【千田琢哉の頭脳】Vol.0603(2010年9月29日発行のブログより)
うちの会社の数々の矛盾に苛立っています。転職も考えたのですが、すでに私は2度の転職を経験しており、人に使われるようなサラリーマンは向いてないな、と自分でも気づいてきました。矛盾を一つひとつ正していくことは難しいし、現実的ではありません。転職するか独立するかあるいは別の方法があるか模索中です。甘ったれた質問であることは重々承知ですが、矛盾を受け入れる方法、あるいは、解決する方法があれば教えてください。
(兵庫県・会社員・Tさん・女性・28歳)
会社はもともと矛盾だらけのものです。
矛盾だらけでも、給料が出続けるというところが実に美味しいのです。
矛盾のない会社で働く方法は1つしかありません。
自分で会社をつくることです。
自分で会社をつくると、好き勝手にできますが、
今度は別の不満が出てきます。
サラリーマンのときには、成果が出なくても上司の厭味に耐えさえすれば、毎月指定口座に同じ額の給料が振り込まれていました。
でも、独立したらそれはありません。
働いた分だけ振り込まれないのです。
成果を出した分だけが振り込まれます。
矛盾がないというのは、本来そういうことです。
汗をかいたか否か、残業したか否か、がんばったか否か、
はまったく意味がありません。
会社に対して売上総利益(売上-原価)で、
1000万円納めたら300万円もらう資格があります。
年収1000万円欲しかったら、
売上総利益で3000万円納めるだけの話です。
様々な会社を見てきましたが、それに匹敵するビジネスパーソンは
20%いれば、その会社は優秀なほうでした。
独立してやっていくためには、この感覚が大切です。
自分は3000万円の売上総利益を納めているから
独立したら1000万円は確保できる、と考えるのはまだ早合点です。
それは今いるお客さんが全員自分についてきてくれたら、
という希望的な話です。
部下の人件費、間接部門スタッフの人件費を忘れてはいけません。
特にセールスの方に多いのは、
自分の会社の看板と自分の力を間違っていることです。
大企業から独立した人も同じです。
自分は○○商事出身だ、と胸を張ってみたところで、
独立したら戸籍がなくなったようなものです。
自分が人として見ていなかったような、
取引先の弱小零細企業の社員たちにさえ、軽くあしらわれてしまいます。
人は鏡です。
大企業に在籍していた頃の自分の姿がそのまま反射しているに過ぎません。
「あの人だけは大丈夫」と確信していたお客さんはすべて皮算用であることを知ることでしょう。
それは、自分が相手をそうした目で見ていた事実を
そのまま教わっているのです。
結局、独立して矛盾がなくなったほうが、
大半の人たちにとっては辛くなってしまうのです。
矛盾していたほうが、甘えることができて幸せです。
怒鳴られたり、軽くあしらわれたり、
窓際に寄せられるのを我慢するだけで、
毎月給料が振り込まれていること自体が矛盾しているのです。
矛盾から卒業すると、厳しい現実が待っています。
それでも矛盾から卒業したいという人だけが独立してやっていけるのです。
仮に収入が10分の1になっても
やりたいことがあれば生きていけるでしょう。
お金儲けのためだけに独立するのであれば、精神が続きません。
高々1億円稼いだところで、
サラリーマンには勝ったことにはならないのです。
矛盾のありがたさを感じられないようでは、独立してはいけません。
...千田琢哉(2010年9月29日発行の次代創造館ブログより)
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