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不確かなもの

屋根にぽつぽつと音がする。
その音はだんだん大きくなって、たたんたたんの音に変わる。その音のリズムは不規則で、強く屋根を打ち付ける時もあれば、弱く打ち付ける時もある。

雨が雨を足らしめるものはなんだろう。

降った雨は下水を通って、川に流れ、長い航海の果てに海につく。いろんな川の水は天高く吸いとられ、水蒸気となり雲となり、たくさんたくさん水を含んだならばまた雨となってうちの家の屋根に落ちてくる。

同じ雨。でもきっと違う雨。

今日降った雨と、明日降る雨はきっと違う。でも何が違うのか正確にはわからない。これからもわからない。

雨が雨である理由はなんだろう。

今日も雨は屋根を強く打ち付ける。自分の存在を実証する。まるで打ち付ける音を聞かせるように。

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