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剪画作品紹介

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剪画作品をご紹介します。
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2022年8月の記事一覧

にんじん

にんじん

外山 豊子 作 210×297 mm
“Carrots” by Toyoko Toyama

どこの家庭でもきっと冷蔵庫に1本くらいは入っているにんじん。すこしデコボコしていて、時には葉が付いていて、新鮮で…そんなにんじんを楽しく表現した作品です。オレンジと緑の取り合わせだけでも綺麗ですが、にんじんに柄を入れ、角度を変えて描くことによって、画面全体に変化を持たせています。
 人参の橙色、葉の緑、一

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柿食えば…

柿食えば…

高橋 隆 作 276×378mm
“Eat a Persimmon and...” by Takashi Takahashi

今回のテーマ「橙」という色の名前は、柑橘系の果物からきています。 にも関わらず作品展には、オレンジよりも柿の作品の方が多く、全部で6点出展されています。柿の絵の方が情緒を出しやすいのでしょうか。
 この高橋さんの作品は、本来ならば1つ前の「剪書」展に「柿食えば…」の句を添

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干し柿

干し柿

戸張 禮子 作 242×272mm
“Dried Persimmons” by Reiko Tobari

同じ柿でも干し柿を描いたのが、この作品です。焦げ茶色の輪郭線を切り抜き、その中に少し淡い感じの橙色を配しました。さらに甘い干し柿に見られる白く粉を吹いている様子も、オレンジ色の紙の上に白い落水紙を重ねることによってうまく表現しています。
 背景は生成りの和紙ですが、ここにも白い落水を使用

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天駆ける

天駆ける

菅谷 順啓 作

 今回の「菅谷順啓遺作展」のご案内ハガキに使わせていただいた作品です。手前に蓮の葉、中間に白い睡蓮、上空に龍、そしてその上ではお坊さんが合掌しています。お気づきの方も多いと思いますが、このお坊さんが菅谷さんを彷彿とさせるお姿なのです。
 モノトーンに近い色彩ですが、背景には紺色の和紙を使用。黒・紺・グレーの色合いが、蓮の花びらの白を引き立て、幻想的な雰囲気を作り出しました。花の中

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