琴舟楽書展と私の心の声。
今週も日曜日となりました。
『栴檀女将のブログ』の時間です。
いつもお読みいただいている皆様、有難うございます。
先週末は栴檀にて【琴舟楽書展】を開催しました。
私の憧れる琴舟先生。矢沢永吉を聞きながら作品を作り出すパワー、凛とした女性書道家です。
色々な作品を展示し、私も一点一点時間をかけて楽しませていただきました。
その中の一点が、私の心を動かしました。
松下琴舟先生が書かれた屏風に夏目漱石の『坊ちゃん』の話です。
多分去年の私なら読んでも響かなかったと思います。
栴檀は、接待や宴席で利用されるお客様も多くいます。
月に何回か三味線の音が響き、芸者の甘い香りが部屋に漂い、太鼓が威勢よくうなり、外まで聞こえるのもしばしばでした。
中でも伊予節や野球拳、松山にまつわる踊りや歌が好まれ、お客様は、手拍子したり口ずさんだりもしていました。
石手川に寄り添うように建つ夜の栴檀は、竹林の間からもれてくるオレンジ色の光とさまざまな音で座敷の盛り上がる雰囲気がわかる程でした。
この『坊ちゃん』の抜粋は、芸者、三味線、座敷、かっぽれと栴檀の賑やかな様子そのものだと感じました。
栴檀ではそんな世界が当たり前でした。
それが、昨年ある瞬間から当たり前の世界でなくなったのです。
現在、栴檀の倉庫には出番を待つように譜面台、太鼓、三味線が鎮座しています。
漱石は、最後に山嵐の芸者遊びの様子をまるで、”気狂い”だと締めくくっています。
そんな”気狂い”の様子が、私は恋しいです。
作品を拝見し、思わず私の中の心の声が聞こえてきました。
芸術に触れることはこうして自身の中の心の声と対話するチャンスを与えてくれます。
その時々のタイミングで感じることもそれぞれ。
ただ見て楽しむのも、こうして感じることもキッカケがあることが必要。
そんなキッカケづくりを栴檀のお客様にしていきたいと思います。
以前のようにを願うのではなく、これからの栴檀を築いていきたいと思います。
さあ、宴席をどう展開していきましょうか。その日をお楽しみに。
本日もお読みいただきありがとうございました。
冷え込む日々、ご自愛くださいませ。
栴檀:https://www.sendan-dougo.com/welcome.html
※愛媛県の営業時間短縮要請に協力し2021.1.26まで20時までの時短営業です。
そば屋 二葉:
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