ぼくらの

私が生きることの大切さを学ぶことが出来た最大のきっかけが「ぼくらの」という作品との出会いである。
アニメも漫画も定期的に観ていて、未だに私の思考のそばには「ぼくらの」が存在しています。
今回は私の視点から観た「ぼくらの」の素晴らしさについて記事を書こうと思う。

率直な意見を述べることを重視するため、この作品を観たことがある人に向けた内容となる。
ネタバレを知りたくないという方は、ここで閲覧を終了してもらえればと思う。

鬱作品として有名であるが私は

こちらの作品は世間では結構有名な鬱作品として知られているが、私はそうは思わなかった。
鬱というよりはむしろ現実世界の我々を死と向き合いつつ、前向きにさせてくれる作品であると感じた。

私がアニメや漫画に求めている物は、自分が現実世界では経験出来ないようなことをより身近な存在に近づけてくれることである。
主な登場人物のほとんどが死という現実と向き合いつつも、怯えながらこの世を去るこの作品は一度しか死を経験出来ない私、死んでしまえば全てが終わってしまう私をグッと死に近づけてくれる。

ここが鬱になってしまうポイントだと思うが、むしろ死は誰にも避けることが出来ない運命であることから、今を生きることを大切にしようという気持ちにさせてくれているのだ。

確かにこの作品には希望はないが、それを糧に読者である我々は希望を持つことができる。

私はこの作品を鬱になる作品とは思わない。
高校生の時に初めて出会い、幼い心に生きる大切さを深く刻み込んでくれた素晴らしい作品である。

命の重みの伝え方

この作品は本当に命という重さの伝え方が群を抜いて秀逸である。
ごく普通の家庭、裕福な家庭、両親のいない家庭、本当の親ではない家庭などこの世が抱える家庭の問題のほとんどを網羅していると言っていい。
そんなところへ思春期の子供の死が関わった時、本人や周りの人間の心情がどう巡るのかというところが細かく描かれている。

一つの命でこんなにも心が蠢くのがという凄まじさに常に圧倒され続け、気づけばこちらも命について考えさせられている。

その反面でロボット、瞬間移動、別の世界線の地球など、人間という存在のちっぽけさを叩きつけてくるリアリティも至高である。

作中に出てくる言葉の響き

記憶が定かではないので、一言一句正しいわけではないが、

死を考えることがないから、生を考えることもない
明日死ぬと分かっていたら、今日の生き方も変わる
人は愚かしい、大切なものに気づくのはいつも失ってからだ

など、心に突き刺さる名言も多い。

もっと素晴らしいのは、物語が進むにつれて周りの人間が生きることの大切さに気付き初めてくるという点である。
読者の私の気持ちの変化に沿って登場人物も徐々に変化していく流れは非の打ち所がなく素晴らしい。

この作品に出会って、10年ほど経つが今でもこの言葉の数々は忘れないように心の中で唱えている。

確実に良い方向に変えてくれた

この作品のおかげで私の人生観や命に対する考えは大きく変わった。
何よりも自分を大切にし、それと同等に家族や友達を大切にする。
そして、毎日に自分のできる全力を注ぎ、明日死んでも後悔しない生き方をテーマにここまで充実した人生を送ることができた。

毎日を怠惰に過ごさず、常に価値を見出す習慣を付けることができた。
神経質過ぎる部分もあるかもしれないが、外を出歩く時に気を抜くことも無くなった。
「ぼくらの」という作品は確実に私の人生に良い方向へ大きく影響を与える存在となった。

大いなる感謝を。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?