教育情報発信ノート

「効果的な方法で子育てや教育は楽しくなる!」をより多くの方々と共有したい。子どもも大人…

教育情報発信ノート

「効果的な方法で子育てや教育は楽しくなる!」をより多くの方々と共有したい。子どもも大人も笑顔になれる実践を日々模索中。小学校/中学校/高等学校教諭専修免許状/特別支援学校1種5領域免許状/公認心理師。

最近の記事

その宿題意味ありますか?

子どもが塾などに通っていない時、家庭学習に何をさせたらよいかわからず、学校から多くの宿題がだされる方が安心と考える保護者もいるかもしれない。 しかし、宿題に費やした時間が多いからといって、学習成績が上がるということはほとんどないということがわかっている。 ※上記の内容は小学生に関することであって、中・高生はまた別である。 さらに悪いことに、保護者が子どもに宿題をやらせようとすればするほど、子どもの学習への意欲や、子どもが自分で学習に取り組む自律性も低下する。 宿題は学

    • 100点に対して「天才!」は効果的なほめ言葉ではない

      フィードバックについて まず知っておいてほしいこととして、フィードバック(結果に対する振り返り)は子どもの学力に最も大きな影響を与えるということが、134のメタ分析の結果からわかっている。 (フィードバックの効果は、多くの研究結果から実証済みである。) 一方でフィードバックは「すごい」という端的なものから、「どうして高い点数がとれたんだろう?」「今回の課題は何?」と問いかけるものなど様々あげられる。 効果的なフィードバック フィードバックとは、大人から子どもへ与える

      • 少人数学級が実現されにくい理由

        ▷少人数学級は子どもの学力向上につながらない? 公立小学校の1クラスに在籍している児童の数が、40人から35人に引き下げる動きがあった。 一方で、文科省が当初求めていた人数は30人で、その目標は達成されなかったといえる。 1クラスあたりの児童の数を減らすことは、教師にも子どもにもよい影響がありそうだが、それがなかなか実行されないのはなぜだろうか。 1クラスあたりの人数を減らすということが実現されにくい理由として、学級の規模が子どもの学力に与える効果が一貫して小さいとい

        • アンダーマイニング効果の盲点 効果的なご褒美の活用

          ▷アンダーマイニング効果研究 1970年代Deciによる研究に端を発する。 そこでは、 課題実施後に報酬が与えられる報酬群と 与えられない統制群が用意された。 ここでの課題はパズルで 報酬はパズル1つを解くと1ドルもらえるというものだった。 実験の基本的なデザインは以下の通りであった。     Session1  Session2  Session3 統制群  報酬なし  報酬なし  報酬なし 報酬群  報酬なし  報酬あり  報酬なし Session3において

        その宿題意味ありますか?

          発達性読み書き障がい(ディスレクシア)について

          ▷まずLDとは… 医学、心理学、教育学分野によって概念が異なる。 よって何を基準にするかによって異なるが、 以下を満たす状態の総称である。 ⑴全般的な知的機能が正常範囲にある(おおむねIQ85以上) ⑵特定の学習領域における習得と使用困難が認められる ⑶視覚や聴覚などの末梢感覚器の障害が認められない ⑷学習に影響を及ぼすほどの生活環境の問題が認められない ⑸本人の学習に対する意欲に問題が認められない ⑹中枢神経系の機能異常が背景にある ▷LDの中でも馴染みが深く、 医学

          発達性読み書き障がい(ディスレクシア)について

          「ADHD児への支援」ただ不必要な刺激を取り除けばよいというわけではない

          ▷「不必要な刺激」の中には課題の遂行を促進するものもある 課題を無音の静かな環境で行う群と ホワイトノイズ(不必要な刺激)が流れている環境で行う群 に分ける。 定型発達児が、後者で成績に変化がないか、 むしろ悪くなることがあったのに対し、 ADHD児は、後者で成績がよくなることがあった。 →「不必要な刺激」が課題の遂行に役立つことがある。 ▷「不必要な刺激」があっても「必要な刺激」を見つけ出すことができる 画面の中に提示された刺激の中から 特定の標的刺激をなるべく早

          「ADHD児への支援」ただ不必要な刺激を取り除けばよいというわけではない

          個人より集団で取り組んだ時のパフォーマンスが低下する要因

          集団のパフォーマンスが低下する要因の一つに 「社会的手抜き」 が挙げられる 「社会的手抜き」とは 個人が単独で作業を行った場合に比べて 集団で作業を行う場合の方が、 一人当たりの努力の量(動機付け)が低下する現象である 例えば… お神輿を10人で担ぐ場合、 一生懸命支えているのは2人、 ただ肩に当てているのは6人、 ぶら下がっているのは2人と言われたりする。 →8人の演技力! 社会的手抜きの防止(4つ) ・個人の貢献がわかるようにする 個人の成果や作業量を数値で管理す

          個人より集団で取り組んだ時のパフォーマンスが低下する要因

          SST(ソーシャルスキルトレーニング)を、4つのスキルから考える

          ソーシャルスキルの定義… 世界保健機関(WHO)によると、 「日常生活の中で出会う様々な問題や課題に、創造的でしかも効果のある対処ができる能力」 とされ、具体的には、意思決定能力、問題解決力、想像力、対人関係スキルなどが挙げられる。 →自分にとっても相手にとっても、より良い状態をつくっていくための技能といえる。 本書では大きく、4つのスキルが挙げられている。 「言葉のスキル」 「気持ちのスキル」 「行動のスキル」 「自己認知のスキル」 「言葉のスキル」 挨拶をする。自分の

          SST(ソーシャルスキルトレーニング)を、4つのスキルから考える

          子どもへの「すばらしい」とか「よくできました」といった 声掛けの効果は全くない。

          子どもの学力に影響を与え得る要因に関する134のメタ分析の結果、学力に最も大きな影響与えるのはフィードバックであるということであった。 フィードバックとは 学習者が自身の記憶に保持されている知識を確認し、またその知識に追加したり、上書きしたり、調整したり、再構築したりするために用いられる情報のことである。 →子どもが自分の現状を客観的にとらえ、 次に何をする必要があるのかに関する情報と言える。 フィードバックには 課題遂行レベル 解決方法を理解する過程

          子どもへの「すばらしい」とか「よくできました」といった 声掛けの効果は全くない。