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東北大学サイエンス・エンジェルの名称変更:「天使」から「大使」へ!

2006年から開始された「東北大学サイエンス・エンジェル」の名称が、今年度より「東北大学サイエンス・アンバサダー」に変更となりました。略称は変わらず「SA(エスエー)」ですが、「天使」から「大使」に変わりました。この背景としては、4月5日に発出した「東北大学ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョン推進宣言」を受け、よりジェンダーフリーな名称にすることとしたものです。

SAのキャッチコピーは「身近なロールモデル」です。サイエンスの楽しさ・面白さを伝える「メッセンジャー」として「エンジェル」という名称を使ってきたのですが、”可愛らしい”イメージがつきまとうことに対して、抵抗感を持つSAも一定数いたということも一つの背景です。キリスト教では、「天使」は中性の存在なのですが……。

昨年度でのべ905名のSAが科学イベント、オープンキャンパス、母校出張セミナー等で、「身近なロールモデル」として活躍してきた。

すでに15年以上の歴史のあるSA制度、現在のSAには、高校時代にSAの講演を聴いて、自分もSA活動を行ってみたいと思って東北大学に入学し、大学院に進学した方もいれば、アカデミアに残ったSAOGで後輩の育成に当たっている方もいます。自らの体験を書籍にまとめたSAOGも。

この2年間のSA活動はオンラインが多かったのですが、自らnoteを使った発信を展開していたことは頼もしく思いました。

また、過日、こちらのnoteにレポートした『小島よしおのまちぶらサイエンス』出演などの活動もありました。

このような活動も含めて、女性の理系進路選択に貢献したことに対して、東北大学の田中真美教授東京大学の大島まり教授とともに、「令和4年度科学技術分野の文部科学大臣表彰 科学技術省理解増進部門」で受賞することとなりました。田中先生とはSA立ち上げからともに歩んで来ました。大島先生とは昨年、『理系女性の人生設計ガイド』(ブルーバックス)を共著として上梓。

4月20日の授賞式は代表者のみが呼ばれ、YouTube配信で様子を視聴しました(味気ない感はあり……)。とはいえ、裾野の拡大はまだまだ必要です。東北大学は理系に偏った大学であり、博士課程の女性比率はようやく30%程度。学問分野での好みはあったとしても、学部で4割に達するくらいまでの間は、まだまだ背中を押す活動が必要だと思います。

東北大学における学生・教員における女性比率30年間の変化。博士号取得から教員採用までの時間的ギャップを考慮したとしても、女性教員の割合は女子学生の割合に比して少ない。

これからも裾野の拡大、無意識のバイアス払拭に尽力します。多様な人材の能力が活かされる世の中になってほしいと願います。

これまでの東北大学の歴史の中でダイバーシティ関連部分を抜き出しました。


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