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マッチングアプリで出会った人と3ヶ月で事実婚するまで#10 〜1ヶ月記念日〜

人とお付き合いをするとき、1ヶ月目は大抵ゆっくり感じるのはなぜだろうか。
トシとも毎日いろいろあり過ぎてとてもスローに感じた。初めてのことがたくさんあるのは良いことだ。

そんなこんなで、お付き合いして1ヶ月の記念日を迎えた。
もう1ヶ月というより、まだ1ヶ月!?という気持ちの方が大きい。同棲の話も出ているし、もう少し経ってから少しずつ見せようと思っていた自分の弱いところをガンガンに出しているし。

記念日は、彼が海を望めるレストランを予約してくれた。

記念日だから、きれいめのワンピースを着て、いつ買ったか覚えていないカラコンの期限がまだ先だったのでつけた。靴はG.H.BASSのローファー。持っている中で一番高い靴だ。
待ち合わせ時間には早かったのに彼はもう待っていて(もはや通常営業)、トレーナーが好きな彼もその日はシャツを着ていた。自惚れすぎだけど、王子様とお姫様みたいだと思って特別感を味わった。


前日に友達が1人では食べきれない量のパンをくれたので、ランチは近くの海岸でピクニックをすることになった。
3月は始まったばかりだったけれどその日は日差しが暖かくて、お散歩には良い天気だ。
歩いて向かっている最中にマクドナルドを見つけて、わたしは突然ポテトが食べたくなった。
「マクドナルドのポテト食べたい!買わん?」って言ったら「あり!」って言って一緒にお店に入ってくれる。優しい。
この人わたしが過食するとき必ず一口ずつ食べてくれるんよ。加担されることで食べることへの罪悪感がすごく小さくなる。まあそれは別の話なんだけど。

海岸を歩きながら彼は大学時代の思い出を聞かせてくれた。ほぼ武勇伝。トウキョウノダイガクセイすごい(おまえも東京の学校だっただろう)。
わたしには友達みんなで盛り上がった記憶がほとんどないので、なんか別世界の人みたいだった。

ベンチに座ってパンとさっき買ったマクドナルドのポテトを食べた。
ワラワラと寄ってくる鳥に怯え(独り占めしようとする奴もいて「こいつ皆から嫌われてそうだね」なんて話した)、通り過ぎる変なおじさんに笑った。
ずっとそこにいられそうだったけど、立ち上がって散歩をすることに。


海沿いや街を散歩した。
何を買うでもなく、商業施設の中をぶらぶらと歩いた。
話すことがたくさんあった。知らないことがたくさんあったし、伝えたいことがたくさんあったから。目に入るもの、自分の思い出、相手はどんな記憶があるのか。
ただ少し歩いて景色を変えていくだけでわたしたちには充分だった。

歩き疲れてベンチで休むと、以前から話していた旅行の予約をした。
行きの新幹線、帰りの飛行機、ホテルもとった。おおまかな計画を立て、いよいよ旅行なんだなあという感じがした。
旅行は12日後。そう、これが次回の内容となります。


予約していたお店からは距離があるので、電車で移動した。
お店の予約にはまだ時間があったので、さらに周りを散歩。
いつもより踏み込んで、大人な会話をした。
それぞれの性の目覚めとか、ファーストキスや初体験の話とか。
彼が何人の女性と付き合ってきたのかは付き合う前のデートで話したけれど、その人たちの話を詳しく聞いたのは初めてだった。
わたしは彼から今まで付き合ってきた人の話を聞きたい。それは彼が今までに歩んできた人生を教えてほしいと願うのと同じ気持ち。
彼が今までの人とわたしを比べたりしないとわかっていて、それは彼がいつもちゃんと愛を伝えてくれているから、きっと信頼ができているのだ。
逆に彼はこのときあまり聞きたがらなかった。だからわたしもこのときはあまり話さなかった。

自分たちの初めてのキスの答え合わせもした。
わたしは「自分から断っていたので自分から行くべきだと思った」ってことを話した。


お店は少し暗くて素敵だった。海のすぐ横で、船の上で食事をしているみたいだった。
「大きいお肉がおいしいんだよ!」と彼が言っていたので、2人で大きなお肉を頼んだ。

食事しながら、自分たちはこれからどう生きるかの話になった。
わたしは2年近く貯金を切り崩す生活が続いていて、もうそろそろ1人で暮らしていくのは限界だった。自分の経済状況は切羽詰まっているけれど、彼からそれは本当にそうなのかという話をされた。
彼には収入がある。わたし1人を養えるくらいには。
僕たちは一緒にいるのだから、僕の財産も自分の一部だと思ってほしい。生活ができないなら、同棲の予定を早めて僕と暮らせばいい。そんな話をされた。

・・・いいですか、この日は付き合ってちょうど1ヶ月です。1ヶ月半前には見ず知らずの他人だった男です。こんなに結婚向きの男が27歳までプラプラしてたことに驚きですよ!?

ここで同棲の開始を早める件についてきちんと話し合った。続くお泊まりでわたしも疲弊してしまっていたから、一緒に住んだ方が体の負担も小さくなる。3月初めのこの頃から逆算して5月に同棲開始することをわたしも了承した。
彼も持病の影響で体調を崩しやすい。4月も半ば頃から彼も体調の悪い日が続くので、後にこの判断は間違っていなかったとわかるわけです。

帰り道、手を繋いで歩きながら、彼のプーさんのモノマネが下手すぎてお腹が痛くなるほど笑った。
下ネタにもゲラゲラ笑うし下手くそなモノマネにもゲラゲラ笑うしいい彼女でしょわたし、とか言って。「最高の彼女だよ」って言ってくれた。お互いにこのやりとりは定番化したな。


帰りの電車の中で交換ノートを渡してくれた。
5日ほど前に蔵前に出かけたとき、カキモリさんで一緒に作ったオーダーノート(詳しく知りたい方はこちらをどうぞ)。2人とも色の好みが一緒(少し緑が入った落ち着いた青)なので、すれ違うことなくぽんぽんと決まっていった。
記念すべき1ページ目は彼が書くことになっていた。いつ渡してくれるのかと楽しみにしていたそのタイミングが今日だった。

最寄り駅に着いたと連絡を入れると彼からも家に着いたと連絡があった。
家に帰り、ノートを開くと何かが落ちた。電車で受け取ったときは気づかなかったけれど、中に手紙が挟まっていた。
手紙を脇に置き、とりあえずノートを読んだ。左利きだし、IT関係の仕事でペンを握ることがほとんどない彼の文字は大きさもバラバラで、漢字や送り仮名もところどころ間違っていた。けれど、その努力が伝わる文字と愛の溢れる文章だった。わたしは小学6年間硬筆や習字を習っていて、あまり個性のない文字だと思っているから少し嫉妬すらした。

手紙は取り出した瞬間に涙が溢れてしまった。
「一ヶ月記念の贈り物は手紙にしました。
この一ヶ月であなたからもらって一番嬉しかったものがあなたからの気持ちだったから。」
から始まる手紙。
カキモリさんでわたしがお手洗いに行っている間にレターセットを内緒で買っていたんだとか、可愛いとか綺麗だとかを普段から言ってくれる彼ですらいつもは言わないくらいの大きな愛とか。

わたしが1人で泣いていてももったいないので、彼に電話した。
2分だけ。そして彼は加筆修正された電子版もくれた(笑)。どちらも嬉しかったけれど、わたしはやっぱり手書きが好きだった。
その後毎日何度も何度も手紙を開けては読み返した。


言葉が大好きなわたしたちの、手書きのやりとりが始まった。
そして、同棲の計画も。
彼の過去も知ることができて、濃い1日になった。


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