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005.梅干し、漬けました。(2回目)

今年も。梅干しを漬けた。
梅干しを初めて漬けたのは去年のこと。

ころん、と可愛い梅を洗い、塩の中に並べるのはとても豊かで楽しい時間だったのだけど、完成した梅干しは決して成功とは言えない出来だった。

まず、固い。
ごはんのお供にいただこうにも、箸ではほどけない。そのため、基本的には包丁でたたいて梅ペーストを作るか、調味料として煮物に入れるかしないと食べられない。(カリカリ梅として食べるには少し大きい)

そして、酸味がとても強い。
目玉が飛び出そうなほどすっぱいのだ。
公園に行くときなんかに、梅おにぎりを作る。
梅のたたきと、かつおぶしと胡麻をご飯にまぜこんで、小ぶりなおにぎりを二つ作る。
これは私と夫の二人分なのだが、使う梅干しはたった一粒だ。

ぽいと口にまるまる一つを放り込むと、あまりに刺激が強くて、眠い朝にもしゃきっと目が覚める。そのくらいすっぱい。

こんな刺激的な梅干し(ver.2021)だが、熟成させるうちに、少しずつ味がまろやかになってきた。始めにあった、とげとげしい酸味が少し丸くなってきたのだ。
時間が経つにつれて、これからも味が変化していくのだろう。少しずつ少しずつ(まろやかになったとはいえすっぱいから)、大切に食べていきたい。
「上手くいかなかった」と思うようなことも、時間薬が案外色々なことをどうにかしてくれるのかも…なんて思った。数年後、ほどよい固さとほどよい酸味の絶品梅干しになったりして。

でも食べたいのは、ふっくらやわらかく、まろやかな梅干しだ。
さて、この「固さ」「強い酸味」の原因は何だろうか、と考えてみる。
私は、肝心なのは梅選びだったのではないかと思っている。

梅干しには、熟した黄色い梅が向いている。一方で梅酒には、まだ固い青梅が適している。
去年、まだほぼ青い梅を購入してきて、自宅で追熟させた。
おそらく、それがいけなかったのだ。

追熟させた梅は、黄色く色づきはしたものの、まだまだ青梅と同じくらい固い実だったのだ。
理想の梅干しを求めて、梅干し作りにリベンジすることとした。

そうと決まれば、まずは買い出しだ。
去年の反省を踏まえると、肝心なのは始めの梅選びだ。
慌てて梅の実を購入してしまうようなことはしない。数日スーパーに通い、より熟れた梅を待った。

今回選んだのはこちらの南高梅。
赤く色づいている箇所もあり、何より指で押すと潰れてしまいそうなほど柔らかい。
(夜な夜な梅仕事をしたので暗い色味の写真になってしまったが、質感の違いがおわかりいただけるかと思う)

去年(ver.2021)購入した梅。
柔らかく熟れた、今年の梅の実。

梅に14%の塩をまぶし、重石を置いて数日待つ。
塩の浸透圧で、甘いジュースのような香りの梅エキスが出てくる。この梅エキスと塩が混ざった液を「梅酢」と呼ぶらしい。
ワタナベマキさんのレシピでは消毒用の焼酎を使うようなのだが、うっかり買い忘れたので省略した。
塩分も少し控えめで心配だったのだが、2日でもう梅の半分が浸かるほど、3日目には全ての梅が浸かるほどしっかり梅酢が出たので心配なさそう。
梅酢にしっかり塩が溶けているし、そこに実が浸かっているなら、かびたり、腐ったりすることはないだろう。

梅選びを変えてみて驚いたのは、梅酢の量が全く違うこと。

マキさんの本には「梅酢をお料理に使うのもいいですよ」なんて書いてあったのだけど、去年は梅酢が少なくて、梅酢を梅干し以外に使える余裕がなかった。梅酢が余るなんて、よほどたくさんの梅を漬けているんだな〜なんて呑気に思っていた。

でも、きちんと熟れた梅を使ったらよかったんですね…。マキさん、疑ってすみません…。

今年の梅酢は、ほんのりピンク色だ。
よく熟れた梅の赤さが出ているのだろう。

あと3週間ほどしたら、庭の赤紫蘇を摘んで加えたい。
このために、春先から赤紫蘇をたくさん蒔いていたのだ。できるだけ日当たりのいいところに置いていたら、葉がムラなく色づいた。
青紫蘇は半日陰でもよいようだが、赤紫蘇は日当たりのいいところを好むらしい。(この赤い成分、シソニンというらしい。名前かわいい)

ベランダ菜園の赤紫蘇。

まだまだ葉が小さいけれど、梅雨明け後までに大きくなってほしいな。梅の方は準備万端!

本当は梅干しが完成したらまとめて書こうと思っていたのだけど、去年よりも遥かに上手くいっていて嬉しかったので記録しておく。
赤紫蘇の記録もまた書きたいなー。

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