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樟蔭センセーセッション【増井先生】

樟蔭中学校・高等学校の指導教諭の川浪です。
先生方がどんな授業をして、どんなことを思っているのか?
先生方の教育観なども含めて知っていくことから始めたいと思います。

本日の授業見学は2連続で数学科、私の数学科時代にも増井先生の授業を見学した記憶がなく、初めての増井節を堪能して参りました。
本日のクラスや現在の進度、この授業の狙いなど教えてください。

高校数学の中でも,sinΘ,cosΘ,tanΘを扱う三角関数は難易度が高い分野かと思われます。それにどれだけ自ら取り組ませることができるかを目標に,授業を組み立てました。苦手意識を払拭して,"できる体験"への取り組みに工夫しています。

数学科から離れて8年になりますが、とても懐かしく感じました。
三角比に嫌悪感をもつ生徒は結構いたな~と思い出しましたが、脱落している生徒も数名いましたが、前のめりに受けている生徒も多くて感心しました。生徒のiPadの使い方について、授業ガイダンスなどで使い方についてはどのようにお伝えしていますか?

いわゆるノート代わりに使っている者が多いですが,教材を撮っておき,そこにカラフルに書き込んでいる者もいます。また板書を写すのに時間がかかる生徒は,写真に撮ることで補助としています。

特に後方の生徒は板書を撮影して、ズームしてノートに取るような使い方がとても多かったのです。板書消すのちょっと待って~という声は減ったのではないでしょうか?その他にもiPadの導入で良かったことがあればお願いします。

自分で書いて問題を解くことは大切ですから,基本はノートへの手書きを推奨しているのですが,説明を聞くことと必要事項を書き写すことの間にはどうしても重なりができてしまうようです。板書を消す前には,「必要な人はどうぞ」という意味で教壇を空けるようにしています。
通常の授業では,「そこをもっかい見たい」には対応していませんから,各自有意義な使い方を工夫してくれています。

例えばこの生徒は、ノートをiPadのメモアプリを使っているのですが、今回のような三角比の角度の拡張・三角関数の単元で、フリーハンドで書いた〇を正円〇に補正してくれるアプリの機能は、生徒が分からないなりにモデル化する初期段階では、楕円になってしまったモデル化より理解を早めるのではないかな~と感じました。ただ、このような生徒の場合のノート提出はどのようにされているのでしょうか?
(私の8年前はアナログノートも写真に撮って提出させていたので、Google Classroomでクリックでチェックしていました。)

最近は,生徒の授業の受け方の多様化に伴い,授業ノートの提出を課さないようになりました。替わりにこまめな宿題のチェックと,小単元毎の小テストの実施で,平素の平常点を見るようにしています。

時間配分も前半に知識学習、後半に問題演習とバランスよく感じました。その切り替えタイムに「単に隣の人にどう?わかってる?」「ここ分からんかったわ」みたいな2-3分のブレイクタイムを取ってみるなどしたら、生徒の集中力の切り替えにならないかな~と思いました。また、次の授業のデザインをイメージするために生徒の理解度を測るようなアクションがラストのふり返りタイムにあるとどうかな~と思いました。Google Classroomなど使えばフィードバックも簡単ですが、先生のスタイルだとそれだけのために使うのも時間がかかってしまうので、「今日の授業、理解できた人?」に対して手を挙げさせて先生の目分量で「おっ70%習得」みたいなコミュニケーションでも十分かと思いました。
では、最後に今回の範囲でも、数学全般でもこんなことを学んで欲しいな~という先生の柱にしている部分など教えていただけると幸いです。

フィードバックには,iPadを使うのは最適だと思います。最近は講習会などに行っても最後のアンケートはQRコードからのフォーム形態がほとんどですからね。
ただ私は,旧態然とした方法ながら,提出する宿題の出来と小テストの答案で状況を確認しています。それと授業中の切り替えについては,「最低限全員がやってほしいこと」「上位を目指す余裕がある人がチャレンジするとよいこと」を問題毎に明確化することで,皆上手に息抜きしてくれているように思います。また,進度に余裕があるときには,タイミングをみて「目をさましてもらうやり取り」を入れることもあります。

高校の数学は,授業で一度説明されただけでは身につかないことが多く,自分で使いこなすためには問題演習が必須です。うまく波に乗れた経験のある人は,どうすれば高得点につながるかを知っていますが,そうでない場合,相当量の無駄な時間を作ってしまっていることがあり得ます。そもそも数学で学ぶコトは,手持ちのスキルでゴールまで進む道筋を考えるということですから,人生においても相当高位の位置付けとなります。例え好きでなくともしっかり向かい合ってもらいたいと願っています。
限られた時間の中で,優先順位を誤らずに生活していってもらえれば,高校生活結構楽しめるのではないかと思います。

この度はありがとうございました。

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