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競争の時代はもう終わった。これからは協走の時代だ。

1.今回の要点

今回は先日、私がツイートした「これからの社会に必要なのは協走だ」の解説です。

・経緯
・「協走」とは
・競争の時代
・これからの時代
・これからの時代に必要なこと

この流れでお話しします。
忙しい方は「終わりに」と「要約」だけでも読んでいただけると嬉しいです。

毎週水曜日はTwitterでのツイートの解説をしたいと思っています。
このツイートの真意が気になるなどありましたら、noteへのコメントやTwitterでDMをいただけると幸いです。

2.経緯

先日、私がこんなツイートをしました。

とても嬉しいことに、「2086インプレッション/40いいね/1リツイート」の反応をいただいています。(2022年3月2日現在)

しかし、このツイートだけでは説明不足だと感じたので、今回のツイート解説に選びました。

3.「協走」とは

そもそも「協走」は私の考えた造語です。

意味は
「それぞれの特性を活かし、力を寄せ集め、自分自身の、自分達の目的を達成する」という意味を込めています。

いただいたコメントで、「「伴走」との違いは?」と聞かれました。

伴走とは、「走者のそばについて走ること」です。
そして、「伴」は「従う」という意味が含まれています。

協走は「走者に従う」のではなく、「全員が走者であり、それぞれのゴールのために力を合わせる」のです。
そのため、力を寄せ集める意味を持つ「協」なのです。

4.競争の時代

これまでの時代は、他社の顧客をいかに自分たちの商品、サービスに乗り換えてもらえるかという「競争」が重視されていました。

例えば、携帯です。
乗り換え割など、他社ユーザーを自社に引き込むプランが目立ちました。

「他社と比較し、自社の商品がどれだけ素晴らしいか」
「どれだけお得になるか」
新規顧客を獲得するために、自社へ引き込むコピーライティングを強調されています。

CMがすごくうるさ…特徴的なことで話題となった、楽〇モバイルのCMでも「乗り換えたらこんなに安い!」というセリフ。
他の携帯キャリアから乗り換えてもらうために力を注いでいます。

しかし今の時代、顧客が自社の商品、サービスしか使わないなんてことはまずあり得ません。

コーラを買う人でも、コカ・コーラ製品だけでなく三ツ矢サイダーやお~いお茶も買います。
Dポイントを使う人でも楽天ポイントは使います。

こうなってしまえば、顧客を奪い合う競争がいかに無意味なことか分かるはずです。

5.これからの時代

では、これからの時代はどうなのか。
ここでは①ビジネス②会社(組織)の観点から話します。

①ビジネス

まず初めにビジネスの観点です。
これからは、パイの奪い合いではなく、相乗効果で他のサービスと一緒に使ってもらえるかが大切です。

例えば、Googleです。
Googleのサービスは、もはやなくてはならない存在となりました。
試しにGoogleが提供するサービスを使わない生活を送ってみてください。
できたら強者です。自分には無理でした。

仮に、Googleと同じような規模、サービスが生まれたとして、普段からGoogleを使っている人がそのサービスに切り替えることはまずないでしょう。

つまり、現代のビジネスでは、Googleを作るのではなく、組み合わせることでより便利になるサービスが使われるサービスになります。
人々の生活をより良くするためには「協走」が必要なのです。

②会社(組織)

両親の話と就職活動を通じて実感しましたが、会社で働くことの価値観が時代と共に変化しています。

これまでは、「入社したらその会社で定年まで働き続ける」や「大きい会社に入社すれば安定」「勤続と共に給料が上がる」という考えは正解でした。
そして、採用面接でも「御社のためなら何でもします」という心酔している、できる人を採用していました。

しかし、企業の利益重視の考えは移り変わりつつあります。

近年、国内でも聞くようになった、「パーパス経営」。
この言葉は、企業の「社会的な存在意義」を意味します。

いまや世界中のキーワードになっている「SDGs」。
この考えは、個人の行動や社会活動だけでなく、企業活動にも求められています。

企業とは何のために存在するのか
社会においてどのような責任を果たすのか

引用:『パーパス「意義化」する経済とその先』岩嵜博論

これからの企業は利益重視ではなく、「社会のために何ができるか」が問われます。

それに伴い、採用活動にも変化が起きています。

これまでは、この企業でどれだけ働きたいのかが問われました。
これからは、「どれだけ働きたいか」だけでなく、「自分はどう生きたいか」が問われます。
つまり、私たち個人の「パーパス」です。

働くことは人生の一部。働くはその人の生き方になります。

企業の目指す方向と、自分自身の目指す方向を照らし合わせた働き方が当たり前に問われます。

そのため、「それぞれの特性を活かし、力を寄せ集め、自分自身の、自分達の目的を達成する」ことが大事になるのです。

6.これからの時代に必要なこと

これからは「自分がどう生きたいか」が注目される時代になります。
人の生き方が多様化し、以前のように「この生き方が理想」や「人生はこういうもの」などないのです。
「働くことは自己実現の一部」だと考えていくことになります。

人生の目的は何か、人生をどう送りたいか、そのためにどうしたいか。
人生の目的を考えていく必要があります。

現代の若者の多くは、「特にやりたいことがない」と思っているそうです。
「やりたいことがない」と「やろうと思っていることがない」は違いますが、本当にやりたいことがないのであれば、一度考えても良いと思います。

これからの時代は
「共通の目的を持った仲間と共に、組織の目的と個人の目的の実現を目指す」ことが組織の基本となるでしょう。

7.終わりに

ここまで「協走」の意味と、これからの時代をお話してきました。
それぞれの目的に向かって、協力し合える仲間というのは大変貴重な存在です。

ただし、その関係がいつまでも続くとは限りません。
どちらか一方でも、「協力してもらえないな」や「協力したいと思えない」と感じてしまった瞬間、その関係は崩壊に近づきます。

この認識は、組織運営において大切な考えだと思っています。

協走できる仲間と活動できる時間を大切にし、出会えたことに感謝しましょう。

要約

  • 協走の意味は「それぞれの特性を活かし、力を寄せ集め、自分自身の、自分達の目的を達成する」。

  • これまでの時代は、他社の顧客をいかに自分たちの商品、サービスに乗り換えてもらえるかという「競争」が重視された。

  • 今の時代、顧客が自社の商品、サービスしか使わないなんてことはまずあり得えない。

  • これからのビジネスは、パイの奪い合いではなく、相乗効果で他のサービスと一緒に使ってもらえるかが大切。

  • 人々の生活をより良くするためには「協走」が必要。

  • 近年、企業の「社会的な存在意義」が問われ、会社で働くことの価値観が変化し、採用活動にも変化が起きている。

  • 「自分はどう生きたいか」が問われる。

  • 企業の目指す方向と、自分自身の目指す方向を照らし合わせが必要。

  • これからは「自分がどう生きたいか」が注目されるため、人生の目的を考えていく必要がある。

  • 「共通の目的を持った仲間と共に、組織の目的と個人の目的を目指す」ことが組織の基本となる。

引用文献

『パーパス「意義化」する経済とその先』岩嵜博論 NewsPicks


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