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走り書き

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詩にもなりきれず、小説の一節にもなりきれなかった、フィクションなのかノンフィクションなのかもよく分からないかけらたちを置いておく場所
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#恋愛小説

えくぼ

小さなバーカウンターに座る貴方を見つけ、胸が高鳴る。まさか会えると思わなかったタイミングで。貴方に会うのはどれくらいぶりだろうか。無策のまま、指先で肩に触れる。
振り返った貴方はいつものように、おお!という表情になる。

伝えたかったことは数多あれど、勢いに任せて声をかけてしまい言葉が出ない。震えそうな声でなんとか一言搾り出す。

お久しぶりです。

その後に続く言葉が見つからない。「そういえばさ

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