見出し画像

【千田琢哉の頭脳】Vol.0473(2010年5月22日発行のブログより)

「男なら生涯に1冊の本を書け!」という海外の諺があります。本に限らず何か自分の想いや蓄積をアウトプットしていきたいという憧れが最近とみに強くなってきました。周囲にいろいろ営業をかけているのですが、プロからのアドバイスを簡潔にまとめるとこうです。「実力の絶対量が決定的に不足している」目安として何か特定の分野でアウトプットしていくことでお金を得るにはどのくらいの準備が必要なのでしょうか。自分なりに結構やってきたつもりなのですが・・・甘いのかもしれません。

(東京都・会社員・Gさん・男性・27歳)

1冊の本を書くには300冊分の本を読めばいいと言われています。

この真偽は定かではありませんが、一般にそう言われています。

300冊分というのは目安として本棚1つ分です。

相当な読書好きな人であれば仕事をしている人でも
1年間に300冊くらいの本なら読んでいるかもしれません。

確かに300冊くらいの本を読むとその分野に関しては
自分なりの意見を持てるようになります。

たぶんそれがインプットからアウトプットに変換される瞬間だと思います。

猛烈なインプットを繰り返していくと、コップから水が溢れるように
勝手にアウトプットされるようになっていくのがわかります。

別に本など書かなくても構いません。

やはり、仕事でアウトプットしていくのが一番いいでしょう。

たとえば営業の本は大手書店に行けばそれこそ何百冊と陳列されています。

1年間かけて営業をテーマに300冊分の本を読み込んで実践していくと
営業ができるようになるだけでなく、営業のコンサルタントとして
やっていけるようになります。

あまり大きな声では言えませんが、営業プレーヤーとしても儲かりますが、実は営業コンサルタントのほうが儲かります。

営業プレーヤーとしてNo.1になるよりも、
営業コンサルタントとして活躍したほうが
ワンステップ上の出逢いもあります。

ですからその業界でNo.1を獲得した営業プレーヤーの人たちは
営業コンサルタントに転身されている方が多いのです。

よく営業プレーヤーとしてやっていけなくなったから本を書き始めたのだ、と言われますが、実際にはそうではないのです。

いったんコツや仕組みを構築してしまった本物の営業プレーヤーは
偶然で成果を出すのではなくて、
成果を出すのが当たり前の習慣となっています。

魚の釣り方の達人になるのでは
次から次に新人が出てきますからキリがありません。

魚の釣り方のセンセイになったほうが儲かるし尊敬されます。

でもセンセイを目指すには絶対に妥協できないことが1つだけあります。

桁違いに学び続けなければならないということです。

たいていの人は2,3冊、せいぜい10冊程度もその分野について
読書すればお腹一杯になってインプットは終了です。

だから300冊分の本を読むということは異常です。

「そんなの机上の空論だ、
そんな時間があれば一軒でも飛び込み営業して来い」

という次元を遥かに超えています。

1つの分野で300冊読みこなした人は
それだけで間違いなく実践の人です。

自分の経験だけで勝ち取ったノウハウと、300冊のインプットと
自分の経験をミックスした上で勝ち取ったノウハウとでは底力が違います。

何よりも深さと幅が一緒に進化していくのです。

そして1つの分野で300冊以上のインプットをこなしていくと、
別の分野にも必ず派生していきます。

スポーツに関する本を3冊とか5冊読んだ程度では、
本当にスポーツだけの世界で終わってしまいます。

ところがスポーツに関する本を300冊読むと、医学、生物学、心理学、
倫理学、教育学、文化人類学、日本史、世界史、社会学、哲学・・・
と無限に繋がっていくのです。

学べば学ぶほどにわからないことだらけであることに気づかされて
凹みます。

でも凹むことは成長には必要条件です。

これはマンガでも同じです。

手塚治虫を極めていくと実に多くの分野の学問に拓けていきます。

音楽も映画も同じです。

必ず他の分野と繋がっていくことに気づかされます。

よく例えられるように目指す山の頂上は同じでも、
そこに到達するためのコースは無限にあるということです。

何かをある程度ものにしている人は読書かどうかは別として、
300冊の読書に匹敵するくらいの蓄積はしているというのに
例外はありません。

...千田琢哉(2010年5月22日発行の次代創造館ブログより)

↓千田琢哉のコンテンツ↓

🔷千田琢哉レポート
文筆家・千田琢哉が書き下ろした言葉を毎月PDFファイルでお届けします。

🔷真夜中の雑談~千田琢哉に訊いてきました~
文筆家・千田琢哉があなたから頂いたお悩みに直接答える
音声ダウンロードサービスです。毎月1日と15日発売!
“毎月1回の飲み代を、毎月2回の勉強代に”

🔷千田琢哉公式チャンネル
「3分の囁き」千田琢哉の独り語りをYouTubeでお楽しみ下さい。