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「下北線路街 空き地」が、#STAYHOME 期間中も運営を続けてきたわけ


下北線路街 空き地」は、“みんなでつくる自由なあそび場”として、2019年9月、「下北線路街」の一番最初のエリアとしてオープンしました。人と人が、ふれあい、混じり合い、まちの歴史と新しいカルチャーを結んでいく場所として、これまで数多くのイベントが実施され、地元の人たちの散歩の通り道となり、街の新しいチャレンジを受け止める場所としても機能するようになりつつあります。

新型コロナウイルスの感染拡大により、日本国内はもとより、世界的に、商業施設や人が集まる施設が閉鎖の判断を余儀なくされたり、行政の管理下に置かれた公園では遊具が撤去されたり、進入禁止のテープが貼られたりする中、「下北線路街 空き地」は運営を続ける、という判断をし、現在に至っています。
(下北線路街の別ブロックに開業した『BONUS TRACK』も独自に営業を続ける判断をし、「#散歩をしよう」というステートメントでこの状況に対するエリアとしてのスタンスを表明しました。)

今回、下北線路街運営事務局から、#STAYHOME のこの期間、「下北線路街 空き地」の運営を続けてきた背景と思いについて、テキストをいただきましたので、お届けします。

この街と、街に生きる人たちへの思いを、ぜひ、ご一読ください。


はじめに

東京都では、新型コロナウィルスの感染拡大に伴い、4月8日に緊急事態宣言が発令され、外出自粛の徹底や買い物頻度を減らすこと、ソーシャルディスタンスを守ることなど、感染拡大を防ぐために、様々な措置を取ることが求められてきました。

本原稿の公開時点で緊急事態宣言は解除されましたが、しばらくは様々な処置を継続し、感染拡大のリスクをできる限り抑えるべきだとされています。

新型コロナウィルスの感染拡大状況が続く中、「下北線路街 空き地」でも4月から、感染拡大防止のため、イベントを全面的に中止してきました。ただ、運営の規模を縮小しながらも、「下北線路街 空き地」という場自体はほぼ毎日開放しています。

「下北線路街 空き地」として、この下北沢という地でみなさんに対し今できることは何か、そのようなことを考えながら運営を続けています。

今回は、「下北線路街 空き地」の誕生からこれまでの経緯を改めて振り返りながら、その思いをみなさんにお伝えしたいと思いました。

今に至るまで

「下北線路街 空き地」は、“みんなでつくる自由なあそび場”です。
2019年9月に開発計画が公表された「下北線路街(※)」の開発スタンスをいち早く体現する場所として期間限定でオープンしました。
※2013年に地下化された小田急線東北沢駅~世田谷代田駅間約1.7kmの線路跡地の総称

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「下北線路街 空き地」


「下北線路街」の開発スタンスは“支援型開発”

支援型開発というのは造語ですが、「であう」「まじわる」「うまれる」を支援し、まちにコミットする人を増やし、人々のまちへの愛着を醸成することで、これからも“継続的に”魅力的なまちにしていこう、という考え方に立っています。

つまり主役はデベロッパーではなく、まちに関わる方々。みなさんの「やってみたい」や「新しいチャレンジ」を実現できる場所と仕組みをつくり、みんなでまちをつくっていきたい。そのような想いから「下北線路街 空き地」が誕生しました。

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支援型開発のイメージ


この方針をもとに“まちの余白”を目指したデザインを目指し、あえてつくりこみすぎず、オープンスペースを広めにとることで、様々な活動やイベントが出来るよう設計されています。下北沢は、緑や公園が実は案外少ないまちなので、そういった場所にまちの人々が求める役割も果たしていきたいと考えました。この場を地域の方々と一緒につくっていきたい、という想いを込め、例えば飲食スペースのいすやテーブルは地域の方々と色塗りをして仕上げたりしてきました。

「下北線路街 空き地」は、常設のカフェスタンド、飲食スペース、厨房完備のキッチン、キッチンカーで営業できるスペース、イベントやワークショップ・マルシェなどが開催できるステージ付きの芝生広場と、アスファルト舗装の広場から構成されています。

常設のカフェスタンドと飲食スペース以外はレンタルスペースとなっており、短時間からお借りいただけるので、これまでにもたくさんの方にご利用いただいてきました。

イベントのない時はオープンな場所として、土管や芝生の上で遊んだり、地面にお絵かきをしたり、宿題したり、子供達の元気な姿が多く見られるのが印象的です。他にも、読書をしたり、お酒を飲んだり、散歩の途中にフラっと立ち寄っていただいたりと、事務局が想定した以上に、公園のように地域の方々に思い思いに過ごしていただける場所になりました。

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今できること

今年春先からの新型コロナウィルスの感染流行状況に合わせ、感染リスクが高いと想定される主催イベントやスペースレンタルも全面的に中止にしてきました。

ただ、その中で「下北線路街 空き地」として今できることは続けようと、テイクアウトを推奨しながら常設カフェは短縮営業、キッチンとキッチンカーのスペースは通常通り貸し出しを行っています。

対応には悩みながらも、事務局としてこの判断に至った理由が二つあります。

一つ目は、「少しでも地域の方の気分転換になれば」という思いからです。
不要不急の外出自粛が続く中、散歩に関しては、マスクの着用など感染予防に注意を図るのが前提ですが、健康維持のためにも散歩自体の自粛要請は出ていませんでした。


ずっと自宅にいるとストレスは知らずと溜まっていくもので、外の空気を吸うことや陽の光を浴びるだけでも、とてもいい気分転換になります。

「下北線路街 空き地」は幸い室内空間ではなくオープンスペースであるため、マスクの着用やソーシャルディスタンスを保っていただくことで、感染リスクを最小限にとどめつつ、みなさんに必要な「ちょっとした気分転換の場所」として貢献できるのではと考えました。


二つ目は、「飲食事業者など小商いの方々を支援したい」という思いからです。
新型コロナウィルスの影響により、たくさんの事業者が苦しい状況にあるのはみなさんもご承知のことかと思いますが、飲食事業者もその一つです。飲食事業者の方々はそれぞれにテイクアウトやデリバリー販売をスタートしたり、キッチンカーによる移動販売をスタートしたりと、この状況下でできる形を模索され、様々な対応を取られています。

しかし、中にはご自身の店でテイクアウト販売するのが難しい事情がある、外出自粛により人の往来が減っていて店頭では売り上げ確保が難しい、など様々な問題を抱えている事業者もいらっしゃるため、こうした小商いを営む方の商品の販売に使える場所として、「下北線路街 空き地」を提供することが、僅かではありますが経済的かつ精神的な支援につながるのではないかと考えました。

下北沢という地は、個性的な飲食店や小商いがまだまだたくさん残っているまちです。このようなお店が残っていることが下北沢の魅力の一つですし、その文化を未来に引き継いでいくことがとても重要だと思います。今だからこそ「下北線路街」で掲げているスタンス“支援型”をしっかり体現してきたいと思いました。

空き地のこととは少しずれてしまいますが、そのような思いもあり、「下北線路街」の運営事務局で、下北沢エリア限定のテイクアウトサイトを立ち上げました。詳細は公式ページをご覧いただきたいと思いますが、少しでも飲食店と地域の方を繋げ、飲食店の方を支援できたらと思います。(本当は、配達員を店舗同士でシェアする下北沢版UBER EATSのような、デリバリーの仕組みとセットで出来れば良いのですが、それまでには至っておりません。)


以上二つの理由と、「下北線路街 空き地」のオープンスペースという特徴を踏まえた感染リスクを天秤にかけた結果、感染対策を実施しながら、出来る範囲で「下北線路街 空き地」の運営を続けよう、と決めました。

とは言っても、なかには「下北線路街 空き地」での人の密集を心配される方もいらっしゃると思いますし、運営するからには感染リスクはゼロではありません。

ですので、運営しながらも日々状況に合わせ、遊具と化している土管の封鎖を実施したり、注意喚起の貼紙を増やしたり、飲食スペースの席を減らし、間隔をあけるなど、感染拡大のリスクを最小限にするような対応を継続して実施しています。
根っこの部分である運営スタンスは保ちつつも、臨機応変に日々対応していきたいと思っています。


最後になりますが、正直な部分でいえば「下北線路街 空き地」も全面閉鎖した方が収支的には改善します。
ただ、昨年9月にオープンしてから、地域の方の日常となりつつあるこのオープンな場を、また、たくさんの事業者さんにご利用いただいていた経済活動の場を閉じるべきではない、そのような思いで今に至っています。

繰り返しになりますが、「下北線路街 空き地」として今できることは「地域の方の日常に寄り添うこと」と「下北沢の文化である飲食事業者や小商いを支援すること」だと思っています

緊急事態宣言は解除されましたが、まだまだ、コロナの問題が収束したわけではありません。これまで書かせていただいたような対応を今後も続けていき、たくさんの方に、笑顔でお越しいただける未来を信じながら、アフターコロナの社会でも魅力的な場であり続けられるよう、様々な準備を進めていきたいと思います。



文/下北線路街運営事務局 編集/散歩社

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