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【千田琢哉の頭脳】Vol.0005(2009年2月8日発行のブログより)from次代創造館秘書室

千田さんがどこか初めてのお店に入るときに、“目利き”として目をつけるポイントはありますか?以前コンサルティング会社にいらっしゃったときにセミナーを聴いたことがあり、突出して斬新な発想だったのが忘れられなくて興味があります…

(愛知県・システム会社経営・Yさん・女性・41歳)

私は一見、ダサくて古くて汚い場所やモノが好きです。

どうですか?幻滅してもらえましたか?
見かけどおりでしたか?

店を見つけるときも、モノを購入するときも、
最低10年はその店やモノと付き合うことができるような関係を求めます。

たとえば、現在私が履いている靴は月曜日~金曜日用に5足ありますが、
すでに10年以上履き続けています。

社会人1年目の最初の5ヶ月間は菓子パンをかじりながら
給料の大半を使って最低10年は履くことができる靴を
毎月一足ずつ購入していました。

新人研修では休憩中に元キャビンアテンダントの講師の一人に
「それ、ジョン・ロブ?」と話しかけられたほどです。

携帯電話も10年ではないですが、
この文章を書いている時点で5年9ヶ月同じものを使っています。

私にとっては本当に気に入ったものを買ったのですから、
当たり前といえば当たり前です。

これは私が物心ついた幼稚園のころからそうだったらしいのですが、
100円コインを入れてガチャガチャしたら
カプセルにおもちゃが入って出てくるゲームがありました。

私は祖父・祖母や親せきが集まったときにそれをやらせてもらったら、
翌年の盆や正月までそれが真っ黒でボロボロになるまで使い込んでおり、
驚かれると同時に呆れかえられたものです。

「頼むから捨ててくれ、ほれ、もう一回やらせてあげるから」
とうれしさ混じりで大人に言われるのも子どもながらに好きでした。

お気に入りのレストランや食堂、ホテル、
床屋さん(美容室ではありません!)も
最新の流行最先端のものはまったく興味がありません。

もちろん、仕事として勉強がてらにそういうところに行くこともあります。

しかし、本心としてはどちらかというと、古くてダサく見えるけれども、
なぜか顧客が来ている、リピーターが多い、というものに惹かれます。

食堂だと、仮に古くてダサくても、
リピーターにきちんと支持されている店は
クリーンメンテも完璧に行き届いており、
ソースや醤油の容器がテーブルにこびりついていたりはしません。

デートスポットも、煌(きら)びやかな美しいところではなくて、
何でもない普通の素朴な場所を二人きりで歩くのが大好きです。

海外でも、みんなが殺到する話題のスポットではなく、
だれも見向きもしないような庶民の街に入り込んで、
その人たちが食べているものをそのまま食べるのが
鳥肌が立つくらいに好きです。

同行している人には嫌がられることが多いですが。

実はこうした幼児期から変わらない私の特性が
経営コンサルタントという仕事では発揮されたことが多いかもしれません。

見かけの現象面に捉われることのない、
その根底にある事実を掘り起こすといった、
地味で根気のいる作業はまったく苦痛ではありませんでした。

ですから、店に入るときも、モノを購入するときも、
なるべく地味なものに目がいき、
その上で行列をつくるほどではないものの、
常に顧客がいる店やリピーターに支持されているモノに惹かれます。

飽きがこずに、最低10年は付き合える関係が欲しいのです。

失礼がない程度に見かけに気を遣う大切さは充分尊重しますが、
本物は派手に飾る必要はないのではないか、
というのが私の信念です。

...千田琢哉(2009年2月8日発行の次代創造館ブログより)

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