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終盤に向けて面白さが加速してきたドラマ『こっち向いてよ向井くん』

最初は単に、赤楚くんが観たいという理由だけで観始めたドラマ『こっち向いてよ向井くん』。

スタート当初は、いくら元カノとの別れを引きずって10年間恋をしていなかった"こじらせ男子"とはいえ、ここまでトンチンカンぶりを発揮してしまうの?という展開についていけるかどうか心配でした(笑)。

職場に派遣社員として現れた真由、10歳年下のアンちゃん、いきなり結婚前提でお付き合いしたチカさん。それぞれ向井くんの勘違い、ただ振り回されただけ、大人のつきあい方が分からなくなった…結局最後はフラれる向井くん。

「君は一体どこに向かっているの?」と思わずカツを入れたくなる情けなさ。これは赤楚くんが演じているから「しょうがないなー」と受け入れられはするけれど、現実の世界なら「33歳にもなってなにやってるの?」という突っ込みどころ満載のキャラ設定。

波瑠演じる坂井戸さんが毎回向井くんにズバズバ言ってくれる言葉に深くうなずきながら、この先も新たな相手が現れてはフラれ現れてはフラれ…の展開かと思っていました。

ですが、ここから元カノ美和子とのまさかの元サヤ?!な展開になってきて、このドラマがどこへ向かうのか少し謎めいてきました。

もちろん、元サヤでうまく収まるケースもあるでしょう。でも、やっぱり一度別れた二人がハッピーエンドを迎えるというのはかなりの確率で「ない」と私は思っているので…。

そして10年前「守るって…なに?」というひと言で向井くんを"恋愛迷子"にさせたこの美和子こそ、実はかなりの"こじらせ女子"でした!

「俺たち、付き合ってるよね?」
「違うと思う」
「えぇ?じゃなに?俺って美和子のなに?」
「元カレ」

これはキツい!痛い!思わせぶりな美和子に完全に踊らされていた向井くん。

結局美和子は結婚はしたくないけれど、一人でいる淋しさを埋めるために誰かには傍にいてほしいという超わがままぶり。これはアカン!

自分の想いと美和子の想いが″永遠に一致すること″はないことを今度こそ悟った向井くんは美和子に別れを告げました。向井くんが「都合のいい男」で終わらなくて本当に良かったです。

そして第8話はこれまでのストーリーの中でも断トツに面白かったですね。

環田さんとの恋愛が「今が最高潮」と言った坂井戸さんが、あっさり環田さんと別れてしまうのには驚きましたが…。

坂井戸さんの恋愛観もかなりの"こじらせ"ぶりですね。"おいしいとこ取りの恋愛"。確かにお互いに着飾っている時の恋愛はある意味一番美しく楽しいのかもしれませんが、本当の自分を相手に知ってもらわなければ結婚は無理だし、いつまでも続かない。

美和子と別れた向井くんがこれまで完膚なきまでにやり込められてきた坂井戸さんに意見するところは、だいぶ男として成長してきた証という感じでしたね。

パフェのくだりは恋愛観に通じるなかなかいいやり取りだったと思います。

そして、向井くんの前では"素"の自分を出せることに気づいた坂井戸さん。これからこの二人の進展はいかに?という感じです。

このドラマ、向井くんの妹夫婦の関係性も重要なポイントになっています。妹の夫・元気役の岡山天音が今回も名演技で盛り立ててますよね。彼はホントに"カメレオン俳優"です。ロン毛でチャラいようで、でもひたすら奥さんのまみんを愛している姿は愛おしいとすら思えます。

妹・麻美の気持ちも少しだけ理解はできます。バカで変な元気くんが、夫になったとたんに一生懸命″まとも″になろうとしていて。もしかしたら結婚によって彼の良さを失わせてしまっているのでは?という不安が押し寄せてくる…本音は元気を愛しているのに。

第8話で、愛するまみんの望む通りに離婚届を渡す元気。「まみんを幸せにできないなら、俺も別れたい」お互いきちんと愛し合っているんだけれど、言葉でのコミュニケーション不足で気持ちが微妙に通じ合えていないのがもどかしい二人です。この二人も最終的にどうなるのか?

あと少しで最終回を迎える『こっち向いてよ向井くん』。赤楚くんの魅力はもちろんですが、恋愛に迷える人たちには刺さるものがたくさんあるドラマだと思いますよ♪

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