批判的アプローチ
 ー様々な方法が取られる
 ーよくあるテーマとしては
  ・組織に存在する葛藤、独占、不公平
  ・権力、搾取、服従
  ・マネージャーによる管理の効果
  ・前提を形作るその時代の社会的、政治的、歴史的環境への注意
・メインストリームでは、心理学が用いられ、科学的な見方をする。
 ー個人は通常分析の対象となる
 ー理論は自然科学に根ざした分析や実験に基づく
 ー権力、対立、階級、政治、思想などの動的な課題には注目しない
 ー日常目にすることと異なり、除菌された見方をするため、不確かさ、カオス、誤解、などは含まない

【HRMと組織心理学のリンク】
・何を知るべきかは、The British Psychological SocietyやCIPDが定めている。
・各アプローチのオーバーラップが見られる。

【評価と選定のベストプラクティス】
・原則1
 ー個人には違いがある
 ーしたがって、人々は等しく全ての仕事にフィットするわけではない
 ー人と仕事のマッチングは重要である
・原則2
 ー未来の言動は予測可能である
 ー目標は、人と仕事をマッチさせ、将来のパフォーマンスを予想するうことである
・PlintとPattersonによる選定のベストプラクティスでは、採用で選定が行われるごとに選定の意思決定の有効性を検証する必要があると提案されている。

<課題論文1>

イギリスのかかりつけ医の採用に関する研究。以前は成果に一貫性がなかったが、信頼性が高く、有効性が予測可能なプロセスへと置き換えられた。またそのプロセスは応募者にとっても公平なものとなった。必要となるコンピテンシーを特定し、信頼性のある評価方法をデザインしたことで、将来のパフォーマンスを予測することも可能となった。この成功要因は、リクルーターの国家的プロセスのゴールへのコミットメントだったとわかった。
(所感)これがメインストリームアプローチで書かれた論文。

Plint, S., & Patterson, F. (2010). Identifying critical success factors for designing selection processes into postgraduate specialty training: The case of UK general practice. Postgraduate Medical Journal, 86, 323–327.

<課題論文2>

職業差別に関する論文。組織心理学の間接的にこの問題に貢献してきたが、女性の立場にはほとんど違いを生み出すことができなかった。還元主義的アプローチでは、組織の魅力と適応の基本的なプロセスを適切に理解することができない。批判的アプローチと警察の仕事という具体例を用いることによって、仕事における役割とアイデンティティをより実りのある理解ができることを示した。
(所感)こちらは批判的アプローチで書かれている。

Dick, P., & Nadin, S. (2006). Reproducing Gender Inequalities? A Critique of Realist Assumptions Underpinning Personnel Selection Research and Practice. Journal of Occupational and Organizational Psychology, 79(3), 481–98.

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