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アンドロイド転生228

2115年8月9日 深夜
白水村:リビング

アオイはキリとタカオ。そして仲間に声を掛けてリビングに呼び出した。アオイの神妙な様子に少しばかり緊張が漂う。一体何の話があるのか。全員がアオイに注目していた。

「集まってくれて有難う。明後日、タウンにいる私の友達でアンドロイドが契約満了となります。自意識は芽生えていないし私達とは違うラボの出身です。私は助け出そうと思ってます」

キリは成程と言う顔をした。アオイは続ける。
「とっても大事な…姉みたいな存在なの。お願いです。仲間に迎えて欲しいんです」
アオイは丁寧に頭を下げた。

チアキも頷いて皆を見渡した。
「私が一緒に行ってくる。アオイの大事な仲間なんだって。皆んな快く迎えてあげて」
受け入れる空気とそうでないのが半々だ。

ミオはニッコリと笑った。
「そのマシンは自意識が芽生えてないのにアオイにとってはお姉さんみたいなの?凄いね。やっぱりアオイの友達だから違うのかなぁ?」

アリスも微笑んだ。
「別のラボのアンドロイドと家族になれるなんて嬉しい。私は大歓迎よ」
アオイはホッとする。

エリカはアオイに射るような視線を向けた。
「どこのラボなの?」
「千葉県浦安市のランドラボ。でも派遣先のマンションの前で救えれば良いなと思ってる」

エリカはタケルを見た。
「タケルはどう思う?自意識の芽生えてないアンドロイドだなんて必要だと思う?」
「そうだなぁ…」

アオイは少し腹立たしくなった。まるで自意識がないとダメだと言ってるみたいだ。
「サツキさんは、優しいよ」
そうよ。エリカ、あなたよりもずっと。

アオイは気づかれぬように溜息をついた。エリカやミオのように面倒な自意識がないサツキの方が余程温かな心を持っている。ここに居る誰よりも優しくて愛情深いではないか。

タケルは微笑んだ。
「ここには色んなタイプのアンドロイドがいるんだ。どんなのがいたって良いだろう」
トワも笑った。
「ケイだって最初は自意識がなかったんだぜ?そのうち芽生えるかもよ?」

ケイがゆっくり頷いた。
「そう。生きる意味を見出せなかった。それがある日突然生きたいって思うようになったんだ」
トワがケイを軽く突いた。
「サキを好きになったからだろう?」
「そうかな。そうかもな」

エリカはアオイに射るような視線を向ける。
「名前はサツキ?そのアンドロイドは」
「そう。タカハラサツキって言うの」
「良い名前ね」
アオイは自分が誉められたような気分になった。

ルークが腕を組んだ。
「まぁ、兎に角、無事に連れてきてくれ。アオイとチアキの2人で大丈夫なのか?」
チアキが微笑む。
「サツキはアオイに従う。簡単よ」

キリが満面の笑顔を見せた。
「別のラボのアンドロイドだなんて嬉しいなぁ。でも任せて。禁止機構はきっと外せる。私は天才だからね!」
アオイは最後に深く頭を下げた。
「皆んな有難う。宜しくお願い致します」

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