「伝える」とは何なのか

SNSなどの普及から、自己主張の機会が多く設けられたこの社会の中で、あなたはどれだけ伝えたいことを納得のいくように伝えられているだろうか。

自分の意見をうまく伝えることができず、誤解を起こしてしまう結果になったり、お互いの意見が衝突してしまい、不毛な論争を起こしてしまうことは少なくないだろう。

では、自己主張を上手くするためにはどうしたらいいのだろうか。
お互いが等しく自己主張をし、価値のある議論を行うためにはどうしたらいいのだろうか。

自分がして欲しいことは、まず相手にする

これは恋愛を例に挙げることが一番わかりやすいかと思うが、相手に好きになって欲しい時、大抵の場合は相手に好意を示すだろう。
その好意が相手に伝わった時、相手も振り向いてくれることがあるのだ。

逆にただ相手が自然に自分を好きになってくれるのを待つだけでは、ほとんどの場合その恋愛は上手くいかないものである。

何にでも共通することであるが、自分がして欲しいならまずは相手にする方が上手くいく事が多く、わざわざ言葉にして伝えずとも自然と相手がこちらの意図を汲み取ってくれることもある。

つまるところ、相手に自分の主張を伝えたいのであれば、まずは相手の意見を受け入れることが最も重要であるのだ。

アサーティブコミュニケーション

自己主張をするにあたって最も意識をしておきたいことは、アサーティブコミュニケーションである。
アサーティブ(assertive)という言葉の意味自体が、「自己主張すること」であるが、この自己主張という捉え方に注意したい。

自己主張というのは、自分の意見を好き勝手言うことではなく、自分の意見をしっかりと相手に伝える、受け入れてもらうまでを意味するのである。

相手の意見をしっかりと受け入れ、対等な関係を保った上で、自分の意見を適切に伝えることがアサーティブコミュニケーションなのだ。

冷静になって考えてみると、相手の意見はまるで聞こうともしないのに自分の意見はちゃんと聞き入れて欲しいなどという不平等がまかり通る訳が無い。

相手の意見には長所、短所があり、それと同じく自分の意見にも長所、短所がある。
お互いの意見をお互いが磨き合うことによって、議論は円滑に進み、お互いの意見が平等に伝わり、最適な答えなどが生まれるのである。

自分の意見をなかなか上手く伝える事ができない人や、何に対しても否定から入ってしまう人は、とにかくアサーティブコミュニケーションを意識して欲しい。

話すより、聞く

アサーティブコミュニケーションを意識する、自分の意見を伝えることに対して、勘違いしてはいけない事がある。
自分の意見を伝えることは、話す力が重要だと思われるかもしれないが、そうではなく伝える必要があるからこそ聞く力が重要である。

相手の言葉をしっかり理解し、受け入れているという姿勢を見せることで、反対に相手側も自分の意見を聞く姿勢を取ってくれる。
前述したように、自分がして欲しいことは、まず相手にする。

聞き上手の人がモテるというのを良く聞くが、これはつまり自分の意見もしっかり伝えられるところも大きく関わっていると私は考える。

相手の意見をしっかり聞いた上で、自己主張を適切に行う。
これが伝えるということなのである。
これを意識していれば、不毛な論争や意見の衝突が起きずに済むだろう。

私の経験上、アサーティブコミュニケーションというのはこの社会において一番といっていい程の重要なことである。


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