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筋ジストロフィーについて|筋強直性ジストロフィーの症状や経過、治療の解説

みなさんは、『筋ジストロフィー』という病気をご存知でしょうか?

 
筋ジストロフィーは国に指定されている難病の1つです。難病医療費助成制度の対象となっており、都道府県または指定都市の窓口に相談し、難病医療費を申請すると、助成を受けることができます。

 
筋ジストロフィーとは、身体の筋肉の筋線維が壊れやすく、再生がされにくいといった症状をもつ、進行性の筋力低下を認める遺伝性の疾患です。いくつかの種類に分けられますが、筋ジストロフィーは疾患の総称のことをいいます。

 
筋ジストロフィーは主に以下の種類に分けられます。

・デュシェンヌ型筋ジストロフィー
・ベッカー型筋ジストロフィー
・肢体型筋ジストロフィー
・福山型筋ジストロフィー
・顔面肩甲上腕型筋ジストロフィー
・筋強直性ジストロフィー

 
デュシェンヌ型、ベッカー型、肢体型、福山型、顔面肩甲上腕型筋ジストロフィーは、3歳〜10歳頃までと比較的乳幼児や若年で発症することが多いといわれています。


一方で、筋強直性ジストロフィーは20歳以降の成人期以降にも多いとされています。


 
今回はこの中でも『筋強直性ジストロフィー』について解説します。筋強直性ジストロフィーという病気を知っていただければ幸いです。 




筋強直性ジストロフィーとは

筋強直性ジストロフィーとは、常染色といわれる遺伝子の変化によって生じ、筋肉の萎縮や筋力低下、筋肉の硬直などの症状を引き起こす病気です。
優性遺伝という形式から、親や子など家族内に複数患者が存在することも特徴です。

発症年齢により、先天型(〜生後4週)、小児型(1〜10歳)、成人型(10〜30歳)、軽症型(20〜70歳)に分類され、発症する年齢によってもその症状は異なります。

世界的な有病率は10万人あたり8~10人とされており、日本(秋田、山陰、鹿児島、沖縄などの調査)では、10万人あたり2.7~5.8人とされていますが、実際はさらに高いと推測されています。




症状

疾患名の通り、進行性の筋萎縮・筋力低下に加えて筋強直現象(ミオトニ―)を特徴とします。


ミオトニ―(筋強直)とは、筋肉の興奮性異常によって、筋肉に力が入り(筋肉の収縮)、力を抜こうとしても筋肉が緩み(筋肉の弛緩)にくいという症状が起きることをいいます。


日常的な具体例では、握った手がなかなか開きにくいなどの症状として出現します。

 
筋力低下では、末梢部の足首、手指などの筋から始まるとされています。
そのため、日常生活では、転びやすくなったりします。手先の筋力低下が起こると、箸や洗濯ばさみ、爪切りなどの細かい物が扱いにくくなってきます。

 
さらに、不整脈などの心臓の障害や呼吸障害、嚥下障害、白内障、消化管機能異常など様々な臓器の障害もみられるため、全身疾患といわれています。




経過

筋強直性ジストロフィーの症状経過は一定ではなく、発症年齢や重症度によっても異なります。現状、正確な予後は不明ですが、既報告では、平均死亡年齢は50〜60歳代といわれています。けれども、医学の進歩とともに生命予後は改善していると考えられます。


死因は呼吸感染や呼吸不全などの呼吸器関連、次いで、心不全や致死性不整脈などの循環器関連が多いといわれています。




治療

現在では、筋強直性ジストロフィーに対する根本的な治療法はないとされています。また、筋力を改善するような薬物が試みられてきましたが、現時点では有効な治療薬は報告されていないようです。しかし近年の医療の発達により、治療薬の開発に対しては今後の成果が期待されているようです。

 
治療薬の他には、少しでも進行を和らげて症状を軽減し、生活の質を維持するためには、リハビリテーションや福祉用具の利用、環境調整をすることが有効です。



・リハビリテーション

筋強直性ジストロフィーは、筋委縮や筋力低下が進行していく病気であるため、関節可動域を維持することや廃用性(使わないことによる)筋力低下を予防することが重要となってきます。


リハビリテーションによって、日常生活の動作を維持し、活動範囲の維持・向上をすることで生活の質を高めることが目的となります。
 

具体的には、腕や手指、足の筋力トレーニングやバランス練習、歩行練習、ストレッチがあります。

 
筋力低下を予防するためには、運動は必要になりますが、注意点として、過用(やり過ぎ、使い過ぎ)による筋肉への大きな負荷には気を付ける必要があります。


理由としては、トレーニングのやり過ぎによって、筋肉を必要以上に壊してしまう恐れがあるのです。そのためには、運動を行う際には、医師や理学療法士、作業療法士など専門的な技術者、セラピストに確認するようにしてください。 


・福祉用具、環境調整

筋強直性ジストロフィーの方が安全に生活範囲を拡大し、生活するためにはリハビリテーションによる機能維持や改善だけでなく、適切な福祉用具の利用や環境調整も重要となってきます。

 
足の筋力低下により、歩行が不安定となれば、転倒の危険性が増大してきます。そのためにも、転倒予防を考慮して環境を調整することが大切になってきます。

 
段差や階段の上り下りが不安であれば、段差の解消や手すりの導入も必要となってきます。また、2階に寝室がある場合は1階に移すことも考えなければならないでしょう。


歩行が不安定であれば、歩行器や車椅子の利用といった移動手段の導入も考える必要があります。


 
白内障などの視覚障害に対しては、照明への配慮や床面の整理を検討することも必要となってきます。 




まとめ

本日は、「筋ジストロフィー」という病気の中でも、主に、筋強直性ジストロフィーについて
 
・筋強直性ジストロフィーとは
・症状
・経過
・治療
 
を順に解説しました。


筋強直性ジストロフィーという病気を知っていただき、みなさまのお役に立てれば幸いです。

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