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13年前までの8年間

25歳を迎えた2000年から33歳になる年の2008年まで、青山一丁目に事務所を構える編集プロダクションで働いていた。
31歳からはこの会社が新しく立ち上げた出版社で、取締役も経験させてもらった。

この会社に入る前の転職活動で、なぜかわたしは銀座か青山に事務所を構える女性社長の編集プロダクションのみを求人情報誌でピックアップし、
縁をいただいたこの青山の会社に、気づけば8年近く在籍。
この時の自分はまさかその後自身が女性経営者になるなど考えもしていない。
だが今思うと、こうした経験が現在の自分に大きく影響していることは確実だと思う。

今日は外苑前で打ち合わせがあった関係で、話が終わってから青山一丁目までゆっくりと散策。
当時お世話になった女性社長は娘さんを持つ母親でもあり、
熱く、激しく、そして何より愛情深く、料理への造詣の深さはプロレベル。
編集についてはもちろんながら、母として、女性として、人として、仕事も遊びも人生も本のことも、
教わることがありすぎた。
この社長のことは今でも尊敬していて、記憶に残る言葉も多い。
あの頃の若く幼い自分を叱ってくれたり、諭してくれたり、励ましてくれたりした人。
何度も悩みを相談し、泣きながら話を聞いてもらったことも数知れず。一方的に第二の母のように感じ、心から感謝している。

台風が過ぎ去った空の下、あの頃二人で立ち寄ったあの店、この店(の跡)を歩きながら当時の自分を懐かしく思い出し、KIHACHI青山本店のテラス席へ。
蝉の鳴き声が響く銀杏の木のそば、夏野菜のパスタで遅い昼食を済ませ、アイスコーヒーを飲みつつ若き日の自分がこちらにかける声に耳を澄ます。

「もっとできることあるでしょ」
とか、
「なんか、性格変わったね」
とか、
「やだ、まだ苦労してんの?」
とか、まあ、若くて血気盛んなわたしからいろいろ言われそうだろうけれど、よくよく聴いてみると、

「え、太ったじゃん」

に聞こえる。。

デザート頼まずそそくさと席を立ってお腹を引っ込めた、あれから13年後のわたし。
過去に戻りたいと思ったことはこれまで一度もないけれど、
体型だけは少し過去に戻さねば、このところ、息子が蝉よりうるさい。

「ママ、ちょっとおデブだから痩せたほうがいいよ。おケツがでっかい‼︎」

へいへい(泣)。声が大きいよ(涙)。


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