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【CROSS SENSE】LeTech 藤原寛氏に聞く|不動産DX・地域差における不動産戦略・リーダーシップ論

こんにちは! センス・トラスト株式会社です。

私たちは「想像を超える、未来の創造」を理念に掲げ、京阪神間を中心に不動産の買取再販、売買仲介、コンサルティング、リフォーム等の事業を展開しています。

今年10月からセンス・トラストの公式YouTubeチャンネルでスタートした新企画『CROSS SENSE』。社名に掲げている「センス」という名前に相応しく、倫理性や直感力をいかして活躍されているゲストをお招きして対談を行い、そのヒントやエッセンスを探ります。

記念すべき第1回のゲストは、関西と関東を中心に不動産ソリューション事業や不動産テック事業を展開する、株式会社LeTech取締役営業本部長・藤原寛氏。不動産DXや地域差における不動産戦略、リーダーシップ論などについて、センス・トラスト代表・今中と熱く語り合いました。


株式会社LeTech
関西と関東を中心に事業を展開。投資用不動産の開発・販売をはじめとした不動産ソリューション事業や、不動産とITを融合した不動産テック事業を営む。2018年東証マザーズ市場に上場を果たした。
藤原寛 氏
2012年6月に株式会社LeTech(旧リーガル不動産)へ入社。2018年に東証マザーズ市場上場を果たし、2020年8月より取締役営業本部長に就任。不動産デベロップメント事業を中心とした営業面全般に加えて、不動産DXに係る新規事業創出の責任者として担務している。

不動産業界に対する想い

── 藤原さんは今中さんが尊敬する先輩のひとりだそうですね。まず、おふたりの出会いについてお聞きしたいです。

今中:僕が大変お世話になっている先輩で株式会社コーニッシュの今村健人さんに、藤原さんとの会食に誘っていただいたのが最初の出会いでした。センス・トラストを起業した際に、理想像にしていた会社がLeTechさんで、藤原さんのお名前もずっと存じ上げていたので、お声がけいただいたときには、まさかこういう形で出会えるんだという感じでした。その時は本当に緊張してガチガチだったと思うんですけど、今ではすごく仲良くしていただいています。

藤原:今中くんのことは「伸び代がある若手がいる」と紹介されたんです。もともと私の周りからもそういう評判を耳にしてはいたので、どういう子なのかなと興味を持ってお会いさせてもらいました。実際に会ってみると、仕事だけでなく人柄も素晴らしい人間でした。後輩思いだし、先輩を立てることもできるし、そして見た目も男前だし(笑) 私が今中くんの年齢だった時と比べたら、非常に優秀だと思いますね。

今中:いえいえ。僕こそ本当に尊敬しています。

藤原:尊敬してもらってありがたい気持ちの一方で、その尊敬を損なわないようにと身の引き締まる思いです。今はプライベートだけでなくビジネスでも実際に取引をさせてもらっているし、将来目指しているビジネスモデルについても相談させてもらっています。今後もお互いに成長できるような関係性でいけたら嬉しいですね。常に追いかけてもらえる背中であるべく、私自身も頑張っていくことが課題かなと。

── 不動産業界に対する藤原さんの想いについてもお聞きしたいです。

藤原:これまで20年ほど不動産業界にいましたが、今一番感じているのは、不動産業界そのものが少し色眼鏡で見られているのかなということ。世間一般からすると怖い業種というか、不透明な業界というように見られている部分もあると思います。

近年、不動産は金融マーケットでの仕事も増えてきていますが、不動産が金融化されたマーケットでもしっかり透明性を大切にして、業界全体が誠実である中で不動産会社が増えていってほしいですよね。日本はどちらかと言うと不動産会社の地位がまだ低いので、海外の経済環境のようになるための一翼を担っていきたいと思っています。

でも、そうなるためには当然会社が軌道に乗っていなければ難しいわけで、高尚なことばかりを言っていますけど、当然お金を儲けることも必要です。足元の基盤としては正しく収益を上げていくものの、利益だけを追い求めてしまうと倫理観が損なわれてしまうので、そこは一本筋を通しながら業界として改善できる形はめざしていくべきでしょうね。

今中:藤原さんの仰るとおりだと思います。僕も住友不動産販売という会社にサラリーマンとして勤めていましたが、不動産業界の成長について考えた時期がありました。業界全体のイメージが悪いというよりも「もったいないな」という気がしていた。そこを改善していけるように、センス・トラストとして力を出していけたらと思っています。とはいえ、まだまだ藤原さんのようにバッと世に出るようなことはできていないんですけど。

藤原:いやいや私もまだ出ていないよ(笑) そういう意味では、今中くんたちの方がこれからの可能性がたくさんありますよ。もちろん、私から伝えられることは伝えていきたいと思うけれども、先輩から学ばなくていいことは捨てていった方がいい。不動産業界の中にも悪しき文化はありますし、どこまでいっても体育会系の流れは変わらないし。

今中:僕もバリバリ体育会系です(笑)

藤原:でもそこは変えていかないと、若手はついていけない。今はすごく泥臭く頑張ったら稼げるというような、どちらかというとガッツのある人が稼げるという感じだけれど、でも本来は「スマートにやっても不動産はビジネスとして成功できるんだ」ということを見せていかなくてはならないよね。

今中:確かに、そうですね。

藤原:今中くんはそれを体現できるスマートさがあると思うし、もちろん自分自身もそこは意識しているところです。不動産会社は、強面で怪しいことをやっている人が多いというイメージが強いと思うのだけれども、そこは払拭していけるのではないかと考えています。私たちが出会う方々に良いイメージを持っていただければ、一人ずつではあるもののいろいろな意味で波及していくはずです。

今中:そうですね。そのようにして、不動産がかっこいい仕事、憧れる仕事になったら嬉しいですね。

藤原:本来はなるべきだと思うんです。不動産業界では昔から言われ尽くしたことですけど、この仕事は衣・食・住の「住」の部分を担っているわけですから。現状はまだまだですが、いつか「将来なりたい職業」の中に、不動産業が入っていたら嬉しいですね。

不動産業界のDX化について

今中:近ごろは不動産業界もDX化の流れが注目されていますが、LeTech社はもともと早い段階で不動産テックに注力されていましたよね。御社が推進するDX化についても詳しくお話を聞きたいです。

藤原:LeTechはもともと「リーガル不動産」から社名変更をしたのですが、その背景には「不動産テック事業をめざす」ことを社名としても表すという意味がありました。とはいえ、不動産テックに舵を切って事業を進めてきてはいるものの、やはり参入障壁は非常に高くて、約4年ほど取り組んできている中で少し活路が見えてきたところです。

「不動産」と「テック」は真逆に位置するものなので、IT業界のようにテック事業だけではなかなか事業モデルを成立させることは難しいということをこの4年間で感じてきました。不動産を生業としてきた会社がいきなりテックに転身しようとすると、どうしても発想が不動産寄りになるので、テックに舵は切るものの、根底にはビジネスとして不動産という要素が残る形で今は考えています。

ビジネスモデルの中身としては、センス・トラストさんにも入っていただいているのでそこは何としても成功に導きたいですね。不動産業界はテックだけでは完結しにくい業界なので、ビジネスモデルとしてはどっちつかずの方が成功していくのだと思います。すべてをIT化するのは不可能で、まずは不動産業界の重要な部分からテックを活用していてサービスを提供していくことが課題かなと。なかなか読み切れないことが多いからこそ、DX領域にはまだまだチャンスがあると思っています。

不動産業界における関西と関東の特徴

今中:弊社は2023年4月に東京支店を開設いたしましたが、東京・大阪という地域間での違いやシナジーについて、藤原さんの考えをお聞かせください。

藤原:LeTechは東京支社を開設して10年を超えますが、個人的に感じているのはやはり東京の方が不動産マーケットが大きく、やれることも多いということです。ただし競合も多く、関西と比べると大手のほうが活躍しやすい傾向があると思います。資金力や情報力など、大きなところから出てくる情報が多いので、大手であればあるほどパワーが発揮できるなど。

その一方で、ニッチな領域の市場も大阪より圧倒的に多くて、LeTechはそのニッチなところで勝負をさせていただいています。メインで取り組んでいる「LEGALAND」という小規模な低層レジデンスの開発もそのひとつです。デザイン性の高さと都心を中心とした立地の良さが最大の魅力で、都心エリアで38物件の開発実績があります。

あくまでも東京では小規模デベロッパーに活躍の軸をおきつつ、それプラス大阪でやっているような少し複雑なビジネスモデルをやっていく。それが東京の市場に対する私のとらえ方です。

今中:大阪についてはいかがですか?

藤原:大阪は、デベロップメントで勝負するというよりは、大阪に本社があることを踏まえて、少し特殊なビジネスモデルをさばいて、短期的な利益をあげることをやっていきたいと考えています。バランスとしては東京の方が安定している感じですね。

大切なのは、東京の市場にどういう想いや目標を持って参入していくかを明確にすることだと思います。そうすることで、その情報が入ってきやすくなるからです。例えば、「センス・トラストといえばこれ」というものがあった方が、認知度は上がっていくでしょうね。

要するに、マーケットをどうとらえるかだと思うんです。東京はひとつの地域のマーケットが大きいから、地域を決めてその地域だけで勝負をしてもマーケットとして十分に成り立ちます。

今中:「やること」と「やらないこと」を明確に決めることも必要になりますね。

藤原:そこをはっきり決めて広い面で攻めるのか、もしくは場所を特定してその場所で深堀りしながらやっていくのか。東京にはそういうところがかなりあると思います。丸の内といえば三菱地所さん、日本橋といえば三井不動産さんというように、各社がそのエリアで勝負しているのがよくわかりますよね。

藤原氏が考えるリーダーシップ論とは

今中:最後に、藤原さんが考えるリーダーシップ像について教えてください。

藤原:もともとリーダーシップはそんなに得意ではないんです。プレーで引っ張っていけるリーダーと、プレーはメンバーに任せてリーダーシップを取るリーダーと2つのパターンがあると思うのだけれども、僕はどちらかというと後者。

仕事としては全力で背中を見せたいと思っていますが、上をみれば当然仕事ができる人はたくさんいます。その中でも私が特に大切にしているのは、「どれだけ愛を持って接することができるか」ということ。日々の態度だったり、コミュニケーションの取り方、背中の見せ方だったり、一つひとつの中に愛を持って接するということが大事じゃないかなと思います。

それから、「嘘をつかない」ということ。やれないことはやれないので、過剰にやれるよということを言わないし、無理のある形でリーダーシップを見せようともしません。現実的な部分を見せていくなかで、それがどう尊敬されるかは基本的には相手が決めることですよね。「俺がこんだけやたんだからついってこい」ではだめだと思うんです。結果としてついてきてもらえたら嬉しい。そういう意味で、先頭をきちんと走りつつも、助けて欲しいところはきちんと助けを求めて、感謝をする。それが正しいリーダーシップだと思います。

対談を終えて

今中:藤原さん、本日は本当にありがとうございました。

藤原:第一回目の対談に選んでいただいたことは恐縮しつつ嬉しく思っています。後輩の今中くんに引き続き憧れてもらえる先輩でありたいなと思いますし、これからもお互いに切磋琢磨して頑張っていきましょう。

今中:今日はいろいろな話をお聞きできて、大変勉強になりました。今回の対談が、不動産業界を目指す方をはじめ、少しでもみなさんのお役に立てれば嬉しいです。


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