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わからないくらいが、丁度良い。

今回は幽霊のような、そんな話になります。
怖い事を書くつもりはありませんが、苦手な方はご遠慮ください。
それでは。
 
ゴールデンウィークの短い平日の撮影の時に、撮影していた女性から
「右肩に髪の長い女性が憑いていますよ」
と言われた。
 
その女性はある時をきっかけにいろいろ見えるようになったらしく、ドアを開ければ急に目の前に霊体が立っていたりするらしい。
そんな彼女は驚くことはなく、他にもソファに首だけポンと乗っていたら、エイッ!と手で振り払うとボンッ!と消えてしまうらしい。
また、とあるお店に入ったらDJブースに女性の霊体が逆さまにぶら下がっていたらしく、その事についてお店の人と談笑したらしい。
 
珍しい話を聞いたなと思い、興味本位で自分はどうかと聞いたらまさかの回答が帰ってきたので驚いた。
でも、その霊体に対して怖がることはなく、どうして自分に?という思いの方が強かった。
 
撮影が終わり、帰りの道すがらぼんやり考えた。
― 自分に憑いてもらってもいいけど、何かそれで面白いものが見れればいいけどな…
― この人(霊体)どんな事を考えているのか話してみたいな…
そんな事を考えながら歩いた。
ふと横のガラス窓を見たけど、写っているのは自分一人だけである。
 
以前も書いたかもしれないけど、もともとそういった不確かな存在に対して否定的な事は思わなかった。
神様、仏様、霊体、妖怪など、実際には目にする事のない存在もどこか存在している気がしていた。
捻くれた考え方をすれば、存在しないのなら、その言葉自体が存在しないだろうと思う。
なので意識をした時点で少しは認めているのではないかと思ってしまう。
 
そんな珍しい事を言われたものだから、その後の2日間の現場で、こんな事があってと話していたら、行く先々で驚かれてしまった。(そりゃそうだ…)
でも、なにも変な事は起こってないからね~(実際特別な事は起こっていないので)と話すと、まぁまぁ…という表情をしていた。
 
特に何もないけど、他の誰かに迷惑を掛けてもな…と思い、別の現場に向かっている途中で、ちょうど竜神様を祀っている小さな神社があったので、少しお参りをする事にした。

「自分のところに憑いていることで幸せならそれでもいいのですが、本当は離れる方が幸せなら離れて頂いて大丈夫ですよ。どんな思いがあったのか聞くことはできませんでしたが、幸せになってください。」

実際に本当にこんな事を思ってお参りしたら、これまた不思議な事にお参り中に一人の女の人が頭の中に浮かんできて驚いたが、そのままむにゃむにゃお参りした。
 その女性は髪が長く、今もご存命の方である。
ある撮影で、納品の時にいろいろ行き違いと思い違いがあり、ちょっとした厄介な事があった。
何度か撮影したことがある人だったが、最後の時は愚痴など、仕事仲間、自分のお客さんに対する中傷を言ったりあまり良いイメージがなく、自分の聞き入れも良くなかったのか、電話を切られてしまった。
 
生霊だったのだろうか…?
さすがに不思議な体験だった。
すぐの現場で、偶然にも見える人がいたので、まだ憑いている?と聞いたら、いないですよと言われた。
その人は黒いモヤのようなものが見える人らしく、見え方も人それぞれ何だなと思った。
 
憑くものは、何も恐ろしいものだけではない。
守護霊のように守ってくれる存在もいるのだろう。
ちょうど護られているなと思う人を週末に撮影した。
人に対する愚痴のようなことも言わず、周りの人への感謝している事がわかる方で、先なのか後なのか、ひょっとしたら性格的な部分も作用するのかなと思った。
 
信じるも信じないも…というような話かもしれないけど、どこか馬鹿にできない気がする。
初詣で神様に参りに行ったり、心霊スポットへ肝試しに行く人もいるのだから、見えない存在があっても良いだろう。
その方が面白い。
その日の帰りに肩が凝っているなと思い、おもむろに肩を手で払ったら楽になった。
気のせいなのか、何かを祓ったのか。
見えたり、見えなかったり。
わからないくらいが、丁度良い案配なのかもしれない。

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