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【小説】会わない恋

恋にあこがれる1人の女性が会わないで恋をする物語
恋に夢中な時、人は素敵になれる


第1章 神社での出会い


から~ん、から~ん。



瞳は神社にさい銭を投げてお願いした。



今年こそ素敵な恋ができますように!



おみくじを買うと大吉だった。


よーし!!!瞳は舞い上がった。


そのおみくじを神社の木の枝にまきつけるとなにやら近くにブルーの色がついた綺麗なおみくじが枝に巻いてあった。


見て!といわんばかりに太陽の光に輝いていた。
瞳は不思議に思った。



人のおみくじ?見ちゃう?いやいやそれはダメ!ダメ!ばちがあたる。
だって人のおみくじだし・・・・・・。



でも気になる。


どうしよう・・・・・・少しだけ拝見してみる?



瞳はそっとそのおみくじを枝からはずして、開けてみた。


するといきなり 「初めまして亮といいます。このおみくじを開けて
くれてありがとう」・・・・・・。「きっと素敵な瞳の女性ですね?わかります。だってこのおみくじのブルーにひかれたんでしょう?だから僕はあなたが素敵な瞳の女性だとわかります。」



えーーーーーーなんで私の名前までわかるの?



もう瞳は胸がはちきれそうなくらいドキドキしていた。



こんなことある?



するとおみくじの最後にこんな一言が、「会わないという事だけ約束してください」素敵な瞳の女性の方。



会わないなんて恋じゃない、どこが面白いの?つまらない・・・・・・。



そう思いながら瞳はそのブルーのおみくじをまた神社の枝巻きつけて帰った。



それが素晴らしい恋に進展するとは、この時瞳は予想もしていなかった。


第2章 胸のときめき


瞳は自宅に帰ったが、神社の事が気になってしょうがなかった。


あんなことってあるの?


でも会わない恋なんてつまらない。まあいいや。


翌日瞳は会社に行っても、昨日の神社の事がずっと心の奥に残っていた。


会社が終わるといつものように帰宅の途へ。


途中文房具屋の前を通りかかると、ショーウインドウの中の
ピンクの綺麗な便箋が目に入った。



えーえー、なぜこれが目に入る?私ピンクが好きなせい?



書いてみるー?おみくじ?だめだめだめ・・・・・・!



でももし私が書いてあの枝にくくったら、もしかしたらあのブルー
のおみくじの人が見てくれるかもしれない・・・・・・。


これって「交換日記」ならぬ「おみくじ日記」・・・・・・?



でもそれにまた返事が来たらどうする?



だめだめだめーーーーー!恥ずかしい!



でもこの事は2人しか知らない。そうだ、2人しかしらない事実。
書いてみる??? 瞳は昔から国語はいつも最高点の成績だった。
その為か少しは自信があった。



瞳は文房具店で便箋を購入すると早速、家で書く事にした。


第3章 ピンクのおみくじ


これってラブレターじゃない?ましてや知らない人に。
でも正義感の強い瞳は1回だけのお詫びのつもりで、このお詫びの
ピンクのおみくじを持ち神社のあの枝のところに行った。



え?ブルーのおみくじがない?ない?他の女性(おんな)に持っていかれた?


瞳は心配で心配で仕方がなかった。この心配感って何?


なんで私こんなに心配しているの?なんで?なんで?


え?ブルーのおみくじの人がどこかから私を見ている?
いやーーーーーーーーーーーーーーーー!



瞳は周囲をきょろきょろと見たが人の気配は感じられなかった。


正義感の強い瞳はとにかく見ようが、見まいが1回はお詫びしようと決めてブルーのおみくじがなくなった枝にピンクの便箋に書いたお詫び状のおみくじをくくりつけた。


「良かった。これでお詫びができた。」


さあこれで終わり。・・・・・・


でもなんでこんなにあのブルーのおみくじが気になるの?
そんな不思議な気持ちをいだきながら、瞳は帰宅した。


第4章 1か月ぶりのブルーのおみくじとの再会


律儀な瞳は、とりあえずお詫びはしたし、この件に関しては終わったと思っていた。そしてまたいつものようにOL稼業に精を出していた。



あっという間に1か月が過ぎた。



そんな時、ふとあのブルーのおみくじを思い出した。
もう1度神社に行ってみる?



ダメダメダメーーーーーーーーー!



そう思うと気になる。また自分の書いたピンクのお詫びのおみくじは
ちゃんと読んでもらえたろうか?まだそこに残っているだろうか?



そう考えているとますます気になってきた。
よーーーし、今日神社へ寄ってみよう!


瞳は神社の鳥居を恐る恐るくぐった。それは抜き足、差し足、忍び足で屋根裏を歩く忍者の様だった。


誰か見てる?見てない?見てる?見てない?


瞳は周囲をきょろきょろしながら例の枝に近づいた。



あるーーーーーーーーーーーー!



ブルーのおみくじーーーーーーーーー!うそ!



無い?私のピンクのおみくじが無い?


えーーーーーーーーー!



という事はブルーのおみくじの人が見ているってこと?
瞳の心臓はもう張り裂けんばかりの勢いで、まるで演奏のドラム
をたたいているかのようだった。どうしよう!!!



ブルーのおみくじ見てみる?いやーーーーだめだめ!!!



2度同じことをしたらまたお詫び状を書かなければならない。


どうしよう・・・・・・。



神様、仏様、私の事は2度だけお許しください・・・・・。
そう言って瞳はそっとブルーのおみくじを枝から外し手に取った。



そして開いてみると



えーーー!そこには新しい展開が記されていた。



ドクン、ドクン、ドクン、ドクン・・・・・・瞳の胸の高鳴りは


だんだん大きくなっていくのであった。


第5章 素敵な出会いの始まり

あーーーあーーー胸が熱い、熱い・・・・・・これって赤い糸?

「これから会わないでデートしませんか?」って

この人何わけのわからないこと言ってるの?会わないでどうやってデートするの?訳わからない・・・。

「まずはこのおみくじの文通から始めましょう!

それではまた・・・。瞳の素敵な瞳さん」

キュン、キュン、キュン、・・・・・・。

瞳はしばらく放心状態だった・・・・。

そしてブルーのおみくじをもう自分のものと思うようになり、持ち帰ってきてしまっていた。

第6章 恋に夢中


「瞳!,瞳!,瞳!」


「はあ、、先輩。」


「瞳どうしたの?最近おかしいよ。1日中ぼーっとして
もしかして、恋?・・・・・・。」


「いや、その、あの・・・・・・。」


「瞳やっぱおかしいわ。」


「先輩違うんです。私、知らない人に恋してしまったんです。
1度も会ったことがない人に・・・。」


「はー!あんた頭おかしいよ!」


「瞳、詳しく話して。」


「は、はい。それ残業がない3か月前の事。今日は早く帰れたから家の近くの神社でお参りして帰ろうと思ったんです。」


「そしてお参りを済ませて、自分のおみくじを枝にくくっていると近くにブルーのおみくじがあったんです。」


「綺麗な色だったので私、興味津々で人のおみくじを見てしまいました。」


「そしたらそのおみくじには、3年間君に会えるのを待っていました。
瞳の綺麗な方。と書いてあったんです。」


「なんかその時、ものすごく心が躍ってしまいました。」


「そして私、そのブルーのおみくじを見てしまったお詫びを書こうと思いピンクの便箋にお詫びを書いて、その神社の同じ場所の枝にくくったのです。」


「その時あのブルーのおみくじはすでになかった。」


「何故かすごーく悔しかった。別のおんなに持っていかれたのか・・・
なんてずっと妄想を働かせて何時間もそこでぼーっとしていました。
その日はそれで帰りました。」


「それから数日後またそこに行ったんです。」


「そしたら私がくくったピンクのおみくじが無く、またブルーのおみくじがそこにくくられていたんです。


私は胸が張り裂けそうでした。


それで今、私はこんな状態です。先輩どう思います?」


「まあ、会えない恋もいいんじゃない?だって失恋もないし。
まてまて、でもデートもできないか・・・・。それ寂しいね。まあ頑張って!」


ふむ、ふむ、辛い・・・。

第7章 想像のデート


瞳は、「おみくじの交換日記」なるものをもう自分はやっているという強い自覚になっていた。


なんのためらいもなく、神社に向かった。あった。ブルーのおみくじ。今度は少し色が濃いブルーだった。


何か強いメッセージがあるのかな?と思い開けてみた。
すると次のメッセージ。


「瞳さん、僕たち今からデートに行くよ。夜景が綺麗な海なんだ。
さあ、早く僕の車に乗って!」


「行くよ。どう?乗り心地は?そこの助手席のディフューザーは瞳さん好きかな?


と思って用意した海の香り。


ほら、向こうの海に沢山の魚が泳いでいるのが見えるだろう?」


心の中で(はあ?、でも亮さんのそういう強引なところ惹かれる)


「瞳さん、どの魚が好き?僕はマグロかな。食べてもおいしいけど、海の中を力強く泳ぐのが、、、。


なんか、なんか一生懸命で大好きです。」



心の中で(私は、私は、私は、、、、貴方が一番好き!!!!!!!!!)続きはまた次回で、、、。



(え?また次回?・・・)


瞳はそのおみくじで、まだあった事も無い人と手紙の中で、想像の海のデートをしていた。


そしておみくじをたたんで、ポケットに入れた。


瞳は家に帰っても、海のデートの余韻が残ったまま何時間妄想にふけって
いたのだろうか。瞳の心は1人の男性にメロメロだった。


次の日会社に行っても1日中ボートして、何も手につかなかった。


「瞳!瞳!瞳!」


「あーダメだ。例のわけのわからない恋の病だ。」


「先輩、、、私昨日から海を彼とドライブして、、、」


「この恋さめないとだめだわ。」


そして1日が何とか終わった。


そして瞳は家に帰ると、強い決意をするのであった。


第8章 想像のデートPART-Ⅱ(人生最大の勇気)


瞳は先日の海のデート以来、ずっと試案を重ねていた。


それは、自分が初めておみくじ日記の中で男性をデートに誘うという事だった。


少し勇気ある女性からすれば、大した事ではなかったが、瞳にとっては人生最大の勇気と言えるほど大きな出来事だった。


瞳はまずインテリアショップに行き、海にまつわるクッションや小物、
ちょっとした家具を探して購入した。さすがにマグロのインテリアはどこのショップに行っても見つからなかった。


約2週間くらい部屋の飾りつけやらなにやらで、時間が過ぎた。


こうして好きな人の為に色々考える事がどれだけ楽しいか・・・。


こんな経験初めて。


これが「恋」っていうのかな?


そして亮さんは食べ物は何が好きなんだろう?


でもここは自分らしさを出したいと考えていた。


瞳は料理が非常に得意だった。特に肉じゃがは、絶品。たまに会社にお弁当で持参するとあっという間に売り切れる状態だった。


よし肉じゃがを作ろう!そう決めると早速スーパーに買い物にいった。


自宅に戻り料理を始めると味付けであれやこれやと悩んだが、会社で評判が一番良かった味付けで行くことにした。


「できたー!!!」


でも待てよ、これを食べる亮さんは、ここにはいないんだっけ・・・。


あーーー困った。インテリア、料理、、どうやって亮さんに私の思いを伝えたらいいの?


そう試案していると、壁のポスターの写真が目に入った。


そうだ、写真をおみくじ日記の中に貼り付けよう!

さてと・・・、魚のインテリア泳いでいる雰囲気を出してと、斜めに傾いて
シャッター「カチャ!」


肉じゃがは湯気が上がる雰囲気でおいしそうにと・・・シャッター「カチャ!」


よーし、できた。これをおみくじ日記に貼り付けよう。


海の雰囲気を出す為に、少しまわリは塗り絵で水色に。


肉じゃがはまわりのテーブルのインテリアもお絵かきと。


「よーし!できた。」この達成感はなんなんだろう?


そしてピンクのおみくじ日記はこう書き出す。



「亮さん!先日は楽しい海のドライブありがとう!
私、あんな楽しいデートははじめてでした。亮さんって少し強引なところがあるけどとても魅力的。またロマンティストですね?」



「私は、男性をデートに誘うのは初めてなんですけれど、勇気を出して誘わせて下さい。私の家に来てもらえませんか?もちろんおみくじ日記の中で。」


ここまで書くと瞳の心臓はばくばく高鳴り、5分くらい自分の言葉に酔いしれていた。


「私、亮さんが好きかな?と思って家にインテリアは海の関係の小物にしたんです。どうですか?」


(なんてかわいんだ!素敵だな。)なんて言ってくれるかな?



「それと私、料理得意でして、特に肉じゃがが一番のお箱メニューなんです。」


(へー!肉じゃがか、すごい味付けや煮込み方難しいんだよね、、、
女性的だな。)なんて言ってくれるかな、、、


(この絵、瞳さんが書いたの?絵もうまいね、、)なんて、、



休みの日に8時間もおみくじ日記のデートへの誘いを書きながら手紙の中で心のデート妄想をしながら家でにこにこ余韻に浸っていた。


こんな充実した日々は人生で初めての体験だった。


人はだれでも経験で成長するというが、瞳もこの「会わない恋」で著しく成長していた。それは人を心から愛するという事。そして素直に自分を表現するという事であった。


そしてピンクの便箋をおみくじのようにたたむとインテリアショップで購入した海の香りの香水を少しつけた。こういうところは従順な乙女の一面を見せる瞳だった。そしてピンクのおみくじをまた神社の枝にくくりに行った。
その足取りは、スキップを踏む少女のようで、瞳の今の心を表していた。

第9章 音信不通


瞳は神社にピンクのおみくじをくくってから、いつブール―のおみくじの返事が枝にくくられるのか楽しみでしょうがなかった。



それから1か月の時間がたったが、一向に例の枝にはブルーのおみくじがくくられている様子はなかった。でも瞳のくくったピンクのおみくじは無くなっていた。



(どうして?どうして?亮さん何かあった?瞳心配。)
(でも心配しても家もわからないし、どうしたらいいのかな?)
(私の自宅へのお誘いの手紙がまずかったかな?)



瞳はブルーのおみくじが来ない理由を何故か自分を責めるかのようにずっと考えていた。


(亮さんにあの手紙で引かれたかな?どうしよう、、、)


そんな辛い状態で瞳は会社に行った。


「瞳!瞳!瞳!、どうしたのくら~い顔して」


「はあ、先輩・・・」


「例の彼に振られたか?」

「私手紙の中で、自宅のデートに誘ったんです。それをおみくじに書いて
例の枝にくくったんです。それから早1か月。まったく返事がないんです・・・」


「瞳!それふられたんだよ。」


「いや~!!!!!!!!!!私、亮さんから離れたくない!!!!!」


「でも返事は来ないし・・・」


「・・・」


それから2週間が過ぎた。


瞳はもう亮の事はあきらめかけていたが、久しぶりに例の神社に会社帰りに寄った。


「あるーーーーーーーーーーー!ブルーのおみくじ」
瞳は天にも舞い上がる気分だった。


さて、開けてみよう!


(肉じゃがおいしかったよ!)なーんて亮さんの言葉が・・・あるといいな!

「え?」


「瞳さん、家へのデートの招待ありがとう!手紙の中の肉じゃがもとてもおいしかったよ。君の書いた絵とても素敵だね!感動しました。ただ少し時間をおいてごめなさい。今日は伝えたい事があり返信しました。最初合わないという約束でおみくじに書きましたが、1度だけお会いしませんか?それには1つ理由があります。それはお会いした時お話しします。1週間後この場所で。亮」



(え、亮さんも私に惚れた?)
「やったー!!!!!!肉じゃがでGET」


瞳は初めての両想いに心がドキドキ舞い上がりながら帰宅の途につくのであった。


(つきあったらなんて呼ぼう・・・亮さん、いえ亮殿、いえ 亮君・・・・)


瞳の妄想は寝るまで続くのであった。


第10章 衝撃と感謝


もうすぐで亮さんと約束した1週間。


でもなぜ会わない事を最初に約束したのに突然に1度だけお会いしたいと亮さん言ってきたのだろう?不思議・・・。


音信不通から突然の面会。不思議・・・。


瞳は、ずっと亮が「1度だけ会いたい」と言ってきたことを不思議に思っていた。


会わないと色々想像できるけど、会ってしまうともしかしたら幻滅してしまうかもしれない。会いたい気持ちと会わない方がいいのではという気持ちのはざまで瞳の気持ちは揺れ動いていた。



でもこの3か月くらいを振り返ると、驚くべき程自分が変わっている事に瞳は気が付いていた。こういう自分にしてくれたのも亮さん。あなたのおかげ。よし、勇気を出して行こう。面会してもしかしたら、今と反対の気持ちになるかもしれない、でもここまで自分に勇気を持たしてくれたのはやはり亮さんあなた。そう瞳は心に誓うのであった。



面会の前日、瞳は洋服を買いにいった。
「亮さん、どんな色がすきだろう?でも私は私らしくいこう!にくじゃがと同じように」そして瞳は自分が好きな水色のワンピースを購入した。
パンプスは白のハイヒール。瞳はもともと美形の為、だれが見てもモデル並みの容姿になった。「よし、これで良し!」あとは明日例の神社へいくのみ。



その晩瞳は、うれしいような、怖いような複雑な気持ちで眠れなかった。
亮さん、どんな人だろう・・・?どんな人だろう・・・?
でも、私は私。そう自信を持って行こう!
気が付いた時は深い眠りについていた。



翌日会社に行くと、皆、瞳の容姿で話題は持ち切りだった。
やはり恋をしている時の女性は美しい。またもともと容姿がモデルなみの瞳が水色のワンピースと白のハイヒールを履くと、どこのモデルが来たのだろうか?という変わりようだった。


「瞳!瞳!瞳!どうしたの?何かあった?」



「先輩、今日例のおみくじ日記の人に会うんです。」



「え?大丈夫?まったく知らない人なんでしょ?」



「はい、少し怖いのと期待と色々入り混じっています。」



「まあ、お会いするのは昼間の人が多い時間帯なので、大丈夫です。」



「まあ、瞳、頑張って!」先輩が訳も分からず応援をしてくれた。


そして約束の時間になり、例の神社へ向かった。この日は瞳は午後から半休を取っていた。神社についた。えーと「枝の近くの大きな杉の木で」と確か書いてあったのでそちらに向かった。


あ、いた!コートと帽子をかぶり背中を見せたすらっとした姿。



近くまでいくともう瞳は、まともに正面から見れなかった。そして
突然目をつむり、勇気を出してこう言った。「亮さん、おみくじ日記とても楽しかったです。また、また・・・海へのドライブも、、私、私、私、、、貴方が好きなんです。」瞳の心臓は張り裂けんばかりの鼓動で高鳴った。
そしてすこしずつ目をあけながら見ると正面を向いた亮がいた。
下からそっーと見上げていくと、、、コートの間から


「え?え?え?、スカート?」


「亮さん、女?嘘でしょ?」



「いやだ―ーーーーー!」(私、女に恋してた?え?まじに?)



「瞳さん、ごめんなさい。あなたの事をだましてしまいました。
それで今日は貴方に是非お詫びしようと思い、面会の依頼を書きました。
私の名前は、大空 瞳 貴方と同じ瞳です。私も貴方と同じように素敵な恋に憧れそんな気持ちでいました。それで、自分が理想とする男性をおみくじで演じてみようなどと馬鹿な事を思いつき、派手なブルーのおみくじを枝に巻いてみたんです。まさかその返事が来るとは私も夢にも思いませんでした。」



「少し面白いなどと思い、続けてみました。その時私は男性の目でずっと貴方を見ていました。貴方は自分に正直で好きな人にはまっすぐで、貴方の容姿もわからないのに、本当に魅力的でした。きっと男性はこういう女性を好きになってしまうのだろうなどと。」



「それで私、貴方を見ていて気が付いたです。私も自分らしく正直に生きようと。今までは沢山の失恋してきました。でもこれからは自分らしく生きよう!そう思いました。だから今日は貴方へのお詫びと貴方への感謝の気持ちを是非お伝えしたくて」



瞳「・・・」(これでおみくじ日記終わり?)



でもなぜか瞳はすがすがしい気分だった。会社では「明日があるさ!」といつも前向きな瞳は、これも勉強と思った。そして今までにない自分になれた事。女性ではあるが、他人からとても魅力的であるといわれた事。
そして亮、いえ大空 瞳さんにこういった。



「私、とても魅力的な女性と言われたのは初めてなんです。こういう自分に変われたのもおみくじ日記、いえ貴方のおかげです。お互いに恋愛の勉強ができた事はとてもいいことじゃないですか!お互いに頑張りましょう!素敵な恋をしてお互いに幸せになりましょう!」



「このブルーとピンクのおみくじはお互いが素敵な人と出会い幸せになるためのお守りです。」



「ありがとう!瞳さん!貴方はいつもとっても前向きだわ。私も自分自身に自信をもち頑張ります!」


「またどこかで」


「はい、またどこかでさようなら、亮さん・・・」


5年後


瞳は会社で素敵な男性と出会い、恋愛結婚をした。そして今日は2人でインテリアの買い物。とても楽しい時間で、瞳は幸せを満喫していた。


ふと前方に目をやると


「え、亮さん?大空 瞳さん?」



前から大空 瞳さんが素敵な男性と仲むずましく歩いてきた。



お互いの声をかける事はなかったが、すれ違いに、お互いにバックからブルーのおみくじとピンクのおみくじをちらっと出して、にこっと微笑んだ。



お二人ともお幸せに。













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