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【千田琢哉の頭脳】Vol.0008(2009年2月11日発行のブログより)from次代創造館秘書室

昨年冬のボーナスも大幅カットされ、年収も減りそうです。キャリアアップ&年収アップのため、現在勤務中の会社を退職して、大学院進学を考えるようになりました。大学は二流の私立大学商学部を卒業しています。家族がいますので、国内の経営大学院に社会人入学してMBAでも取得しようと思っています。実情はどのような感じですか。率直なご意見教えてください。

(京都府・マーケティング会社勤務・Hさん・男性・36歳)

大学院へ進学すること自体は悪いことではありませんし、
向学心があるというのはすばらしいことです。

純粋に学問を修めたい、という理由であれば、
ぜひ応援したいです。

ところで、大学院に進学したからといって
スキルアップとか年収がそのままアップするというのは
“イコール”ではありません。

むしろ、特に文系の場合は反比例することもあるので注意が必要です。

以下、私のビジネス経験で直接感じたありのままの事実を
ストレートにお伝えします。

まず、Hさんが現在社内で大活躍されている場合、
社内留学制度があれば、活用した方が絶対にいいです。

あなたが現在の会社でスキルアップ、
年収アップできる可能性が一気に高まります。

そうではなくて、単に今の会社を辞めて転職の際にグレードアップしたい、
というのが目的であれば、大学院進学は特に文系の場合
余り費用対効果はありません。

あなたが気にしている学歴についてですが、
特に国内の文系就職の場合、大学院で評価することは、
ほとんど、または、まったくありません。

大切なのはビジネスにおいて結果を出す能力そのものであるのは
言うまでもありませんが、
Hさんに対する回答をストレートにお伝えすると、
学歴は高校卒業後に入学した“大学”が大切である
という事実です。

編入や学士入学なども実は「おや?」と思わせるものがあります。

私も職業柄、今まで1000人以上の履歴書を見てきましたし、
実際にクライアント先と採用のプロジェクトを
大がかりで取り組んだこともあります。

具体例をいうと、

東大を卒業していたら、
大学院は三流でも四流でもほとんど関係ありません。

東大水準としてそのまま判断されます。

その反対に、大学は三流なのに、大学院だけが不釣り合いに
一流大学の大学院になっている場合は、
むしろ三流大学の方が強烈なインパクトに残るということです。

一流大学の大学院に進学するのは一般に難易差があり、
概して特に文系は、やさしいことが多いのです。

一流大学に入学するのは、それより遥かに難しいことくらい、
ある程度以上の企業の面接官や人事は熟知しており、
履歴書を安易にお化粧しているな、と簡単に見抜かれてしまいます。

したがって、
「三流大学卒、一流大学大学院修了」は必ずしも就職で有利とはならず、
むしろ心証を悪くすることもあるでしょう。

ただし、卒業するのに実質的難易度も高い欧米のごく一部の名門大学院は、
あなたのビジネス人生を本当の意味で
逆転満塁ホームランにするポテンシャルはあります。

要は、お手軽にごまかそうとせず、愚直にちゃんと付けた実力に
見合った評価をしたいと採用側は思っているということです。

また、ここが大切なのですが、
そういった入り口での評価はあくまで入り口であり、
入社後はハイレベルな職場であればある程「成果」で評価されます。

今から高校生に混ざって大学受験するのもそれほど価値あることだと
思わないのであれば、今いる場所で吸収することはないのかを
再度見つめなおすことをおすすめします。

すでにお気付きのように、年収アップと大学院進学は
別のジャンルのものを強引に結び付けようとしています。

その上で、純粋に大学院で学びたい、収入が仮に下がってもいい、
というのであれば心底応援したい気持ちになりますね。

...千田琢哉(2009年2月11日発行の次代創造館ブログより)

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