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【千田琢哉の頭脳】Vol.0539(2010年7月27日発行のブログより)

先日一流と噂される外資系ホテルに宿泊してきました。2泊です。値段とホームページだけはやたら凄かったのですが、サービスに関しては拍子抜けするほどたいしたことがなかったです。というより、気づく力があまりに不足していると言わざるを得ませんでした。逆にサービスというのは頭がよくなければできないと気づかされました。ホテルの格式に自分たちがこだわり過ぎており、肝心の素人(?)であるお客様に向けての思いやりといったものはふとした時に見せる表情や言葉遣いだと思います。これは訓練や意識改革といった、お手軽な掛け声ではなく、まずは素材が大切だと教えられました。

(石川県・会社員・Tさん・男性・37歳)

自分たちの従業員を自画自賛する会社のサービスは、
自分たちがいかにいやらしいサービスを提供しているか
気づかなければなりません。

「うちの会社の社員は最近レベルが上がってきたので
どこに行っても恥ずかしくないはず」

「うちの会社は従業員満足が高いから、社内に問題があるはずがない」

「うちの社員たちは何でも正直に言ってくるから、
絶対に悪いことをしないと安心している」

といった自画自賛は非常に見苦しい。

なぜなら、自画自賛企業の社長の会社は
すべてサービス劣等会社と相場は決まっているからです。

例外はありません。

サービスに満点などないのに、
どうして四流会社が自画自賛して浸り切ってしまうのでしょうか。

上を知らないからです。

そして、心のぜい肉が多すぎて、カチンときた経験がないからです。

感性の老齢化です。

世界クラスを謳っているテーマパークやレストラン、宿泊施設に
実際に足を運んでみることです。

いかに情報と事実が異なっているかが肌感覚で学習できます。

ディズニーランドはとにかくすごい「らしい」

ではなくて、噂と事実を自分の経験で埋めていくことが大切です。

たいてい「らしい」といった一人歩きの噂は嘘です。

すでに周回遅れで数年前の情報、
下手をすれば20世紀の過去の栄光に助けられている美しき誤解です。

社長が傲慢になって「あがり」を宣言してしまうと、
従業員にもそれがすぐに伝染します。

サービス業と言われている職業で気をつけなければならないタブーは、
入り口の段階においては決してサラブレッド級の人材ではなかった
という事実です。

一流ホテル、一流レストラン、一流○○と
自認しているところも例外ではありません。

それほど大した人材でなかったところから自分たちはスタートしている
というハングリーさと謙虚さを忘れたら、
サービス業なんてとてもできるはずがありません。

それが露呈されるのは、クレームがあった際やトラブルがあった際などの「際」の部分です。

人間は「際」の部分で本質が出るのです。

犬も「際」の部分で毛並み、血統、出自が浮き彫りになります。

ちゃきちゃきの江戸っ子というのは、嫡子嫡子の江戸っ子という意味です。

親子三代で毛並み、血統、出自を変えていくつもりでなければ・・・

という考え方は正しいのです。

なぜこれだけ厳しい話をしているか。

そのくらいサービスというのは奥が深いからです。

今注目されているサービス業というのは
スゴイから注目されているのではなく、
周囲が発展途上だから相対的に目立っているに過ぎないことに
気づかなければなりません。

大学の観光学科や専門学校には本来、
医学科クラスの人材が集まらなければならないイメージです。

残念ながら今はまったくそうなっていません。

一流と言われているところは、すべて四流です。

四流を頂点としている業界と考えなければ
成長などできるはずがありません。

「あそこの会社はみんなアルバイトなのにすばらしい」

というのは、すべて間違っています。

アルバイトでもやっていける業界で自分はお客様に過剰請求した料金から
正規雇用されているという事実を受け止めるべきなのです。

追伸.サービスを受けてカチンときた回数こそが、
その人のサービス力をアップさせていくのです。

...千田琢哉(2010年7月27日発行の次代創造館ブログより)

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