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【千田琢哉の頭脳】Vol.0568(2010年8月25日発行のブログより)

地方でトイレタリー商品のメーカーを経営しています。すべて弊社の名前が表に出ることはない下請けですが・・・。昔からそうだったのですが、製作現場と営業側での対立が絶えませんでした。ただでさえここのところ市場縮小と不況のために業績が低迷している上に、社内がこれではたいへんな問題です。むしろ、社内のほうが要因だと思っています。どの会社も工場サイドと営業サイドの対立には頭を悩ませているようですが、何か解決策はあるのでしょうか?

(福井県・会社経営・Sさん・男性・49歳)

今回は非常に注目したい良質の質問だと思います。

まず、大きな枠組みで考えると、

社内の問題というのは昔も今も変わっていないということに
気づくことが大切です。

業績がいい時には、問題を隠して見て見ぬふりをすることができます。

業績が悪い時には、隠蔽してきた問題が表に出て顕在化する、
というだけの話です。

だから今回顕在化した問題というのは、
昔からあった問題だということです。

工場サイドと営業サイドは「作る側」と「売る側」ですから、
もともと表面上はまったく違う仕事です。

これは社長と全従業員が「給料を払う側」と「給料をもらう側」
という意味においてまったく違うのと同じです。

ただ、見かたを少し変えればまた別です。

社長と全従業員は会社を生成発展させていくことによって
相互がハッピーな状態になることができます。

工場サイドと営業サイドについても、
会社の業績を下げるメリットはありません。

工場で働いて忙しくて不満たらたらの人が仮にいたとしても、
業績が悪くなって工場閉鎖されるのと比較したら100万倍マシです。

営業サイドも顧客対応がたいへんだと不満に思ったとしても、
顧客が一人もいなくなった惨めさと比較したら、
なんて自分は幸せなのだろうと感謝できるはずです。

ここでSさんの会社についていえることは、
業界の市場縮小や不況に対して感謝することです。

昔からだましだましやってきたことが露呈されるからです。

もともと腰の悪い人が体調を崩すと、
最初にシグナルが腰にくるのと同じです。

汚職発覚や官民の癒着といって世間を賑わせた時代もありましたが、
それは時代が今からよくなっていこうとして膿を流している状態だから
いい状態だといえます。

「今」問題が始まったのではなくて、
「今まで」すでに起こってきたことが発覚したのです。

だから、いいことなのです。

中小企業の場合は、中立的立場の社長が間に入って工場長と営業部長を
交えて定期的にコミュニケーションを取っていくことです。

できれば週に1回、最低でも毎月1回です。

根っこには会社の発展があるわけですから、
どんな問題が発生しても解決策は必ずあるはずです。

3回、5回、10回・・・と定期的なコミュニケーションを
続けていくことによって工場サイドのトップと営業サイドのトップが
コミュニケーションを取ることができるようになります。

トップ同士がコミュニケーションを取ることができれば、
現場がそれを見て真似をし始めるのです。

メーカーの経営コンサルタントをしていて一番の醍醐味は、
製作現場と営業現場同士のコミュニケーションが活性化して
お互いのアイデアを出し合える状態になることです。

営業に向けての画期的なアイデアというのは、
工場側から生まれるし、工場に向けての画期的なアイデアというのは、
営業側から生まれるのです。

この状態をつくり出すことに成功したら、
会社の希望の光も見えてくるでしょう。

...千田琢哉(2010年8月25日発行の次代創造館ブログより)

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