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写真と生きる vol2 深夜急行弘前旅

遡ること、、、


iPhoneのアラームが耳に触れる朝8時
チャリで5分のバイト先
売りまくる教科書
眠い15時
春の花びらが散るその風


さくらが咲き始める4月
岩木山には雪が残り
1時間に一本の電車が走る街

そこで産まれた私はその街の空気を充分に味わうことなく引っ越した。生まれ故郷とはいえ3ヶ月ちょっとしかいなかった弘前という街には毎年1度は里帰りをしていたが、年を重ねるにつれ九州から青森という距離はそう簡単には行けるわけもなく5年ほど疎遠になっていた。


若さ故


月日が流れ22年4月。フィルムを始めて3度目の春。朝のアラームに起こされてはなぜバイトを入れたのだと思いつつ23日からの弘前に希望を託しチャリを走らせた。

短期で大学の教科書販売のバイトをした。幸いみんないい人で働きやすく、世間話をしながら同じ大学生に教科書を売りまくった。買いに来る一年生を見てはメルカリで探した方が安いぞと小声で言いたかったが、こちとらバイトなのでやめておいた。

前回までのあらすじ


飛行機に乗るのが久しぶりであり、前に沖縄旅行に行った時に搭乗時間ギリギリに行ったら乗せてもらえず(良い子のみなさんはやめましょう。)親に電話して、日本航空が助けてくれた(3万円かかりました)という事件を起こして以来家ではいじられるので、結構早めに到着した福岡空港は前と全く違っていて福岡がここで完結するほどだった。(そんなことはない)

安心するもの束の間、現金を家に忘れて来たと思いきや残金不足で8000円しか降ろせず、財布に入っていたお金と合わせて
9700円で5日過ごす 
交通費が3000円かかる模様

と言う遊戯王の予告並みに心配になる事件が起きた。元々財布に入っているのが1000円前後という定食屋感覚で青森に飛ぼうとしており楽しい旅が始まりそうだ。
※皆さん旅行に行くときは現金とケータイをお忘れなく!!

18時間後

成田空港について驚いたが、スカイライナーか成田エクスプレスという新宿まで片道3000円の列車が前面に押し出され広告されており、残金9700円の主人公はもはやこれまでかと身の危険を悟った。しかし、鈍行を乗り継ぎ1300円前後で新宿まで行けるルートを発見したものの夜行バスの発車10分前に着くというこれまた一種のギャンブルに賭け節約を試みた。日本というのは電車が時刻通りに来るいい国である。(ギリ間に合った)そのおかげで夜飯を食う暇もなくコンビニでおにぎりを買い夜行バスにお邪魔した。

しかし夜行バスというのはなかなかどうしてと言ったところで、ストーリーのアーカイブ欄に車体と共に深夜12時10分夜行バス 乗って背中が ゆがみけりと謎の句を投稿しており今後の利用に待ったがかかっている。

サービスエリアで渾身の一句

福岡から約18時間、空の旅と夜行バスの試練を乗り越えて着いた弘前は思っていた程涼しくなく寧ろ福岡と変わらぬ暑さだった。しかしそびえたつ岩木山には雪が残り桜は満開を通り越していた。


伝説の帰宅


3,4才の頃おじいちゃんの家から15分ぐらいの最寄り駅で親とはぐれ迷子になり、泣きながら自力でおじい宅まで帰るという伝説を残した脳内の記憶を頼りに散策。この街もそんなに変わってなかった。

父上母上が結婚した教会に足を運んでは親戚ぐらい仲がいい青森シスターズ(おばあちゃんの友達)と再会し、5年ぶりに会った第一声は「大きくなったね」と昔と変わらず、そして身長は5年前と変わらず謎の安心感を受け昼に中三(デパート)の中みそ(味噌ラーメン)を食べ、『弘前生まれですが何か』と言わんばかりの地元ムーブを満喫した。

再会

2日目青森シスターズのリーダーに昔よく行ってた館田温泉に連れて行ってもらった。年季の入ってまさしく千と千尋のような昔ながらの温泉である。受付のおばちゃんは「大きくなったね」と言われ、昔からいる白猫の2代目に挨拶をした。お湯はというと灼熱であるが、青森のおじい達は何の遠慮もなく入っていくので若造は少しぬるいところから失礼した。意外と知られていないが青森は温泉大国で昔ながらの温泉だらけである。水と熱湯を調節するシャワータイプが懐かしく何時間でもいれる空間だった。

デザート行くぞとシスターズについて行くとここのソフトクリーム、特に期間限定のやつがうめぇんだと福岡住みの私にあまおうソフトを笑いながら繰り出してきたがこれもまた美味しかった。

その後に訪れた岩木山(青森の富士山)はまだ雪が残っていた。こっちに来て思ったのは空気がとても澄んでいて山の香りというか自然の香りがした。

雪が残る岩木山


弘前

幼い頃からこの街の人の会話は全くわからなかったが大人になった今も津軽弁は全く理解できず、しかしそれがかえって遠い記憶を思い出させた。少し都市化したように感じたが、電車は1時間に一本一両編成で、相変わらずラーメンは美味いし、温泉は安くて最高だし、空気が澄んでいてゆっくり時間が流れていた。

多分この街にスマホやインターネットは似合わない。というよりなくてもいいやと思えるほどのんびりしていて、人があったかかった。宿のご主人は外に出る時仏の様な顔でいってらっしゃいと言うし、ラーメン屋の大将は元気発剌にてやんでいといった感じで、温泉のおばちゃんは鼻先に眼鏡を掛けながらにっこり大きくなったねぇと笑っていた。

帰りのバスでも運転手さんが兄ちゃんいい席余ってるからそっちに乗りなとリクライニングしやすい席に案内してくれた。兎にも角にもこの街は優しいしのんびりしていた。

私の生まれた街は今も変わらず素敵でした。


フィルム

素敵な街でした

弘南鉄道
弘前公園 桜のトンネル
岩木山
まだ雪が残る岩木山の麓
弘前公園の桜
弘前公園の桜
弘前公園 桜のトンネル


最後に

個人的においしいよっていうご飯紹介しときます!

1 すごい混むし並んでる 美味すぎ味噌ラーメン


2 ここのラーメンも美味しかった 朝食べたけどスッキリしてて好


3 100年続く町中華最高


4 青森シスターズ御用達美味中華


 5 焼いていないと落ち着かない。でお馴染み黄金焼き 白餡で好


 6 館田温泉 かわいい白猫がおります くつろぎマシマシです


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