展示品ちょい見せ! 周囲の環境が子どもの意識も育てていくんだよな(´・ω・)
展示会では毎回、新しいものを仕入れて皆さんに見てもらいたいと頑張っています。収蔵品って、ときおりそうしたテーマを決めて、お金を惜しまず投下しないと、充実しないっていう側面もあるわけです。また、回を重ねると、やっぱりこれは出したいっていうおなじみさんがあって、せっかく足を運んでいただいた皆さんに「またこれか」って思わせるのは申し訳ない限り。今回、過去のテーマにも重なるので、頑張って新しいもので新味を出そうとしています!
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そして、そんなわたしのために降ってきてくれたものがこちらです。
背嚢は、兵隊さんの装備の中では行軍とか出征とかの場面でよく登場します。モノが入るリュック部分は木箱のようで、細い布のベルトで背負えるようになっています。箱の部分の周囲を覆っているのは、実物なら毛布ですが、これはおもちゃなので、何かを詰めた形だけのものです。
こちら、新潟県の旧家の蔵から出てきたもので、どうも日中戦争当時のもののようです。ほかに、勲章のセット商品が出てきました。左の品は1939年10月以降の品と見られます。公定価格がついていますので。あまりしっかりしたおもちゃを作る材料もなく、ペラペラの勲章や徽章がせめてもの玩具でした。
さて、背嚢関連で、こんなものも入手できました。
鉄兜、ラッパと兵隊さんごっこの少年の背嚢は明治チョコレートキャラメル。ぽっけにはミルクキャラメルも。キャラメルやチョコが使えて宣伝もできたということは、日中戦争開戦前後ぐらいでしょうか。まだ輸入統制もされていないころでしょう。そして、お菓子の宣伝と兵隊さんを重ねることで、宣伝効果が高まると期待できたのでしょう。軍隊が憧れとされる時代ですね。
そして、中等学校や青年学校などで教練でみっちりしごかれる時に出てくるのが、この背嚢でした。もはや、玩具、兵隊ごっこではなく、徴兵、入営が見えてくるころです。
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それぞれがバラバラに入手されたものですが、こうしてつないでみることで、時代の雰囲気、成長の過程における擦り込みが明らかになってくるのです。それが、コレクションの面白さであり、展示会の面白さにつながると思って居ます。こうした実物資料から、何を感じていただけるか。ぜひ会場でご覧になり、歴史の流れにひたってみてほしいです。
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