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採用における評価と選定:Week4 職務パフォーマンス、職務分析、コンピテンシー

残念ながら今回の内容はあまりおもしろくなかった…。

<学びになったこと>

・知識とスキルはトレーニングで開発できるが、動機と特性は変えることが難しいため、採用ではそれらに注力すべき。
・(日本ではあまり一般的でないが)アセスメントセンターを採用や昇進の判断に利用する際は注意が必要。
・HRMとパフォーマンスの議論には哲学的アプローチが必要。

<授業の内容>

【職務パフォーマンス】

・職務パフォーマンスは行動や成果で捉えられる。
・近い概念としてあるタスクパフォーマンスとは、原材料を商品やサービスに変える活動。
・もう1つの近い概念である文脈的パフォーマンスとは、組織的、社会的、心理的環境をより幅広くサポートする活動。追加の頑張りや、他者の支援など。
・クラシックな採用プロセス
 ー1:職務におけるタスクと求められる振る舞いの特定と、JDの作成
 ー2:知識、スキル、能力、その他の特徴の特定と、個人のスペックの記述
 ー3:採用方法の選定
 ー4:採用技術を適用し候補者を選定、決定

【職務分析】

・観察
・日報
・チェックリスト:その仕事をしている人にやっているタスクを書かせる
・階層的タスク分析:タスクを抽象的なものから具体的なものに記述していく
・面談
・Critical incident technique:事故が起きた状況について分析する
・Position Analysis Questionnaire:質問表を作って評価
・Functional Job Analysis:アメリカで開発されたDOT(Dictionary of Occupational Titles)に職務における活動、活動の目的、使う道具、などが12000の職務について書かれているので、それに基づいて分析
 ー古くなっていると考えられ、求められる能力、スキル、経験、など詳細に記述されたO*NETが最近は使われる(記述された職務は1110)
(所感:そんなのよく作ったよね…)

【コンピテンシー】

<コンピテンシーとは>
・1920年代にドイツ軍によりコンピテンシーのアセスメントが開発され、1950-60年代に宇宙開発の領域で行動主義やシステム理論からコンピテンシーベースの教育が開発され、1970-80年代に知性や個性と合わせてその他組織への普及が進んだ。
・多くの組織に最も共通するコンピテンシーは、
 ーチーム指向86%
 ーコミュニケーション73%
 ー人の管理67%
 ー顧客フォーカス65%
 ー問題解決57%
 ー結果指向55%
 ー計画と組織51%
 ー専門スキル49%
・コンピテンシーを持つことは良いパフォーマンスに繋がる。
(所感:ものすごく当たり前では…)
・エントリーレベルや閾値のコンピテンシーは、必要不可欠なものであるが、高いレベルのパフォーマンスを発揮することとは関係がない。
・またコンピテンシーは行動であるという考え方もある。
・コンピテンシーはパフォーマンスとも関係があり、コンピテンシーを研究する人は、他の人よりパフォーマンスを高めるものを分析する。
・コンピテンシーは普通の人と卓越した人を分ける全ての特徴、という考え方もある。
・組織コンピテンシーは、その組織を競争優位にする要素。
・職務/役割コンピテンシーは、人が職務や役割、機能、タスク、組織、において効果的であるために実践しなければならないこと。
・個人コンピテンシーは、スキルや達成、成果のレベルを意味する。
(所感:これらの概念は使い所があるのか?)

<コンピテンシーの問題>
・コンピテンシーの定義と使い方には、概念的明瞭さが欠けている。
・個々のコンピテンシーにも重なりがある。
・本来CompetencyとCompetenceは別の概念だが、近年では同じ意味でしばしば用いられる。

<KurzとBartramの偉大なる8つのコンピテンシー>
・リーダーシップと意思決定
・支援と協働
・相互作用と意思表明(コミュニケーション)
・分析と解釈
・創造と概念化
・組織化と実行
・適用と処理
・積極性と実行

<コンピテンシーと採用>
・知識とスキルはトレーニングで開発できるが、動機と特性は変えることが難しいため、採用ではそれらに注力すべき。
・(日本ではあまり一般的でない)アセスメントセンターを活用した採用では、エクササイズ(ロールプレイ、グループディスカッション、ケーススタディ、問題の分析など)を通して、コンピテンシー(コミュニケーション、チームワーク、問題解決力、顧客フォーカスなど)を測定している。
・アセスメントセンターでの問題に、「エクササイズ効果」があり、公平に採用や昇進の候補者を評価できないばかりか、訴訟になるリスクもある。
 ーあるエクササイズが上手くできれば、そのエクササイズで評価しようとしていたコンピテンシー全ての評価が良くなってしまう
・最近では、統計学やG(Generalizability)理論の発展により、コンピテンシーの分解が可能になってきている。

<課題論文1>

HRMとパフォーマンスの関係についての研究は、科学的にアプローチするだけでなく、哲学的にアプローチしなければならない、と主張した論文。常々科学的アプローチの限界を感じていたので、非常に共感できる論文。ただし、DeepLで日本語にしても難解なほどなので、ロジックは全く理解できなかった。統計的帰納法的アプローチ、演繹的アプローチなど、科学的アプローチを丁寧に論じている。他の生徒からも難解と言われていた。

Fleetwood, S., & Hesketh, A. (2006). HRM-performance research: under-theorized and lacking explanatory power. The International Journal of Human Resource Management, 17(12), 1977–1993.

<課題論文2>

コンピテンシーモデリングと伝統的な職務分析を、目的(行動を記述するか、影響を与えるか)、仕事のビュー(記述されるべき目的か、実行されるべき役割か)、フォーカス(仕事か組織か)、時間の方向(過去か未来か)、パフォーマンスレベル(典型か最大値か)、および測定アプローチ(潜在的な特性か臨床的判断か)という6つの観点で比較し、どちらが良いというわけではなく、お互いを補い合うよう併用しよう、と主張した論文。これも難解な論文だった…。

Sanchez, J. I., & Levine, E. L. (2009). What is (or should be) the difference between competency modeling and traditional job analysis? Human Resource Management Review, 19(2), 53–63.


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