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マッチングアプリで出会った人と3ヶ月で事実婚するまで#15 〜同棲ブルー〜

前回の会話の中で、同棲の時期を7月から5月に早めた。
4月に入ってすぐに双方の両親への挨拶の日程も決め、そろそろ物件を探し始めようかというところ。


わたしの中には漠然とした不安が渦巻いていた。
本当に話を進めていいのだろうか、と。

その一手を打ってしまったら、元に戻すことは簡単ではなくなる。
一緒に住んでみて、体調がむしろ悪くなったり、性格の不一致が見えたりして別れてしまわないだろうか。
だって、わたしたちはお互いの人生をまだ2ヶ月しか知らない。
わたしたちは結婚前提の同棲ではないし、そうだったとしても別れるリスクはもちろんある。まず引越しにお金とエネルギーを使うし、別れるときにはさらにお金や労力が必要になる。

しかし、実際に何をどう考えて解決していけばいいかがわからなかった。

彼に相談するにしても、こんなにふわふわとした話では困らせるだけだろう。
自分でこの悩みの本質を突き止めて、具体的にしてから打ち明けることにした。


この人とならずっと一緒にいられるだろうなという確信を、人はどこで持つのだろうか。
人それぞれ違うのかな?同じなのかな?そもそもみんなそれを持って結婚するのかな?それすらわからない。
今の気持ちの解消には少し遠いかもしれないが、この疑問を結婚している人やこれから結婚を控えている人に聞いてみることにした。

最初に聞いた人は40代の男性で、初婚はデキ婚で離婚している。その後今の奥さんとの間に2人の子どもをもうけた。
「今の嫁と2回目に会ったときに、『この人と結婚するんだろうな』ってなんとなく思ったんだよね。」と彼は言った。
他にそう思う人はいなかったのだろうか。それを聞いてみると
「それを感じたのは今の嫁1人だけかな。で、ずっと一緒にいる。」

それを聞いたときに、わたしの中で半分くらいの何かが腑に落ちた。
わたしも2回目のデートで彼に対して感じたものがあったからだ。
彼とは同じ方向を向いて生きていけそうだ、何かあっても話し合いで解決できそうだ、と。

詳しい話はこちら(残しておくのって大事だね)


正直、会って2回目に感じた印象なんてこれから如何様にも変わっていくと思っていたけれど、その直感のままで家族を営んでいる人がいる。
自分の直感も信じていいのかもしれない、と思ったのだ。

実はこの男性、わたしが彼と出会ったマッチングアプリを始めるきっかけになった人でもある(#1はさすがに引用しない)。
悪行を知っているだけに、綺麗事を並べるこの人に心の中では若干鼻で笑っていたけれど、それでも自分に気づきを与えてくれたことに感謝した。


この後も何人かに話を聞いたけれど、これ以上の発見を得られることはなかった。

しかし、新しい学びを得た。
結婚の決め手はさまざまで、結婚の形もさまざまだということだ。
みんながみんな、愛し合って、一生添い遂げられるという確信を持って結婚を選ぶわけじゃない。

ある人は学生時代から交際していた彼女に結婚を迫られて、他にいい人がいなさそうだったから。今でも魅力的な女性に対して自分の選択が正しかったか揺らぐ瞬間があるらしい。
またある人は消去法だった。奥様の名前を呼ぶのが恥ずかしいので、なんとなくはぐらかして生活している。

そしてわたしの大切な友達は、持病のために妊娠が難しい可能性が高かった。
彼の人生を無駄にしてしまうと思ったから、5年交際している彼と別れることを本気で考えていた。けれど、彼から「子どもは授かりものだから、また一緒に考えればいい」と言われてプロポーズされた。

みんなそれぞれの物語があった。
わたしの場合、悩んだときの答えは自分の中にないことが多い。答えは誰かが見せてくれる。
その大切な友達も同棲ブルーやマリッジブルーはあって、いろいろな人と話すことで解決したと話してくれた。
だからこれからも聞こうと思った。そして、聞かれればなんでも答えようと思った。


わたしの短かった同棲ブルーは終わった。
彼に相談するまでもなく、自分の中で霧が晴れたようにもう迷いはなくなった。
何かあっても、きっとちゃんと話をして解決していける。だから、大丈夫。

男性はこういうの持たないのだろうか、と思って彼に尋ねてみたけれど、少なくとも彼は同棲に対して後ろ向きに思ったことはないらしい。

ここからわたしの心も同棲に向けて前向きに動き出した。

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