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これ以下はないバイトの話

けんすけです。

私は大学時代に芝居にはまり、
ドロップアウトして、
卒業後就職もせず、
アルバイトで生計を立てていました。

当時はプータローと呼ばれていましたが、
その後フリーターとかいう、
洒落た名前になりましたね。

それこそ、もう思い出せないくらい、
いろいろなバイトを経験しましたが、
中でも忘れられない「最悪」のバイトの話をします。


前の日に電話で申し込むと、
朝早く、某山手線駅の前で待つように言われました。

行ってみると、
同じ申込をしたであろう何十人かが、
たむろしていました。

マイクロバスがきて、
手配師に促されて乗り込むと、
どこへ行くとか、
何をするとか、
なんの説明もなく、
バスは走り始めます。


郊外の工場をいくつか回ったのですが、
その度、適当に数人ずつ下ろされていきます。

私もとある工場で下ろされましたが、
ここがどこなのか、見当もつきません。

門の前でどうしたものか、
戸惑っていると、
不機嫌顔の男がやってきて、
ついてこいと手で合図します。

工場内に入ると、
並行に並んだいくつものラインが目に入りました。

ラインの先にはちょっとしたスペースがあり、
そこに立たされ、軍手を渡されます。

ここにきてもまだ、
何をするのか、何の説明もありません。

工場スタッフがラインについて、
ブザーが鳴り響きました。

私ひとり、全スタッフの前に立つようなかっこうになり、
大いに困惑していると、
スタッフは段ボール箱から部品を取り出し、
ラインのコンベアに並べ始めます。

そして、
空いた段ボールを一斉に私の方へ、
投げてよこしてきました。

その時、理解したのです。

なるほど、その段ボールを解体し、
畳んで積み上げていく仕事なんだと。


段ボールの底はしっかりとガムテープで止められていますが、
何しろもの凄い勢いで投げ込まれてきますので、
とてもいちいち剥がしている余裕はありません。

グーパンチで底を突き破り、
力任せに開いていきます。

しばらく続けていると、
手の皮がむけ、
軍手にじっとりと血が滲み始めました。

それでもとても追いつかず、
段ボールはどんどん積み上がっていきます。

膝から腰の高さまで埋まると、
段ボールを胸の高さで解体せねばならず、
効率は格段に落ちます。

そうなると、段ボールの積み上がる速度が増し、
ほどなく胸から頭まで積み上がって、
ついに私の姿は段ボールに埋まり、
完全に見えなくなりました。

もちろん身動きなどできません。

段ボールの山に埋もれ、
この先どうなるかと案じていると、
ブザーが鳴りました。

ラインが止まり、スタッフ全員で、
一斉に段ボール解体を始めます。

たちまち片付いて、
またもとの少し広々としたスペースに戻りました。

ほっとする間もなく、
再びブザーが鳴ってラインが動き出します。


後はその繰り返し。

終業まで、何度も何度も段ボールに埋まり、
姿を消しました。

カッターを渡されていれば、
もっと楽だったのでしょうが、
慌てて手を切る可能性もあるし、
そうなると1日仕事にならなくなるので、
わざと渡さなかったのでしょうね。


終業した頃には、
哀れ私の手はボロボロ、
血だらけになっていました。

皮の向けた拳で、
段ボールを撃ち抜くのは、
ほんとに「痛かった」です。

疲れ果て、夕陽を呆然と眺めながら、
門の前で待っていると、
マイクロバスが迎えにきました。

バスの中で手配師から渡された封筒には、
4500円入っていました。


結局、スキルがなくとも、
誰にでもできる仕事ほど、
厳しい環境で安く使われることになります。

仕事は何でもそうですが、
自分にしかできない何かを身につければ、
重宝されるし報酬も増えます。

ビジネスなど、
まさにそうですね。

自分で稼ぐ力があれば、
会社などに頼らずとも、
生きていけます。

報酬だって、
力次第でいくらでも大きくできます。

最悪のバイトからでも、
学ぶことはあるものです。

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