「見通しの良い生活」への道:生活マントラ<その1>
◼️生活思創<シーズン5>
副題が生活マントラです。マントラとは、サンスクリット語で「文字」「言葉」を意味する。日本では真言と表記されます。一般には宗教的な瞑想のための短い言葉が該当します。
また、「チベット生と死の書」(ソギャル・リンポチェ:講談社)では、誰でも実践しやすい瞑想法として3つが紹介されてます。①呼吸を見つめる、②対象を用いる、③マントラを唱える。マントラは、唱えることで誰もが意識の集中を高め、瞑想状態に入ることができるツールの役割を持っているようです。この辺りを起点に<シーズン5>の生活思創をしていこうと思います。
マントラは宗教系の用語ではあるのですが、今回はそこから越境して、生活マントラという言葉を創出しました。このシーズン5では以下のようにマントラを区分けしてみます。
大元のマントラを宗教マントラとして、信仰への意識の集中のために習慣的に口ずさむ言葉。そして、生活マントラが、個人の人生信念に集中するための習慣的に口ずさむ言葉。宗教マントラが死生観に向き合うものなら、生活マントラは価値観に向き合うもの、そんな対称性があると試考します。
図表187は、<シーズン5>のテーマ、生活マントラの居場所です。また、宗教での曼荼羅(マンダラ)図というのがあって、これを生活に拡張したものが生活曼荼羅図にしています。
ちなみに、生活曼荼羅図に近しいもので有名なのは、MLBの大谷翔平が野球人生の目標をマンダラートで行動にまで落とし込んだものです。これは生活曼荼羅図の一つの参照になります。
娘「マントラって呪文みたいなやつ?」
父「まあ、そうとも言える。自分にかける呪文かな」
娘「そっかー、自分を魔法にかけて変身させるんだね」
父「いや、逆。魔法にかかってしまった自分を魔法から解くための呪文がマントラだろう」
娘「おおー、カエルの王子様が自分で自分を王子に戻せるのか、すごいけど、王女の出番がないじゃん」
父「ファンタジー世界なら、そうだ。こっちの世界では、王子も王女も信念という魔法にかかっているから、マントラを唱えて、素の自分に戻そうするのさ」
小生の意図は、「生活マントラ=習慣的に使うフレーズ」、「生活曼荼羅=習慣的に眺める行動指針」で生活思創となりうるかを試みたいのです。また、これは「生活マントラ」と「生活曼荼羅図」の2つが相補性を持っていることを想定してます。生成AIにその辺のところをサクッと整理してもらいましたw
生成AI曰く、生活マントラは「内なる羅針盤」だって。そして、生活曼荼羅図が「目標達成のための地図」か。上手いこと言うねw この生活マントラと生活曼荼羅図が目指すものは、「見通しの良い生活信念」の実現です。そして、実現とは、生活現場での望ましい行動の定着です。
生活の「見通しのなさ」を感じるのは、今までの生活信念が変化する環境とずれていくからです。このズレの違和感に、「見通しの良い」生活を目指すことになるのですが。
なんと言っても、今までの信念(例えば、子供は学校に行くべし)を、これからの「見通しの良さ」がある信念(例えば、子供は今に没頭して生きることが重要、とか)に変えるのは、頭ではできても、刷り込まれた今までの信念は、常に不安(これでいいの?)を突きつけてきます。
生活マントラや生活曼荼羅図は、その寄る辺なく見える新しい生活信念を日々の現場に定着させるサポート・ツールになります。
◼️まずは生活マントラから始めます
ということで、<シーズン5>は生活マントラが中心テーマです。題して「見通しの良い生活」への道。たぶんこの先に<シーズン6>っちゅーのがあって、それが生活曼荼羅図になる・・・予定です。気分次第なところもあるので、あくまでも予定です。
では、本題へ
生活マントラが新しい信念の定着のための言葉だとすると、口癖が従来の信念を強化するための言葉になります。つまり、口癖と生活マントラを対峙している関係に見立てるわけですな。
小生が生活思創の〆に書く「Go with the flow」も生活マントラの一つです。実は、心の奥底には、いまだに「Don't go with the flow」と思ってしまう自分がいるのです。「まあ、波風立ってない生活なら、このままでもまだいけそうじゃん」みたいな、ありがちなオイラw。
しかし、その先にある人生を「見通しの良い」ものにしたいとも願ってはいるのです。そのためには、今の生活での違和感を加工しないまま取り込む必要があるとも、心の奥底では感じているのです。奥底限定ではあるが・・・。
「自分、Flow(運命を感じる流れ)に身を投じろ!」、「自分、無責任なことをいうな!」みたいな奥底と表層のWスタンダードでしょうか。生活マントラをこまめにつぶやき、もっともな言い訳ばかりする表層のオイラに奥底の声を聞かせているのだ!
・口癖:新しい環境と、今までの自己認識のズレに葛藤を感じた時に、口ずさむであろうフレーズ群(表層の「私」を代表しています)
・生活マントラ:新しい環境認識に沿った「見通しの良い」生活を実現させるように、今までの自己認識を新しい自己認識に変容させるように「ゆらぎ」を与え続けるフレーズ群(奥底の「私」を代表させようとしていますw)
◼️口癖から生活マントラへ、を試考する
今度は、この生活マントラの取り込みをプロセスとして見ていきます。まずは、AIでその叩き台をだしてもらいました。
4つの段階が提示されました。これだけだと、直線的なステップに見えますが、第2段階と第3段階が重いことは明白です。なので、そのウェイト違いを図表で可視化してみます。
自己変容の開始→自己変容への実践→自己変容の確立、みたいな大きな器に人生を拡大していくのが理想の姿です。しかし、そうそう簡単にいかないのです。発達理論では、自分の人生信念が入れ替わるには最低でも5年ぐらいかかるって話なので、スイッチ・ポンであとはお任せ、なんていうのは望むべくもありません。ええ、だからこその生活マントラでの習慣化なのです。
◼️信念移行の第一段階からの眺めからスタートしてみよう
では、「自己認識の向上」と題された第一段階の解像度をあげてみます。最初に今の口癖群を類型化してみます。人の口癖の分類にも幅がありそうなので、AIに提示してもらいます。
生成AIからは8つの要素が出てきています。ここでは生活マントラのスタート地点を特定したいので、8つを起点にするには多すぎますな。よって、扱い易くするために加工します。8つの要素間の関係性を見えるようにしながら、要素数を圧縮します。これら8つを4つに再区分して、マトリックスで表現したものが、下図の191です。
口癖には断定的なものもあれば、ボソッとしたつぶやきっぽいのもあります。定番の愚痴もあるでしょう。自分の信念と環境とのずれへの反応には強弱がありそうなのです。なので、信念意識の強いー弱いを一つの軸とします。
また、反応のスピードもあります。口癖が態度や行動の前触れのように、即決・即断してしまうもの。この逆に、口癖によって時間を稼ぎ、反応のスピードを遅くするようなものもあります。なので、こちらを反応までの時間を軸にして、長いー短い、で設定してみます。
・今までの信念を押していく判断系の口癖(左上)
「素晴らしいね!」、「できるさ!」、「いい感じ!」、「無理だ」、「またか」、「いつもそう」など。
・今までの信念を隠す方向うの保身系の口癖(右上)
「たいしたことないです」、「まだまだです」、「お手柔らかに」、「うーん…」、「考え中…」、「つまり…」など。
・今までの信念と環境を分離させる両立系の口癖(右下)
「どう思う?」、「本当に?」、「それはどういう意味?」、「もしかしたら…」、「やれるかな…」、「わからないけど…」など。
・今までの信念と別の次元の話にする転換系の口癖(左下)
「そう来たか」、「話は変わるけど…」、「まあ、いいか」、「なんてね」、「おいおい」、「またまた〜」など。
◼️4つの生活マントラを試考していく
さて、やっと<シーズン5>のスタートラインに着きました。
口癖もそれなりに意味があります。自分と環境のガチなぶつかりの中で今を生きている証左でしょう。今持っている生き方の信念だって、それなりに機能してきたからこそ硬質なものになったのです。
しかし、世界と強い違和感が感じられるなら、新しい信念の模索期です。口癖で現状維持を強化するのはそろそろおしまいにしたい。ならば、進んで新たな「見通しの良さ」を目指すのです。そこでの生活マントラは、今までの信念をほぐして中庸化させることができるツールになってくれるのではないでしょうか。
もう少し具体的に書き込みます。小生自身がここに記号接地できていそうなものを図表にも書き込んでみました。「私の生活マントラ」です。
判断を中庸化するものに、小生の中で近いのが「試されている」ですかね。自分と環境の直面するギャップに対して、肯定も否定もしないための生活マントラです。
保身を中庸化するのに該当しそうなのが「一発で仕留めない」です。何回かかけて向き合っていこうよ、ってな言い聞かせです。せかし易い自分を戒めます。時間的な葛藤を吸収しようという生活マントラです。
両立の中庸化に近いのが「折り合いをつけていく」。まさに両立を言葉にすることで、混ざらないものを混ぜるんだなって覚悟を言葉にします。
そして、転換を中庸化するのが、先にも出した「Go with the flow.」でしょう。とりあえず自分から巻き込まれていく、とりあえず自分からは抗わない、そんな自己予言的成就を期待しています。これも生活マントラでしょう。
娘「私にも口癖ってあるのかな」
父「『あー、そうですかそうですか』とか『ウザメン』とか言うよ」
※ウザメン=ウザくて面倒い
娘「でも、出ちゃうよね、だから、口癖なんだけどさあ」
父「口癖はそのままでいいから、それを和らげる別のフレーズを作ればいいんだよ。『面倒臭さは生きている証』なんてのはどう?」
娘「説教クサ。うーん、私なら『世界に呼ばれてる』かな」
父「いいねえ、さすが小説家目指しているだけあるね。俺もそれ使おうかな」
ということで、生活マントラの4方向を設定してみました。それぞれに、生活マントラってどんな組み立てになるんかな?、と押し込んでみるのが<シーズン5>です。
本当に押し込めることができるのかな? 「試されている」w
Go with the flow.
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