世界中古童話堂37話、赤い靴
`ん?今何時?'起きたばっかりなのに外は日が落ちて真っ暗、、スマホの時刻は午後6時を過ぎていた。
`やばい、20時間以上寝たきりだったの!'
夜中かいた汗で布団まで湿気が染みたベッドから、早苗は起き上がり…久しぶりに部屋の窓を開けた。1月の冷たい空気が待ってたように入り込んで頭が覚めた。
早苗はスマホの写真を開いて、赤い靴の契約書を見つけ、最後の注意点を読んだ。
そこには、明確に…
⒈ 1日7時間以上の使用禁止します。
⒉ 連日使用は避けて下さい。
⒊ 契約の者以外の者にはバレないようにする。
※予想外のことが起きたり、借りたアイテムを無くしたり、上の注意事項を守らなかった時は、
店からの自動的な呼び出しがあり…その時点から起きる事に関しては、店側の責任は一切負いません。
`7時間ギリギリだったのかな?もともとの重い体になった以外は何も変わりはないじゃん'
それより、ユイトからのDMが来ていた。
カレンちゃん!今日は楽しかった☺️
学校も近いし、また会いたい!
21:23
カレンちゃんー おやすみー💤
23:49
🥲
13:56
`うわー!早く返信しなきゃ!'💦
早苗は急いで、
ごめんなさい🙇♀️!熱が出たりして寝込んで今、みた!ごめんね!
わたしも楽しかったです😳…。
送信済み
`あ…怒ってるかも、、こんなに長く返事を待たしたりとかもし訳ない、、'
…
じっとスマホを見つめても既読はつかない、早苗は耐えられなかった。dmより、お腹が減りを…
台所で炊飯器の釜を丸ごと出して目に目える全てのふりかけと、マヨネーズを二周、シーチキンをぶっ込んでスプーンで混ぜながら立ち食いをした。 出来立てのご飯がそのまま空になっていた…自分でも恐ろしい速さ。
やっと力が出た早苗は風呂から上がりスマホをずっと見つめた、 また既読な無し。
耐えれない勝手な気分で早苗は甘いものが欲しくなってコンビニへ走った…
大きいバニラアイスと食パン、おまけにメイプルシロップを買ってきた早苗は、食パンにアイスを挟んでシロップをかけた甘いサンドを慣れた手つきで作り、パソコンの前に座った…
休まず動く口もと、snsからはなれない目は、
日曜日の夜更かし確定を知らせてる様だ。
月曜日の塾、
画室に早めに入り後ろに場所を取った早苗は、画室の入口から目を離せなかった。
`ユイト!!
彼が入ってきた、彼はわたしのdmを既読無視したままだ。追いdmは怖くて諦めた'
ユイトは私から離れた右側に適当にイーゼルを置いたまま座り、スマホを出した…
そして早苗はdmがきた、
カレンちゃん、返事遅くなってごめん!
体調は回復した?
俺はイラストサークルで忙しかった😭
やっぱり、カレンからもイラストもらいたいよー
明日放課後とかどう?
すぐ既読した早苗は迷わず、
うん、元気! 私ができることがあるなら手伝いたい😊
明日、オッケー👌
早苗が即送信した後だった…三年生の女の人が画室に入り、ユイトに話をかけた、
「ゆいと! 久しぶり!」あの目立つ人はまったく周りの目を気にせずにユイトをハーグしてる。ユイトは笑いながら
「大げさだよ!
邪魔になるから一旦出るぞー」といい2人は画室から出ていた。
確かにあの三年生は才能が凄いと噂の人で、
腰までくる長い黒髪が綺麗で私も目で追ったことがあった…歩く姿も喋りも自信が溢れているタイプ。
2人は知り合い!?
塾の長い長い時間、
ユイトを覗き見するしか何もできない早苗は、時間が経つほど胸の中にいっぱい溜まっていくもやもやに圧倒され、早く帰って自分の部屋にこもりたいと思った。
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