見出し画像

「石になった神さまの居場所」概観1

前回の記事はこちら↓

まずは由来、意味など細かいことは抜きにして色々な「石の神さま」を見ていただくのが早いでしょう。

例えば「石の神さま」で一番メジャーなものは庚申塔でしょうか。地方によって刻名が微妙に違っています。「庚申尊」「庚申尊天」「猿田彦大神」「青面金剛」「道祖神」などなど。関東では「青面金剛」「道祖神」が多い印象です。数え切れないほどのヴァリエーションがあり、とてもではないですが全部は紹介できません。ただ、典型的なものを幾つか挙げておきます。
例えば「猿田彦大神」の石塔はこんな感じです。

鳩ヶ谷氷川神社(埼玉県川口市)の猿田彦大神

また、九州北部ではこういう不規則な形の岩に彫り込んだものが多いです。

正ノ宮正八幡神社(福岡県行橋市)

中には三猿と猿田彦大神を組み合わせたものもあります。

伊倉北八幡宮(熊本県玉名市)

道祖神としてシンプルなものは鈴鹿明神社(神奈川県座間市)にあるこのようなものです。

鈴鹿明神社の道祖神

東京の小野照崎神社の庚申塚には関東の典型的な庚申塔が見られます。凝ったものも多いです。

小野照崎神社(東京都台東区)の庚申塔

庚申幸神(左)という刻名もあります。

斎宮(福岡県糟屋郡久山町)

一方佐賀では庚申塔の他にも様々な神さま、仏さまが彫られています。
まずよく見られるのは「中央」や「中央神」と刻まれたものです。佐賀の地神信仰の一つです。この高野神社(佐賀県多久市)の写真では新し目の「畜魂碑」と「敬白大明神」もあります。

高野神社の中央神、敬白大明神、畜魂碑

また、神仏習合ということで地神と稲荷大明神に囲まれた十一面観音もあります。下の写真では大弁財天、毘沙門天、大権現も見られます。

八幡神社(多久市)
同じ八幡神社(大弁財天・毘沙門天、大権現)

佐賀の「石の神さま」はまだまだ色々な種類があります。
次回に続く。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?