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推しにまつわるグッズ(いえ)がほしい。つくるか。

 こんにちは。こんばんは。おはようございます。

 ホラー、お好きですか?私はかなり好き。インターネットは空前のホラーブームで季節を問わずなんやかんやあって最近とても居心地がいいです。苦手なひとは本当にイヤだろうなあと思います。ジャンプスケアは私も苦手です。不意打ちはギョァってなる。

 はいはいまたホラーねもういいよ……って言われてる気がする。でも素直に自分と向き合ったら深層心理やら無意識の感覚やら年齢の色々を辿っていってこのジャンルに到着しません?メメントモリ。私はそうだったんです。

 それでは、何年か前から大好きな作品を紹介させてください。
 怖い話はしません!

営繕かるかや怪異譚
小野不由美先生の最高家ホラー

 ↑の特設サイト、漆原友紀先生の描いたあたたかみあるけどちょっと怖くて引き締まる物語の風景が滲んで見えてくるそんな表紙絵の解説やお話になったモデル地域(小野先生の出身地、大分県中津市)のマップ(大島てる風)もあって聖地めぐりもしたくなる。
 ただ怖いということを言うのではない、様々な面からのアプローチの仕方がとっても素敵。
 あと言葉のプロの方々からおすすめコメントがめっちゃ載っているのでサイト飛ぶのが本当に近道。そして小説読んでもらえたらもう願い叶ったりなんだわ。

 ただ、私は色んなところを寄り道しながら路地のひとつまで街をウロウロするお出かけが好きなので、中津(聖地)を歩き回ってご飯をめいっぱい大食いしたりしたい。という気持ちと家って大事やねを抱きながらこの本の紹介をしていきたいと思います。一緒に寄り道してってください。
杵築(コミカライズロケ参考地)も行きたいです。

現在3巻まで出てる!文庫は2巻!
一話短編オムニバス形式だからどこからでもすぐ読めるよ
「怪と幽」14号(8/31発売)でなんと最新話が読める
やばい 手汗かいてきた

 作者は小野不由美先生、十二国記や残穢など数々の超作品を描き続けていらっしゃいますよね。有名だから私が色々言わんでも名前知っとるでしょ。そんな小野先生の今を描くホラー、読みたくないですか?

 ホラージャンルに登場する人物って生い立ちとか、生活環境とか、追い込まれている人が自分でも自覚がない不安や社会からのプレッシャーに苛まれている人が多くて(例外もあるけど)さらにそこに怪現象と死による選択肢の無い追い打ちであ~残酷やったね……のオチが多い中(私はそっちもとても好き)で、かるかやは営繕業(大工さん)を営む尾端さんが家に纏わる怪現象に懐疑的な印象を持たず向き合ってくれる。

 狭まってしまった視野を別視点から少しだけ広げてくれるから、なんだか心象良くないなと感じていた風景や暮らしがスッと、そんなに悪くないかもなと変化していって、住人の心に溜まってしまったズレた蟠りを解決の糸口がみえる方向に導くとても心地良い作品です。(例外もあります)
 
 加藤和恵先生によるコミカライズ化もされてて、漫画も本当にいいんです。本棚に余裕があったら本の形で手にしてほしすぎる。文章読むのはちょっと気合いるなぁ……とか家ホラーって建物の内装がよくわかんなくて難しそうかもって方にはコミカライズもおすすめです!漫画はKindleとかでも読めるよ!おばけにきちんとビジュアルがあるのでこっちはこっちで怖いけど。尾端さんがスポーティでかっこええ。強い、でも暴力に振らない、かっけぇなぁ。

 読むだけで、日々の生活のなかで「ああ、ここはこうした方が少しは息抜きできて気が楽かも……そうしちゃおっかな~」と思えるようになる。

 ほんの少しでも改善できるならやってしまおう。の一歩をつくるきっかけの物語。
 “生活”の物語なんよ。
 こんな回りくどい説明より読んでもらった方がきっと早い、読んでみてほしい。



 で、ずっと好きだったので身近なホラー耐性がある人に「ほんま、良くて……」とお勧めしたりしてる。もう大方近場の人にはオススメしおわっていて……あとなにしたらええんや。

 自分を含むひとのメンタル面の柔らかくて大事にしたい部分と繋がってる感じがしているので、アイドルやアニメや漫画作品のようにこれがね~すきなんですよ~と話題に持ち上げるのが私には難しくて、そういう嵌り方じゃなくて密やかに好きでもいいだろって意見も、もちろんわかるんだけど!なんか軽々しく言えんなってなってて!

 おろか者なのでとにかくこの蜃気楼みたいに掴めない存在を手におさめていたい。偶像を手に入れたいんです。という気持ちがここ近年ですこぶる高まってしまったわけである。公式から出てるグッズがなくて!ほしい!!

〈そして行われる数々のオタクの集い〉
・聖地(大分県中津市)の食材を集めて食らう
土地に根付く料理を食べたらその土地の人となりが少しだけわかってくるような気がする
・近所のスーパーで産地が大分って書いてあったらとりあえず買う
九州って醤油がうますぎてタレ類全部うまい
・同名うどん店(手打ちうどん・そば かるかやさん)でうどんを食う
名前が同じで喜んでいるだけで小説とは無関係のお店です
・コップ付きの水筒を使いだす
尾端さんが使っています
・大工さんの使う工具や作業器具のカタログをもらい眺める
元々なんでも揃ってるカタログ見るの大好きだから楽しすぎる
・大工工具館に行く
神戸にあります。めちゃ勉強になる!おすすめです。竹中大工工具館https://www.dougukan.jp/
・二次創作グッズを錬成する
勝手に作って自分で使用して喜んでいるだけなのでどうかスルーしてください


鱧と中津からあげとだご汁がうまいらしい
ので食うの会
中津からあげは全国でいろんなお店が出店してるらしいよ!お近くのお店で食べまくろう!

↑サイト様にて通販しました。商品眺めるだけでも楽しい。でっかいお肉もいっぱい載っている!
 作中に出てる外郎饅頭とかご当地お菓子なんかもこれから食べたい。
やることいっぱいあるわ。

X(Twitter)で検索かけると絶対出てくる
「かるかや」うどんを食うの会
東京で食べれる讃岐うどん。
美味しかったのでオススメです。
やすい、はやい、うまい。


コミカライズ、トラックや工具を存在させてくれて
ありがとう
最近は大工工具モチーフグッズを集めている
フォロワーさんから
尾端(尾花)さんネイルカラーがあるよ
という存在を聞きつけ急ぎコンビニに走り買う




 そしてかるかやにまつわるもっとこう……家、そう尾端さんが営繕を施した家がほしい!
と息巻いた私は古民家を買いDIY(暗示をかけて自分で修繕)

……とはならなかった。

 現実的にも金銭的にも考えてちょっと生活が無理っぽいなとなったのである。現代社会でギリギリに生きる脆弱身体にはちと厳しいかもと予想できる。決意が足りないのである。

 今の住居にはめちゃ不満があるんですけどね。押し入れの上、雨漏りしてるっぽいからさ。

 暴雨の度に部屋と部屋の隙間のどこかから水音がするんですよね。寝てる時に気になる。怖い。
尾端さん、どうかこの部屋も直してくださいませんか。


 実際、上階のトイレの配管(上水管)が壊れて天井落ちてきて修繕してもらったしさ。

 職人さんが6人来てトイレの天井に穴開けられて
「今日は無理っすねぇ……」
と帰っていった時は面白くてつい友人LINEに投げた。

 天井に穴が開いている時のトイレってすごい不安になるんよ。

変色して撓むトイレの天井
穿たれたトイレの天井。このまま一晩そのままだった(その間も水漏れていた)
雨漏りハウスで下にバケツ置くアレが見れた。
懐かしの風景。
さらに穴が広がったトイレの天井。
家の構造がよく見える~。
なろう!じゃないよ
べニヤ板で一旦塞がれるトイレの天井


 でも2日ですっかり元通りに直してもらったので本当に感謝しました。工事業者の職人さん、その節はありがとうざいました。

 業者さんの様子見学させてもらって(配管や壁面の説明などもしてもらった。親切だ~)

 はいはい、尾端さんの道具ってこんな感じね?作業の流れなるほどね!分かりやすい!ほぉ!と思っていました。腰袋ってナイスアイテム……。



 で、生活がめちゃめちゃになりながらもかるかや関連の家がほしいを手軽に叶えるために辿りついた苦肉の策が

ススキ(茅葺屋根の素材)で家(蛍籠)を作ろう

である。

 蛍籠とは、そのままホタルを捕まえて入れておく虫カゴのことです。

 私は知らなかったんだけど中津周辺の民宿を調べてる時に蛍籠作り体験をプログラムに入れている宿があって気になって初めて知りました。

 場所によっては、小学校で地域交流とか授業で作ったことある〜!って人もいるのかな。

蛍籠、色んなところが開いていて
ホタルを捕獲した後に
保持し続ける気がない感じが最高に良い

Q:なんで蛍籠?
A:ホタルが好きだから。カゴの形が美しくて好きだったから。
建築の知識は無いんだけど、構造が単純そうなのにシンプルな建造物の美学があると思ったんだよなぁ。
古民家日本家屋もビスを打たずに木の素材だけで組み立てるじゃないですか、あれに憧れがあってさぁ。

Q:なんでススキ?
A:かるかや+おばなの元ネタだろうなぁと思ったからです。幽霊の正体見たり枯れ尾花のおばななの?よすぎるやん……と思っているから。
(小野先生は加藤先生との対談で意味合いはそぎ落とされて名前だけが残っていると語っています。ので、勝手に尾端ってススキってこと!?と言っているだけです)

 植物(一つの素材)だけを使って一筆描きのように作ることができるという点もとても美しいと思ってさぁ。(後にこの美学に苛まれる)

 検索をかけると、職人の作った美しいやつが見れます。作りたい人はYoutubeで検索かけると親切な方が作り方を映像に残してくださっているのでそれ見て作れます。

 ホタルのおうちを作ったら間接的に満たされると思ったわけなんよ。
 それから、作品の中でその季節に咲く植物がたくさん出てきて心に残るので、植物に関連した何かを作ってみたくて。

 ホタルのおうちをつくるんだ!


 そうと決まればススキをゲットしに河川敷に向かうか……

よくある河川敷
お花が咲いていて長閑だね
いっぱい生えてる。
ちょうどいい感じにからっと枯れている。
カゴが作れる分だけ
茎の部分を持ち帰り
作る過程で湿って柔らかくなっていること
が前提だったので水に浸すことに
私より湯船につかる茎


柔らかくなるまで水に浸し(触ったら堅かったので一日置いた)さっそくカゴを作っていく

バキボキに折れる茎
詰まっているのでカゴに不向きな茎

竹みたいに節があって曲げたいところで曲げられない
茎の内部が詰まっていることがあり、刺して継ぎ足すことができない
(作る過程で茎をどんどん継ぎ足したい)
・そして堅い。裂けたり折れてしまう
・たまに虫が住んでる(家を奪ってごめんな虫よ)
 
 だめだ。上手くつくるのが無理っぽい。
 作り方もっかい見てみるか~そもそもススキで作れるのかな。
(蛍籠自体は大麦の茎で作るのが主流らしい。後で気づいて早く知りたかった。)

そして検索をかけて知る事実

私がススキだと思っていた植物、ススキじゃない


オギ:(荻)イネ科
多年草。ススキに似た大形
の草で沼、沢、河原に生える。
地下茎の節
から単性密な群落をつくる。
ススキよりでかい

ススキ:(薄・芒)イネ科
多年草。原野
にそう生して株立ちで生える。
芒(ノギ)(ふわふわのとこから長い毛、みたいなやつが生えてる)がある。
山林を伐ると生える。平野では日本庭園にて植生されているものを主に見ることができる。

 オギ!?
 
私が何十年と、あぁ、秋の河原で川の風に吹かれて風流だなぁと思っていた植物、もしかして全部オギ?おぎやはぎしか知らんのよ

 
確かに節がやたらとあるし、生えていたのは下流域の河川敷(やや砂っぽい土地)だし、生えてるサイズは2~3mくらいあった。ひとつ採ろうと引っ張たら土の下で繋がってるような感じで何本かついてきたし……
 穂の部分(芒の有り無し)や葉の縁の質感を比べるとより分かりやすいみたいだけどたぶんこれ……オギじゃん……
(きちんと調べてないからさらに細かく種類が違う可能性もあります)

河原のオギ
河原のオギ


こちらはススキ
(緑地園で確認して撮影しました)

いやいやわかんね〜〜〜
一緒に見える〜〜〜

 本末転倒祭り。
 私が生まれてから見てきたススキ、ススキじゃなかったんや。

 ひらぺったーい海抜0メートル盆地平野で育ちし者、イラストでしかススキを見たことがなく、蛍籠つくるべ~と思わなかったら今後も気付かず過ごしていたので似た植物を永遠にススキと思い生きていく可能性があった。

 もちろんですけど平野でもお近くに生えている植物がススキの場合もあります。私の住まうエリアがたぶんほぼオギだっただけ

 ススキでなかったらもう意味なくないか?というか趣旨がぼやけてきてる気がする。

 けど既にどうしてもとりあえず蛍籠を作りたいに気持ちがシフトしていたためホームセンターで稲の長わらを買い作り直すことにした。


天然わら(稲)
園芸、ガーデニング、ホビー以外で使用しないことが注意書きされていた
蛍籠はホビーでいいだろう
他のホビーって何だろう……藁人形?


柔らかすぎたり使いにくい茎が多いので選りすぐりながらつくる
乾いてくると曲げにくいので水に浸さないと乾燥時間と良茎選別のバトルになる
かなりガタガタになってしまったけど……まあよし!


 youtubeで作ってる方の手元が見れるのでそれ見ながら作ったんですけどね。単純作業なのに全然上手くいかず……不器用すぎて泣いたりした。
 蛍籠づくり、奥が深いよ。

何個か作って蛍籠村にする


ホタルは近所にいないし
そもそも捕まえるのが可哀想なので
夜はLEDライトで照らしてみたりした
ええやん……

 
ここで新たな願いがうまれる。

でかい蛍籠の中でかるかやが読みたい

 変なこと言いだしたな。私もそう思います。

 でも、でかい蛍籠つくって中に入ってそこでかるかやを読んだら素敵かもって思っちゃったんだ。

 よし、もう、つくるぞ。

・材料を集める

 できればでかい藁、中が空洞になった茎がほしいけど、現実の植物ではたぶん無理だろう堅すぎるから。私の貧弱腕では曲げられない気がしすぎる。

 
構造上でかくして再現できるならもう私以外のプロによってこの世に存在しているんだと思う。(後で調べたら竹で作ったでかいやつがしっかり存在して祭りまでやってた。だよね~)

 でかくなったらどこかに綻びがうまれてくるんだろう。

 そんな失敗の気配を感じながらホームセンターに行った。ホムセン、ほしい物ほんとに何でもある。
 

 丁度いいものがあった。パイプ管の凍結防止スチロールカバーである。これなら曲げられるし軽いんじゃない?

 ホムセン店員さんに「これ水道管を保護するやつだよ?こんなにいるの?」と訊かれた。いりますください。

一本2mくらいある。これを担いで自転車で帰った。
道路が広い街でよかった……


適当なサイズでカットして中心の軸をつくって

 
 ワラ同様に差し込みながら組んでいくんだけどでかすぎて重さに耐えられずへにょへにょに倒れるスチ蛍籠。

繋ぎ目もいつの間にか外れてしまう
縛ってみたり貼り合わせたり悪戦苦闘である

 スタート時は部屋が狭すぎてスチロールも絡まり続け、全く上手くいかないのでずっとキレていました。あとパキッと曲がらないからイメージと違うんだよなぁ。
 現実に存在させるのって本当に難しいね。大きくなっただけで面倒くささが急上昇する。

 蛍籠って小さい方がいい。

 途中で極太針金を骨としてスチロールに仕込みながらなんとか上まで組みあげる。針金に接着剤、水性塗料、テグス、つっぱり棒、ありとあらゆるものを呼び寄せて最初に一つのものだけで作り上げる美学が~と言っていた部分を全てみなかったことにして……

できた!!!!


 せっかくなので景色の綺麗な夏の夕暮れの中で、蛍籠に入って、かるかやを読んでみたい。
 このスチ蛍籠をいい感じの場所に運び、蛍になりきって願い、叶えさせてもらいます!


あ……小さ……

妹に見せたら「うんちのオブジェ?」と訊かれた。
実際外に持っていったらハエがとまったのでそうなのかもしれない。

ちっさくない?

 ちっさいな……

部屋で作ってた時はとにかくでかくて邪魔だなと思うくらいだったのに……めっちゃ小さいわ


持ち運びのために玄関通した時もでかくて出せない無理かも……。と思ったのに……めっちゃ小さいわ


一応入って読む努力はした

本を開けるスペースすらない



足元まであと半分以上作らないといけなかった


 こうして私の夏は終了しました。

ひと夏の終わりに残る何かがあるから夏っていいんじゃんねえ……そういうことにしようと持ち帰る時にツクツクボウシが鳴いてて哀愁あったわ。

 プロってすごいんだ。誰かの努力と矜持で生活の秩序って保たれているんだ……と、手を動かして久々に思い出すことができました。

 晩夏、この先も上手くいかなさを受けとめて生きていく。今の部屋も掃除ちゃんとして、メンテナンスしながら大事に過ごしていきます。

 スチ蛍籠はかるかや読書時のソファとして新たな道を歩んでもらっています。ハンモックみたいでこれはこれであり。


 尾端さんが営繕した家が今後グッズ化したら教えてください。よろしくお願いします。みんなかるかや読んでください。



〈おまけ〉

 お面用に作った蛍。ちゃんと光るようにしました。

ヘイケボタルをイメージしてました。



 中途半端に余ったスチカバーを使って5分でムーミン谷のニョロニョロを作りました。

かわいいね


おわりです。


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