「関係案内所」もみじ

メンバー:石川 快、高橋 優誠、水口 由菜、渡辺有咲

はじめに

 我々は2023年度の山崎翔講師による観光経済論を履修し、受講者から無作為に決められた関係案内所(グループ)「もみじ」である。
 以下は、本講義を通して考えた「関係案内所をつくること」とは何かについて考えたものである。

授業を通してみえてきた「関係案内所」

 そもそも「関係案内所」とは何だろうか。この授業を履修し、ガイダンスでこの言葉を初めて聞いたときは、一体何を指す言葉なのだろうかとぼんやりしたまま授業を受けていた。自分たちの「母校」について考えることから始まり、新型コロナウィルス感染拡大によって自分たちにとってこの大学があまり「母校」のような印象を感じられていない現実を学んだ。そして講師が指す「関係案内所」という言葉に触れ、講義とSENNのメンバーとの対談の聴講、対話を重ねるにつれ自分たちのなかの「関係案内所」を構築していくこととなった。

私たちにとっての「関係案内所」

 講義やSENNの大村さん、森さんとの対話によって導いた我々にとっての関係案内所とは「大学の友人やサークルのメンバー、地元の友達などを除いた普段関わりあうことがないような人と出会い、新しい関係を築く場」であると考えている。そしてこの「新しい関係」には「偶然の出会いであるが故のなんでも打ち明けられるような関係」といった側面を孕んでいるというように感じた。観光という非日常を通して、予期せず広がる関係の輪、普段何気なく生活するだけでは起きないであろう出会いのきっかけ。それが関係案内所なのではないだろうか。

「関係案内所をつくること」

 ここまで関係案内所について述べてきたが、この関係案内所をつくるにはどうすればよいのだろうか。そこで考えたのは、この観光経済論という講義を関係案内所として機能させることである。我々は授業を通してSENNの活動を知り、自分の興味をぶつけ他愛もない会話をしたあの空間自体が関係案内所なのではないかと感じた。また、私たちは学生の身分であり継続的な出会いの場を設けることは難しいだろう。このことから、この講義で学んだことを「母校」の後輩へと繋ぐことで新たな関係案内人の媒介となること、それが我々にできる「関係案内所をつくること」なのではないだろうか。コロナ禍で思うように人との関係を広げることができなかった大学生活において、この授業でつくられた「もみじ」というグループは関係案内所として機能したと感じている。

おわりに

 以上、ここまで「関係案内所をつくる」ということに対して私たちが考えたことについて述べてきた。観光経済論という講義の中で関係案内所「もみじ」は、同じ季節の「秋」が好きという単純な共通点から名前のついたグループである。しかし、いまやその漠然としたイメージから見つけたその植物の名前は、私たちそのものを表す名前となった。最初はその名前に特に大きな印象は無かったものの、グループとして活動をしていくうちに新たな印象が生まれていった。私たちは所属している団体や趣味などの共通点は少なかったが、好きな季節だけは一致していた。その小さな共通点から始まったグループが講義やグループワークを通じて時に講義の学習を、時には雑談として知らなかった学生生活を共有し、打ち解けあい、現在まで少しずつ少しずつ育っていったのである。
 このことから、私たちにとって現在の「もみじ」というグループ名は私たち4人のグループの始まりであり、新たな関係が生まれた事を思い出させる印象深い名前となっている。
 「もみじ」は何の変哲もない4人のグループから、約半年で新たな関係へと昇華した。我々はこれから授業から離れて就活に臨み、各々違う道を歩むこととなるだろう。それでもこの先の我々にとって「関係案内所」という言葉は離れることなく、きっとまた思い出すことだろう。

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