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物語と現実の狭間で

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実際に起きたこと、架空の思い、真実を混ぜて物語を紡ぎます。随筆のような小説のようなものです。
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#夏

アブラゼミ

アブラゼミ

サンダルをはいて、玄関の扉を開ける。日差しと喧騒が一斉に襲いかかる。

鳴き声を聞くと今年はアブラゼミが多いように思う。大声でぐわんぐわん鳴くクマゼミと違って、シャワーで浴びせるように鳴くアブラゼミ。そういや新潟の親戚が大阪に来た時、クマゼミをみて驚いていたなと思い出しながら鍵を掛ける。

日差しが背中を襲う。暑い。これは外に出てはいけない暑さだ。

家の横の小道を通って商店街へ向かう。いつもなら

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逃げ水

暑い。さっきから太陽が私のうなじを攻撃している。バイトの面談の帰り道。山一つ超えてもなおこの旅路が終わることはない。

帽子を持ってくればよかったと後悔しながら、途中道端にあった猫じゃらしを引っこ抜きタクトのように振りながら歩く。

焼け焦げたアスファルトの道がずっと向こうまで続いている。交差点に差し掛かると、うっすらと向こう側のアスファルトから1センチ上が揺れていた。

少し気分が高揚する。目で

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