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人が死ぬ理由-それは男と女だから

男女の違いについて書いていますが、決して男女に優劣があるわけでなく、男女はただ違う存在であると思っています。男女が違うのには理由があって、どちらも必要不可欠だから存在しています。よって争う必要はないという考えのもと書いています。


1.生物の始まりは無性生殖

最初の生命が誕生しておよそ20億年は性がありませんでした。1つの個体が単独で新しい個体を形成していました。つまり遺伝子組み換えのないクローンを生成し、全生物は自分自身のコピーを生んでいました。

今も無性生殖を行なっている植物や細菌があり、増殖方法は4種類に分類されます。
1.アメーバ類(イソギンチャクなど)は体を二等分して増殖する
2.ヒドラ類(コウボ菌、サンゴ、ホヤ)は体が膨らんだ部分を分離する
3.植物類(イモ、むかごなど)は自らの栄養器官を分離する
4.胞子類(カビ、キノコ、海藻など)は胞子を撒いて増やす

たとえば大腸菌などの細菌類は栄養があるかぎり分裂を繰り返し、無限に増殖します。分裂の限界がなく、特異的な環境の変化が起こらないかぎり死ぬこともありません。無性生殖の生物には「死」が存在しませんでした。

ところがある時点から、自死の仕組を持つ生物が現れました。その生物は相違点ある2セットの遺伝子を持っていました。男女の誕生です。

(静岡県総合教育センターより)


2.性の発端

植物には雄しべと雌しべがあり、動物には雄雌があり、人類には男女があります。ですがなぜ性ができたのか?どうやってつくったのか?については定かではありません。神秘的な性の謂れは数々あり、これは私の推測ですが…

キリストの創世記にはアダムの脇腹からイブをつくったという神話があります。ですが体内で子孫をつくることができるのは女性の機能なので、女性の身体システムが本来ではないかと思います。

そして体内で男性ホルモンも女性ホルモンも両方生成できるのは女性の身体機能の特徴であり、そのため男も女も生むことができます。どのように性が決まるかについては人類の解明では及びませんが、私自身が知る話では、胎児がある一定量以上の男性ホルモンを浴びると男性の生殖器が形成され、ある一定量に満たなければ男性の生殖器が形成されない、つまり女性の生殖器を形成するという説もあります。

また遺伝子の形態を見ると、女性はX染色体が2対で1組×23対あります。対して男性は最後の23対目の染色体の片方だけが、X染色体ではなくY染色体になっています。これが変異なのかどうかわかりませんが、必要があったから、あえて相違のある種をつくったのだと思われます。

男女の染色体の違い(23対目)


3.有性生殖のはじまり

有性生殖で生まれた個体は、遺伝子の23対セットを2セット持っています。そこにどのような仕組があるのかわかりませんが、遺伝子をいったん混ぜこぜにして、1セット分の遺伝子を生殖細胞におさめます。

私たちは母親のコピーではなく、父親のコピーでもありません。2セットの遺伝子を掛け合わせた“進化系”として誕生しています。そのため遺伝子のバリエーションが豊富になり、多様性を持ちます。

生命体が発生してから、地球は何度も巨大隕石の衝突で全生態系が崩れるような、大規模な環境の変化に見舞われています。また、何億年も地球が凍ってしまう全球凍結を経験しています。ですが多様性であれば、変化に対する抵抗力や適応力を持つ個体が生まれる可能性があり、生物種の全滅を防ぐことができます。

私たち人類を含む生命体は、こうして“進化系”の子孫を作り続け、36億年間存続してきました。

(ウィキメディア コモンズより)


4.死は有性生殖から始まった

ところが…
サイエンス雑誌のNewton「死とは何か」に、死と性のことが掲載されていました。そこには「死は有性生殖からはじまった」と書かれていました。
引用します。

有性生殖にはプラスの面とマイナスの面がある。
多様な遺伝子を持つ個体は、さまざまな環境に適応できる可能性があるという点ではプラスである。しかし、遺伝子の異常な組み合わせが出現してしまうというマイナスの可能性もはらんでいる。

遺伝子を2セット持つ個体は、片方に異常があったとしても、もう片方が正常であれば成長できることがある。そうすると、異常のある遺伝子はそのまま生殖細胞に含まれて、子孫に引き継がれる可能性が出て来る。
結果、異常のある遺伝子が消えずに子孫に蓄積していくと、いつか正常な個体をつくり出すことができなくなる。

そこで登場するのが「死」である。

Newton「死とは何か」より


5.生物による究極の選択

●無性植物のようにクローンを生成する場合、延々と生き続けることができる。ただし、大規模な環境変異が起こったとき、種そのものが絶滅してしまう危険性がある。

●有性植物のように進化系を生成する場合、大規模な環境変異が起こっても適応する力を備えている。ただし、正常な種の存続を守るため、古くなった個体は自死する。

もしあなたがこの選択を迫られたとしたら…
どちらを選ぶでしょうか?

私たちの先祖は後者を選んだ。人類という生物種の正常を守るため、そして子孫を存続させるため、古くなった個体は死ぬ必要があるのです。


6.長生きの条件

日本は世界一の超高齢化国ですが、長寿とは言い難く、医療の力で生かされているところが大きいように思います。加えて少子化もあり、70代80代の方々が延々と政治権力を握っていたり、何歳になっても社会的地位にとどまっている風潮があります。また、高齢者にかかる莫大な費用が、次世代の若者たちの人生に重くのしかかっています。

私たちはそろそろ、政府が解決できなかった少子高齢化に、ひとりひとり向き合わねばならない時に来ていると思います。若い人たちの人生を妨げないよう慎ましく生き、健康保険や年金など税金を当てにせず生きていくすべを見出し、自立した生き方をせねばなりません。でなければ、自然淘汰に身を任せる方が、生物として理に適っているのではないでしょうか。

私たちがもし自分のことだけを考えるなら、長生きは良いことかもしれません。ですがもう少し視野を広げて「子孫の幸せ」や「生物学的な価値」で生命と向き合えば、死ぬことは決して悪ではなく、全体の幸せのために自然なことであると思えて来ます。医療は常に“命を救うこと”に全身全霊で取り組んでいますが、決して“みんなの幸せ”を考えているわけではないんだなぁと、改めて思いました。



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